能力者(マネジ)-3-
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二人は間に割って入ってきたあいつを、ものすごいぎょうそうでにらんだ。
「どきな!!廩石!!」
「そうです。どいてください!」
廩石はやれやれと思いながらため息をつく。
「アゼイリア様の部屋でしかも、アゼイリア様がいる前でそんな乱闘みたいなことをしていると嫌われますよ!!!」
二人に衝撃がはしった。二人の動きが止まる。
「アゼイリア様に・・・・・・。」
「嫌われる・・・・・。」
二人は何回も同じことを呟いたかと思うと私の前に来て土下座を始めた。
「すいませんでした!!アゼイリア様!!」
同時に同じことを言った。そして何回も同じことを言い続ける。
結局いつものことだから私は許している。別に今回も特に危害はなかったしね。危害があっても許したりする。なぜなら、許してあげなかったらいろいろめんどくさいからだ。
何がめんどくさいかというと、二人がいつも以上にくっついて来たり、ずっと謝り続けられるし、貢物が部屋がいっぱいになるほど持ってくることだ。本人たちには悪気がなかったとしてもかなり迷惑である。だから許すのだ。
「別にいいよ。特にけがとかしてないし・・・・・。あっ!朝ご飯にしたいから準備してきてよ。」
二人は同じタイミングで顔をあげ「はい!」と返事し部屋を出て行った。
私は廩石のほうを見る。
「毎回、ごくろうだな恭弥。」
倉石恭弥。私の執事の一人だ。歳は私やセヴィルより2つ年上で身長は180cmくらいある。セヴィルがかなり身長に対して嫉妬している。そして毎日エリザと歌代の喧嘩が始まり周りに危害が及びそうになると私に‘嫌われる’と言って二人にとどめをさし喧嘩を止める役だ。
「いつものことですので。」
薄くほほえみながら答えた。
「なにアゼイリア様に対してほほえんでんだよ。きもちわるいんだよ!」
セヴィルは恭弥に対してだけは毒舌である。ちょっとしたことでもつかかっていく。
「だったら見なかったらいいのでは?」
少しからかった感じで言葉を返す。
なんか今度はこっちの喧嘩が始まりそうな予感がしてくる。
「だったら今すぐ俺の視界から消えろ。」
部屋の入り口を指さす。
「あなたが消えたらいいじゃないですか。なぜわざわざ俺が消えないといけないんですか?」
今度は挑発的に言い返す。
「後から来たやつが消えろよ」
だんだんセヴィルの機嫌が悪くなってきた。本当に喧嘩が始まりそうだ。
メイドより執事のほうが喧嘩されるとかなり危険だ。
とめないと。
私は二人の間に割って入った。さっきと同じではないか。
「喧嘩しないで。するなら私の前から消えてよ。」
二人に衝撃が走る。愛してやまなにアゼイリア様の前から消えるなんて死んでもむりだ。
できるわけがない。一生お仕えするときめたんだ。
「むりです。だから喧嘩やめます。」
同時に同じことを言う。
「だったら握手しな」
えっ。こいつとするのか・・・・。でもアゼイリア様の命令だからしかたないか・・。
二人は同じことを思っていた。
「できないの?」
「できますよ。」「できます。」
二人は同時に手を出す。横ではアゼイリア様がニコッと笑ってみている。
しぶしぶ握手を交わした。最悪だ。なんでこんなやつと・・・。
「よし。二人とも仲直りしたはずなので朝ごはんをたべよう。」
気分がのっていない執事二人を連れて私は食堂に向かった。