クッキー
今日は日曜日で珍しく仕事がお休みのパパと一緒にお菓子をつくった。
それでお兄さんと一緒に菓子を食べたくなったからお菓子を袋にいれて持ってお兄さんがいるいつもの公園へ歩く。
「お兄さん!」
ついたらやっぱりお兄さんは公園のベンチに座っていて、私はお兄さんを呼ぶ。お兄さんの周りに鳩がたくさんいて、私が近づいたらまたばさばさとどこかへ飛んで行っちゃった。
「こんにちは」
「こんにちは!あのね、さっきね!さっきね!!さっきね!!」
「……まずは座れ」
「うん!」
私が両手をぶんぶん振り回しながら話すとお兄さんはベンチのはじに少しずれて、私はその隣に座る。
「で、どうしたんだ」
「あのね!あのね!まず、これあげる!!」
私はお兄さんにお菓子が入っている袋をわたす。
「ありがとう」
お兄さんはありがとうって笑顔でもらってくれて頭を撫でててくれる。
「どういたしまして!あのね!あのね!ぱ・・・お父さんとクッキー作ったんだ!」
「そ、そうか」
パパってみんなの前で言うのは恥ずかしいからお父さんっていいなおした。パパっていいかけたのはばれていないよね!?
「それでね!お兄さんと一緒にお菓子食べたくて持ってきたんだ!・・・・・・お兄さん?」
あれ、喜んでくれるかなとおもってお兄さんの返事を待っていると、なんか隣に座るお兄さんからなんだか嫌なのがくる。お兄さんの顔を見上げれば、なんか変だ。
「・・・・・・」
「どうかしたの?」
どうしてだろ?お兄さんなんか悲しそうだ。けんかして負けそうになったときみたいに口をぎゅっと結んで、肩がごそごそ動いてる。
「お兄さん?」
「・・・・・・」
呼んでもお兄さんの口は開かない。
「お腹でも痛いの?」
頭やお腹が痛くなったのかな?それとも今日も天気がいいから、お兄さんベンチに座って太陽の光にあたりすぎて気分が悪くなったのかな?先生がねっしゃ病に気をつけましょうっていっていたのを思い出した。
「いや、大丈夫だよ」
「ほんとうに?」
「ああ」
お兄さんは私を安心させるように笑った。それならどうして悲しそうなんだろう。質問しようとしたらお兄さんがさきに口をあけた。
「ただ、寂しくなっただけだよ」
「そうなんだ」
どうしたんだろう。私はどういうときに寂しくなるのか思い出してみる。私が寂しくなるときはお友達のゆみちゃんと一緒に遊んでいたら、もう帰る時間になってばいばいのときだ。あとは大好きなクマのぬいぐるみをお兄ちゃんにとられたときだ。
「お兄さんもクマのぬいぐるみを誰かにとられちゃったの?」
「……い、いや」
「じゃあお友達とばいばい?」
「ばいば……あ!ああ、そうなる」
そうなのか。お兄さんもお友達とばいばいするときは寂しいのか。おそろいだ。ゆみちゃんは私とばいばいするとき寂しくならないっていっていたのだ。
「そうなんだ!おそろいだね!!私もゆみちゃんとばいばいするとき寂しいもん!」
「ゆ、ゆみちゃん?」
「私の大好きなお友達なの!お兄さんも大好きなお友達だよ!!」
「…そうか、ありがとう。君も俺の大好きなお友達だ」
真直ぐお兄さんをみれば、まだ顔が青いけど、少しよくなった。うん、いいことだ!
「じゃ、はやくクッキー食べよう!!」
「ああ」