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蟹騎士様の魔族生活  作者: ホワイト爺
プロローグ
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0-1 蟹の目覚め

はじめまして 初めて書く小説なので不快に思うものがあるかも知れませんが生暖かい目で見て頂くと助かります。

part ステラ


最初は真っ暗闇だった。いや、それを闇とも認識できなかった。まるで氷漬けにされたように頭も体も動く事、動こうとも思えなかった。


だが一筋の光が差し込み次第に闇が晴れていく。白色の空間にいるような眩しさが瞼越しの目に刺さる


「ん…」


私が目を開けると。左側に地面から生えた草花が、右側には青い空が映った。ただそれさえも光景として自分の目で見たものとすら認識出来ずにいた。

次にザザァーン…ザザァーンと聞こえ、ヒューヒューと風の音が耳に入るようになった。しょっぱい匂いがし始めたあたりで、今見えてる物、聞こえてる物を頭が認識し始める。


「地面・・・空・・・雲・・・音・・・水?・・・風・・・匂い・・・塩?・・・海?」


手探りのように言葉にして音と匂いから海が近くにあると理解し、認識を確かなものに変えていく。


私は…いったい…ここは…どこ…私…誰?っ!?


頭に痛みが走り、ある光景がフラッシュバックする。そして自分が何者かを理解する。


「う、ううん・・・」


ああそうだ。私は魔王と戦っていて・・・。そんな事を思い出しながら、私〈ステラ・カルミヌス〉は目をさました。


私はグランディス王国という人間達の王都マギニで騎士をしていた。街は国の中心であり王城が聳え立ち、城下町も賑わっており行き交う人間達は皆笑顔で平和を感じていた。


だがそこに魔族が攻めてきた。魔族と人間は東と西にそれぞれ住んでおり、東に人間、西に魔族がいた。今までこのデーア大陸の中心の決戦荒野で戦争を何度か行っていたが、魔族、人間の両方は互いに相手の領土に攻めあげるにまで至らなかった。そこまで攻めあげれる資金、人員、資源が持たないのだ。


その均衡が破られたのは5年前に現れた新しい魔王が出てきたからだ。その魔王は私逹の思いもしない作戦を立てたり、未知の魔法を使い私逹を一気に蹂躙した。


その結果私達人間はマギニまで追い詰められ、そこで私は魔王と対峙し、命を落としたはずだった。


 (あー、悔しかったなぁ・・・万全の状態でも勝てるかどうか怪しかったけど・・・)


だがこうして何故かは分からないが生きている。私が倒れた後、人間がどうなったか分からない。だがそれを確かめる意味でも前に踏み出す必要がある!

そう思い足に力を入れ起き上がろうとするが・・・


「は?」


起き上がる際に視界に入った自分の体に異常が発生していた。血に濡れてるように赤く、硬質的な見た目だ。鎧かと思ったが風を体で感じることができる。触って確認しようとするが・・・


「え、ええ?」


腕も同様に赤かった。よく見ると何処かで見たことある感じがする。騎士団食堂で美味しいと食っていた記憶が甦る。指の関節部分の見た目と感覚にものすごく嫌な予感がする・・・


「ま、まさか・・・蟹?イヤイヤイヤイヤ!!ありえないありえないありえない!!!私人間ですよー!そんな訳・・・」


自分の能力を確認するため目を閉じ、意識を自分の中心に持っていく、すると・・・



 名前 無し  性別 ♀ 年齢 0歳 種族 魔族-オリジン・キャンサー 職業 無し

 称号 〈血濡れ〉 〈殺戮夜叉〉〈魔族殺し〉 〈騎士の心〉 〈拳王〉 〈剣の達人〉 〈救い手〉 〈二度目の命〉 〈オリジン個体〉 



 「な、なんですかこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーー!!!??」


 キャンサー?オリジン?0歳?魔族?殺戮夜叉?血濡れ?二度目の命?

まて、まてまてまてまてえええええええい!?な、何、え?嘘ぉ!?


お、落ち着こう、私、まずは順々にいこう・・・えっと・・・先ずは〈二度目の命〉からか・・・。


おそらく言葉道理の意味なのだろう。私は確かにあのときくそったれ魔王の反則謎魔法に殺られた。だけど何故かこうして五臓六腑無事で立っている。実は死んでなかったという事は・・・うん、どう考えても片腕溶かされて、左目が凍結させられ、全身に雷を落とされて、胸を貫かれれば誰だって死ぬ。

〈0歳〉という年齢もそのせいか。とても信じられないが転生という奴なのだろうか?その辺りは調べなければならないだろう。というか調べられるのでしょうか?


つ、次の問題はその転生先だ・・・なんですかオリジンって!なんなんですかキャンサーって!両方共に聞いた事も見たこともない。本当に手のつけようもなく、どうしようもない。


調べなければならないだろうが・・・私は今とても信じたくないが魔族だ。人の居るところにいけないだろう。行ったら調べるどころか、キャンサーなんて見たことないものが来たら逆に調べられてしまう。主に宮廷魔術師どもが・・・


称号もいくらかなくなっているようだ。いや寧ろある方がおかしいのでしょうか?一度死んで別の命なのだから。・・・それとも、称号は魂に刻まれているのだろうか?

というか見たことない称号もありますし。挙げると<二度目の命> <オリジン個体> <血濡れ> <殺戮夜叉> 前の2つは全く皆目検討付かなかったが、後ろ2つがある意味酷い。

だって全然女の子らしくないのです!もっと私は<裁縫師>とか<料理人>とか女子力的称号を持っていたのです!それがこんな・・・パット見てもただの戦闘狂じゃないですか!私はそんな野蛮じゃありません!・・・まぁ、命かけた戦いは嫌いじゃないですけど。


称号に関しては今はどうでもいいでしょう・・・。称号は鑑定士でもないと調べられませんし、鑑定士なら詳しい数字で力を見られるし居たら楽なのだが、無い物ねだりしても仕方ない。


そう思い周りを見渡す。


ここはゼリア海岸でしょうか?このデーア大陸は形が横に長い丸の形をしている。デーア大陸の南東側、真東の王都マギニから南西にあたる部分に位置する海岸だ。この地域は温暖な気候をしているため暑い場所なのだ。だがその特有の気候により珍しい果物や良質の木材が手に入るなど様々な恩恵がある。後ろには海、前方には森林がある。左右には海岸が続いている。


次に自分の体をみる。


キャンサーとは蟹の魔族なのでしょうか?体は真っ赤な蟹のような甲殻に包まれており天然の鎧になっていた。試しに叩いて見るとそこそこ硬い感じがする。走ったり跳んだりもしてみる。うん問題はない。寧ろ人間の頃より体が軽い。この体ならもしかしたら魔王だって倒せるかもしれない。だがこの体に慣れるまで相当時間がかかるだろう。


魔王を倒すか・・・アレに私は殺されたのだ、正直いうともう一度戦い、そして勝ちたい・・・よし!目指すは魔王打倒!!


まぁ、その前に人間がいるか確認しなくてはならない。ここがゼリア海岸なら近くに港街があるはずだ海岸沿いに歩けばきっと見つかる。

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