表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/32

18.大学ハンマー殴打事件

※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。

夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。


 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 =========================

 笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。

 高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。

 榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当?

 久保田嘉三・・・警視庁管理官。警視庁と夏目リサーチのパイプ役。


 ===============================================

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 ※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。

 夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。


 午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。

「追加調査ねえ。」と、笠置は頭を捻った。

「何だか気が乗らないみたいだね、笠置さん。」「うん。高尚大学のハンマー殴打事件。」

「つい、この間じゃない。ネットニュースで観たよ。」と高山は言った。

 そして、調理場で悩んでいる榊に声をかけた。「榊さんも知っているよね。」

 どうやら、聞こえなかったらしい。

「久保田管理官によると、自供はしているが、被疑者のオーは、普段は真面目な学生だったという教授達がいて、聞き込みを再開した最中に、『怪文書』がメールで来たらしい。」

「『怪文書』?もう、死語でしょ。」「管理官が言ったんだよ、警視庁宛のメールで『犯行は闇サイトが関係している』って。念の為、復活したセキュリティーチームでSNSを確認しているが、SNSのユーザー同士の会話くらいしか拾えない。つまり、オーが友人に犯行計画を話しているとか。」

「それで、どうするの?もう面は割れてるよ。」「そこで、カチカチデータの出番だよ。どこかでオーが不審な行動をしているかも知れない、ってことだな。」

 30分かかって、カチカチデータとのマッチングで、ぞろぞろマッチングデータが出てきた。

「犯行の3日以内。高円寺駅前のネットカフェ、調布市のホームセンター、渋谷の映画館、池袋のサウナ。高尚大学の3つ手前のバス停、そして、高尚大学。最後の2つは犯行当日の足取りだね。」

「ホームセンターは、ハンマー買った場所だとして、3つの場所のいずれかが犯行に関わっているのかな?」「あるいは全部。メールするよ。」

 今夜は。あっさりした夜食だった。

「いつも行く肉屋の主人がインフルエンザにかかっれ。店を臨時休業しちゃったんだ。で、オムライスとハンバーグドリアと、にしんそば、赤飯。どれでもどうぞ。適当で申し訳ない。」

「たまには、いいんじゃない?」と笠置は笑った。

 翌日。午後10時。

 久保田管理官から連絡があった。マルチディスプレイに映っている。

「ちょっと、拍子抜けの展開だったよ。オーは、渋谷の映画館で、黒幕のヒョンと再会、オーは普段は大人しいが祖国で反日教育を受けて留学した学生だった。露骨に反日を現わすと損だと思って、『猫を被って』いた。サウナでヒョンに唆されたオーは、『闇サイト』の闇バイトをすることにした、ことにした。ハンマーで叩いても、『ただの実行犯』だから、罪が軽い、と。」

「闇バイトは、無かったんですね、管理官。」と、笠置が言うと、ところが、ヒョンは、闇サイトに教えられたんだが、自分で実行する意気地が無かった。そこで、友人のオーを利用した、と言っている。無論、自白したURLは、とっくに使用出来なくなっている。本当なら、手が混んでいる。」

「え?じゃあ、怪文書の闇サイト、ってオーに指示したんじゃなくて、ヒョンに指示したんですか。」と、高山が言った。

「うむ。たまたま、別件で逮捕されたヒョンが自白したんだ、置き引きだけどね。ヒョンは金に困っていたから、『前金』を振り込んで貰い、オーを巻き込んだ。この手の犯罪では大概『後金』なんか用意していない。『混乱』こそが大きな目標だ。『実行犯』2人逮捕されただけでも収穫さ。ところで、今夜は、何料理?」

「久しぶりに、ビーフストロガノフです、管理官。」と、榊が応えた。

「ああ、腹減った。カップラーメン食べよう。」マルチディスプレイから管理官は消えた。

「何か不味いこと言ったかな?」と榊が言うので、他の2人は「旨いこと、言ったのさ。」と応えた。

 ―完―



「ああ、腹減った。カップラーメン食べよう。」マルチディスプレイから管理官は消えた。

「何か不味いこと言ったかな?」と榊が言うので、他の2人は「旨いこと、言ったのさ。」と応えた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ