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ふしぎな、じどうはんばいき

作者: 電球小僧

僕の弟は6歳だったのですが、その日学校の授業で詩を書いたみたいです。


おおまかには「てつぼうで、さかあがりができたよ!」という内容の詩で、それはもう場面の風景がそのまま浮かんでくるくらいの表現力だったため、家族や先生方みんなで驚かされ、そしてみんなで弟のことを褒めまくりました。もちろん僕も。


しかし僕が弟の詩を読んで表現以上に感心したのは、卑屈さを全く感じさせない、新鮮な体験にワクワクした感覚が正直にそこに書かれていたことでした。やっぱり子供っていいなって思います。


そして偶然の一致なのでしょうか。僕もその時、「今持ってる知識があるまま、自分が子供の頃の感覚になったらこう書くだろう。」と一つ作品を書いたのでした。


おんがくホールの、一かいのロビー。

みんな、はっぴょうかいがおわって、かえるところ。


タッタッタカッタッ


みんな、おかあさん、おとうさん、おじいちゃん、おばあちゃんと、いっしょに、たのしそうに、そとにはしっていく。


でも、ぼくはまだ、どきどき。

みんなのあしおとが、はくしゅみたいで、こわくて、どきどき。


スー、トンッ、スーット、トンッ!


なんだか、おちつかない、ぼく。そこらじゅうをあるいて、おとをれんだ!


ドンッ!


いたい・・・じどうはんばいきに、ぶつかった!

はずかしくて、まわりをみたけれど、みんなもう行っちゃったみたい。


シーン・・・


しずかになったけれど、やっぱりこわい。




ぼくは、あしをうごかしたら、あぶないね。

こんどは、てをうごかすんだよ、ぼく。


ぶつかったじどうはんばいきが、ひかりであいずしてる。


一ばん上のだんを、ひだりから、みぎに、

てん、てん、てん、てん、てん、てん、てん


二ばんめのだんも、

てん、てん、てん、てん、てん、てん、てん


ぼくは、三だんめに、てをひろげる。

いち、に、さん・・・せーのっ。


ポチ、ポチ、ポチ、ポチ、ポチ、ポチ、ポチ

よしっ、うまくおせてる!つぎのだんも。


キーッ・・・


ドアのひらくおとがきこえて、わあっ!とおどろきながら、てをはなして、きをつけ!

だけど、ドアはガラスだから、きっとみえてたよ、ぼく。

きをつけをしたまま、あたまだけじゃなく、からだもいっしょに、うしろのほうをみる。


いもうとのるなちゃんが、ニコッとしていた。




ピエロさん?


るなちゃんはそういったけれど、うん、ピエロじゃなくてね、うん、もう、どうしよう・・・


どうしようもないんだよ。っていってるみたいに、すこししたをみながら、ト、ト、ト、と、あるいてくる、るなちゃん。


ぼくは、こわくて、どきどきしてる。


そしたら、るなちゃんが、てをひろげてぼくにみせた。てのひらに、五ひゃくえんがいちまい。


「もらって、きたの。」


おかあさんとおとうさんが、せんせいとおはなししてるから、まっててね。ってことみたい。ぼくは、おかねをもらって、いう。


「るなちゃんは、ママとパパと、いっしょにいる?」


ぼくがそういったら、るなちゃんは、そばのいすにすわって、だまっちゃった。

それに、ちょっとかなしそう。


なんとかしなきゃって、ぼくはかんがえる。




シュカラン、コン・・・・・・


でも、じどうはんばいきにおかねをいれて、ボタンをおそうとしたとき、ぼくはおもいついた。


るなちゃんが、おかねをもってきてくれたのに、ママとパパに、すぐもどってもいいだなんて!それじゃ、ただのおつかいだよ!


ピッ、スタッ、トン!・・・パフッ、パン!


るなちゃんのすきな、オレンジジュースをかって、るなちゃんに、ごめんなさいする。


「るなちゃん、おつかいみたいにさせちゃって、ごめん!」


ぼく、それじゃいいたいこと、つたわらないのに、うまくいえない。


「なに、なにいってるの、なんのこと?」


るなちゃんも、めをまるくして、こまっている。


「えっとね、ぼくかんがえたんだけど・・・。」


うまく、つたえられるかな、つらえられ、ますように!


こわくて、どきどきしながら、はなした。




ちがうよ、ちがうよ、ふふっ・・・。


るなちゃんが、くちをてでおさえて、やさしくわらいながら、そういった。

ぼく、るなちゃんがこんなにわらうなんて、びっくりして、なにがなんだか、わからない!


「お坊って、やさしいね。」


るなちゃんがそういってくれて、うれしかったけど、ぼくはじっくりかんがえて、はなしたから、ぼくが「やさしい」のか、ぼくにわからなかった。


「と、とりあえず、これのんで!」


るなちゃんにオレンジジュースをわたす。


「うん。」って、ありがとうといわなくても、ありがとうって、つたえてくれた。


ぼくもるなちゃんのとなりにすわって、じどうはんばいきのひかりをみながら、いしきをとおくにとばして、かんがえようとする。


でも、るなちゃんが、ぼくのいしきを、そばにもどしてくれた。




「おめでとう・・・。」


「うん?」


「・・・きんしょう、おめでとう。」


るなちゃんは、そういって、ぼくのほうをまっすぐにみてくれる。


「ありがとう。・・・あっ!もしかして、それがいいたくて・・・?」


るなちゃんは、ぼくのことばをきいて、とっさにぼくのひざに、かおをうずめる。

ぼくもびっくりしたけど、あたまをなでてあげながら、もういっかいきいたら、小さなこえで、「うん、うん。」とこたえてくれた。


そっか、そういうことだったんだ・・・!


こんなにわかりやすくて、うれしいことなのに、どうしてすぐにきづかなかったのかな。


ぼくは、るなちゃんのかおをあげて、にっこりしてみせた。そしたらるなちゃんが、

「うれしい?」ときいたから、ぼく、「うれしい!」とこたえたよ。そしたら、るなちゃんにっこり!ぼくも、いつのまにかこわくなくなってる!


でも、どきどきは、やっぱりなくならなかった。


ひらがなが多く、読点の打ち方がめちゃくちゃな文章でしたが、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。

実際に書いてみると、1%くらいしか子供の感覚にはなっていないと思います。いや、もしかしたらそれすら無いかもしれない。


今回は初投稿でしたが、今後も何かしらの作品を書き続けていきたいと思います。


それでは、また。


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