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序章 高校生、紗耶香
私は、三浦紗耶香。都内の私立高校に通っていて、今は二年生だ。今年の誕生日が来れば十七になる。帰宅部で特にこれといった趣味もないので、放課後は友達とテレビ番組や男女間の噂話などを話し込み、休日はまたその人達と服や靴を買いに行ったりと、なんとも非生産的な毎日を送っている。
私はこのような日々が退屈であり嫌いだった。もしかしたら赤の他人でも私の代わりができるのではないのか、もっと自分らしくした方が良いのではないか、等という不安にいつも掻き立てられるからだ。だが、私はこの日常に甘んじている。理由は単純、いじめや無視をされたくないからだ。周りに合わせない者は容赦無く排除される。まったく、高校生活とは単調なのに厳しいものだ。
・・・だが、
そんな毎日があの日一瞬で破られようとは、
考えたこともなかった・・・