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蒼天の詩  作者: SR9
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#0 プロローグ

 ――夢。夢を見ていた。


 夢の中の私は、白い雲の切れ間から明るい太陽が覗く空を見上げながら、親友と二人、草原に寝転んで笑っている。

 何を話していたかなんて全く覚えていないが、とても楽しそうに笑っている。

 この幸せな時間が永遠に続かない事を知りながら、それでも、いや、だからこそ、その今を精一杯楽しんでいる。



 そんな、夢を――




 目が覚めると、そこはいつもと変わらぬ、蒼に包まれた世界だった。

 昼も夜も無く、ずっと蒼い月が地上を照らしている世界。

 夢と現実は、こんなにも違う。

 分かりきっている事なのに、それを理解するたびに自然とため息がこぼれる。


 ――しかし、今回は違う。

 ゆっくりと、しかし確実に『彼女』が歩きだした。

 その歩みの先に何が待ち受けているのか、その答えはまだ分からない。

 だが、その答えが幸福であれ絶望であれ、一度動き始めてしまった歯車を止める事は誰にも出来ない。



 私は『彼女』が来るまでもう少し夢を見よう。

 これから始まる物語を前に、もう少しだけ、幸せな時間を夢見よう。

 これから先、何があっても強くいられるように。

 どんな悲しみにも、負けないように――




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