能力者(マネジ)-4-
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私は食堂の扉を開けた。
「「おはようございます。朝食の準備はできています。」」
そこには家につかえている使用人が全員いて、みんな私に頭を下げた。
「わぁ~。やっぱりおいしそう。」
セヴィルがたくさんの食べ物が並べられている机に真っ先に向かった。これたべようかな。あれたべようかな。と呟きながら食べ物の前を行ったり来たりしている。
まったく、くいじのはったやつだ。私のことを後回しにしてまで食べることが大事か。幼すぎるだろ。それに比べ恭弥は、ちゃんと椅子は引いてくれるし、食事をとり分けてくれる。うん、いい執事だ。
「おい、ちゃんとアゼイリア様のお世話しろよ。」
恭弥がセヴィルにいつもよりきつめに注意した。
「あっ。」
両手にホークを持って口にスパゲティを垂らしながらこちらを見た。そしてチュルンッと垂れているスパゲティを吸った。
「しかたないわ。」
私は持っていたホークでカルボナーラの麺を巻きながら言った。麺を食べながらチラッとセヴィルを見る。どこか思いつめたような、暗い顔でスパゲティを眺めていた。
どうしたのだろう。なんか変なものでも食べたのかな?食べすぎたのかな?すると急になぜか恭弥が私の耳元に顔を持ってきた。なぜかドキドキする。
「そろそろ学校です。」
と囁いた。少し気が抜けた。
「へっ?あっそっそっか。エリザ、靴と鞄と服お願い。」
「かしこまりました。」
軽くお辞儀をした。そして何も置かれていない机に向かって右手を出す。アゼイリア様の通学用の靴、鞄、制服。と心の中で念じた。机の上で念じた物らしき形が青白く光る。光がだんだん弱まって消えるとともに靴、鞄、制服が現れた。
なぜ現れたのかそれはエリザが能力者の中でも物体移動の能力を持っているからだ。エリザのように能力者は世界にたくさん住んでいる。もちろん私もその一人だ。というかこの屋敷のつかえている人すべてが能力者である。
説明してる間に学校へ行く準備は完成したからそろそろ学校へ行こうと思う。もちろんエリザの力を使ってだ。ばれないようにいつも屋上へとばしてもらっている。
「行きますよセヴィル。恭弥。」
「はーい・・・。」「了解です。」
「エリザお願いね。」
「はい。では」
「「行ってらっしゃい」」
使用人が皆私に頭を下げる。
「「いってきます」」
使用人が見守るなかエリザによって私と少し機嫌が悪しセヴィルと無表情の恭弥は学校に向かった。