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蟹騎士様の魔族生活  作者: ホワイト爺
第一章 魔族街デアントの住人
39/74

1-27 蟹VS兎

part レヴィ


・・・何故こうなった。


私はパフェを食べに来たのに、もっと言えば飲み逃げ蜘蛛を捕まえに探していたのに、もっともっといえば勧誘活動をしていたはずなのに。うん、これも何もかも魔王の所為だ。絶対殺す・・・そのうち。


「準備はいいかい!」


「ええ、いつでもどうぞ!」


今、私達がいるのは甘々餡の外で周りには店の中にいた客や店員、通行人やこの周辺の店から来た人が見物人として多くいる。魔族は血の気が多い者がほとんどのようであちこちから声援や歓声が聞こえてくる。


「赤髪の嬢ちゃん怪我しないよう頑張れよー」


「やっちまえーミザリーさん!」


どうやらほとんど、いや全員がミザリーさんが勝つと思ってるようだ。

リチャードさんが私達の間に入り、慣れない審判役を行う。


「あー、これより騎士同伴の決闘を行いますー。両者は構えてくださいねー」


このやる気のない棒読みゼリフに周りからブーイングが飛び交う。


「もっと真面目にしろー!」


「空気読め鳥頭!」


「それでも騎士かテメー!」


それに対して何も言わず舌打ちだけする。その態度がさらに見物人の怒りを煽るが


「やかましいよ!!あんた達!!リチャードももっと真面目にやりな!!」


ミザリーさんの一括でみんな黙り込む、だがそれでもリチャードさんだけそっぽ向いている。

彼女は地面に置いていた木製の棒を手に取り私に向けて構える。私も拳をミザリーさんに向けて構えるが苛立った声をかけられる。


「へぇ、武器も持たず無手かい、私も舐められたものだね」


「いえ、舐めてませんよ。私の武器はこれです」


「・・・本当に変わった子だねぇ」


「んじゃ、用意できたかー、それではよーい・・・」


構えたまま体全体に力を入れ、そのまま準備練習の為流すように魔力を腕に込める。すると腕の部分だけが赤い蟹の甲殻に包まれて凶悪な見た目に変わる。

これって魔力を込めればすぐに甲殻を出せるのですか!これもオリジンの能力でしょうか?しかも服の上から覆えるようで便利だ。この機会にいろいろ試してみましょうか。周りが私の変化に気づいたのかざわめく。


「はじめ!」



part ミザリー


さあて・・・レヴィとかいうリチャードの連れて来た女騎士の実力を見せて貰おうかねぇ

・・・なんだいけしかけてこないねぇ。じゃあ


「あたしから行かせて貰うよ!」


そう言ってあたしは木の棒を体に引き、足に力を込めて駆け出す、というより跳び出す。


兎魔族は脚力が凄まじく、走り出しの速度なら他の魔族に負けはしない。その速度で繰り出されるあたしの突きはどんな力自慢や巨体の持ち主でも地面に沈めてきた。何人かの例外はいるが当たれば必殺である。


さぁ、どう防ぐ?・・・あれ?動いてない、というか避ける気ないのか!?やば、モロで当たったら殺っちまう!!


バシン!!


・・・・・・は?


「いったああああああああああ!」


え、いま、片手で受け止めた・・・?素手で?いや、痛いで済むか!?普通へし折れてどっかに吹き飛んでいくよ!!?


「つ〜っ!!あーーー!もう!油断した!う〜!防御甲殻って甲殻自体が硬くなるけど関節が強くなるわけじゃないのか・・・!」


そう言って肩を押さえている。


なんなんだいこの子は!?周りの魔族達の開いた口が塞がってないじゃないかい!


ゴギン!!


へ?


音源を見ると肩を回して調子を診ている赤髪がいた。


「よし、直った!次はこっちからいきますよー!<攻撃甲殻>スパイク!」


いや、直ったって・・・無理矢理外れた間接を押し戻したんじゃないかい。


レヴィの真っ赤な腕から殺傷能力が高そうま三角錐のトゲが握り拳から生えてくる。あたしは後ろに跳んで距離を取り、棒で応戦するため体に引く構えから前に突き出す構えに変える。


参ったねぇ・・・かなり頑丈だよこの子。だけどいくら硬くても攻撃が弱かったら勝負には勝てない。あの腕の細さじゃ威力なんて出るわけないけど、あのトゲには気をつけた方がいいね。


と様子を伺っているとレヴィが走り出してきた。スピードは・・・早い方だが特別早いというわけではなく、まぁこんなものか という感じだ。そして棒のリーチ圏内に入ってきた。回避不能の強烈な一撃を入れる為、突きを何度も行い隙を伺う。先ほどダメージを受けた右肩を重点的に狙いそこから守りづらい足を攻撃する。


「ふん!は!やぁ!」


「・・・」


右肩突きは体を逸らして避け、下段凪ぎ払いは足で逆に踏みつけられて隙にされてしまい、途中に足技を挟んだ連打突きはがどれも回避し、腕の甲殻で受け流され冷静にさばかれている。周りの見物人も固唾を飲み見いっている。というか・・・


コイツ・・・攻める気がないのか?全然拳が飛んでこないぞ。舐められてるのか?

いや、様子を見られてるのか!?だとしたら不味い、こちらの技が全て見切られたら勝ち目が一気になくなる!どうにかして一気に勝負をつけるしかないが・・・少し卑怯だがあれしかないか。


アタシは魔力を棒に込めて上から下に向けて地面に強く叩きつける。そして魔力が地面に込められて術式を立ち上げる。土魔法の操の術式を打ち付けた場所へありったけの魔力を送り込み術式を起動させる。

レヴィの周りの土が盛り上がり巨大な腕の形へ変貌する。そして巨腕はレヴィへ向けて突撃する。

少し卑怯だがそちらの甲殻はもっと卑怯なのだからしかたない。


「!」


なんとか逃れようと跳躍し後ろに後退しようとする所にアタシが割り込み、そこへ土の巨腕が追い討ちする。


戸惑いの表情が見えた。


今だ!


その心の隙を最大限に生かす為、突き棒に更に魔力を送り込み土を纏わせて矛状にしてグレイブに変える。この状態ならきっと彼女の甲殻も貫けるはずだ。


「うーん・・・少し本気を出しますか」


え・・・?


その後グレイブと化した棒の先端部分がへし折られて、追撃していた巨腕が粉々にされ、アタシは一瞬にして地面に倒された。


・・・コイツはとんだ化け物だよ。

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