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蟹騎士様の魔族生活  作者: ホワイト爺
プロローグ
3/74

0-3 出会い

part 魔族騎士団第5部隊


「この辺りだな」


「そうですね、ここが目撃現場です」


「本当にこんなとこにいんのかよ・・・」


ゼリア海岸沿いの森を歩く三人組。それぞれ服の上から胴体にプレートアーマーを身を付けており、違う武器を持ち、共通するバッチが付けてあった。バッチは逆三角形に近い盾の形をしており、狼のマークがあった。


彼らは魔族騎士団第5部隊である。

隊長はこの中で一番背が高く、大剣を持っている。黒い毛並みをした狼を二本足で立たせた様な見た目の魔族だ。


次に人間に犬耳を着けた様な見た目で、髪と毛は赤茶色。この中では背が一番小さく、かなり若い感じがし、片手剣とバックラーを持つ魔族。


最後に軽口叩き両刃のロングソードを持つ、人間に鳥の羽を着けた様な見た目の翼無しの鷹魔族だった。


あとこの部隊にはもう一人いるが彼らの置いた荷物と馬車の番をしているのでここにはいない。


「真面目に探せリチャード」


「へいへい、かしこまりましたよ隊長~」


隊長と呼ばれた狼魔族がため息を吐き、リチャードと呼ばれた鷹の魔族がその辺を警戒、というよりキョロキョロみる。すると何かを見つけたようだ。手を伸ばしそれを捕まえて前を歩く犬魔族の顔の後ろに持っていく。


「ポピーくーん♪」


「何ですか、先輩・・・うっひゃあ!?」


ポピーと呼ばれた犬魔族が振り向くと、リチャードの手の平に乗せられたデカイ蜘蛛が眼と鼻の先にいた。

驚いてしまい変な声を出してしまう。そして驚かした相手に食ってかかる。


「先輩!!何するんですか!今は任務中ですよ!ふざけないで下さい!」


「全く、ポピーくんったら面白い反応するね~」


ふざける自分の先輩の行動にため息を吐き、注意する。


「先輩、そんな油断してていいんですか?ここにはレッドオーガが出たって話ですよ」


「バーカ、レッドオーガがこんな森に出るかっつーの アイツらは北のミビリス火山の麓にいるじゃねぇか。ここにいるわけねーよ」


リチャードの言ってることは正しいのだ。レッドオーガは火山地帯に生息してる為こんなゼリア海岸付近で見つかることはあり得ないのだ。

だが第5部隊は、この周辺でレッドオーガが出たという話を聞き、調査の命令を魔族騎士団の団長に受け今に至るのだ。


「それは・・・そうですけど・・・」


「なんだぁビビってんのかよポピー」


「だ、誰もビビってませんよ!」


「本当か~蜘蛛にすら驚いてたのに~?怪しいなー」


からかわれたポピーと呼ばれた犬魔族が狼魔族に泣きつく。


「ハルスたいちょう~」


「お前らふざけてないでちゃんと・・・!?」


ハルスと呼ばれた狼魔族が手で静止を合図する。


「「?」」


部下二人がハルスの視線の先を向くとそこには、赤い体に黒く光る角を一本生やし腰に布を巻いた鬼がいた。レッドオーガだ。

だが大きさがおかしい、4m以上はある。魔族全員の顔が青くなる。これは・・・


「おいおい、本気かよ・・・!」


「ジャ、ジャイアントレッドオーガ!!?」


「バカ!声がデカイ!」


ハルスの指摘にポピーが慌てて口を押さえるがもう遅い、巨赤鬼ジャイアントレッドオーガはこちらに気づき、声をあげ走ってきた!


「ゴアァァァァァァァア!!」


「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ポピーの叫び声を合図にしたように三人は後ろを向き全力で走り出す。あれに三人で勝てる見込みなどなかった。ランクAの巨赤鬼に勝つには第五部隊と同じエリート部隊は2部隊必要だろう。もしくは騎士団長がいれば問題はない。だがここにいるわけがない。


「ポピーのバカ野郎!」


「先輩だっているわけないって言ってたじゃないですか!」


「そりゃ、誰だっているわけないって思うだろ!」

「目撃証言があったんですよ!バカじゃないですか!」

「なんだと!ポピーの癖に・・・」


「こんなときに喧嘩するな!!」


ハルスが怒鳴り二人の口喧嘩を止める。

後ろを振り向くとそこには赤巨鬼が迫っていた。すぐに腰に巻いてあるポーチからポピーお手製の簡易爆弾を取りだし投げつける。


「おらぁ!!受け取れ!!!」


が、その巨体から想像もつかないフットワークで横に避けられてしまう。巨赤鬼の後ろで空しく爆発する。


「ふざけんなよおい・・・早過ぎだろ!」


徐々に距離を詰めてきた。巨赤鬼が拳を上げるのを見たハルスが声をあげる。


「避けろぉ!!」


ドォォォォォン!!!という音と共に土煙が舞い上がる。何とか横にダイブし回避に成功したハルスは直ぐ立ち上がり声をかける。


「お前ら無事か!?」


「ハルス隊長!先輩が僕をかばって足に怪我を!!」


「なんだと!?」


「バ・・・バカ野郎、俺を捨ててさっさと逃げろ・・・!」


「できるわけありませんよ!そんなこと!」


土煙が晴れ、そこには倒れたリチャードとそれを立ち上がらせようとしてるポピーの姿があった。だが巨赤鬼は拳を振り上げていた。隊長は駆けようとするが間に合うタイミングではない。ただ言葉を出すしかなかった。


「逃げろお前らぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


ポピーとリチャードは思わず目を閉じてしまう。


・・・・・・・・・・・?


だがいくらたっても痛みが来ない。それに疑問に思い目を開けるとそこには。


「大丈夫ですか?」


そう訪ねてくる見たこともない赤い一つ目魔族がいた。新手のモンスターかと全員が思いかけた。

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