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14.ネカフェ

榊は、食材を冷蔵庫に入れると、笠置が唸っているのに気づいた。

「笠置さん、便秘ですか?何なら・・・。」

「笑えないよ、榊さん。ビターXを名乗っていた、山並郁夫だけどね。

 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 =========================

 夏目房之助・・・有限会社市場リサーチの会社の実質経営者だった。名義代表者は、妻の夏目優香。

 夏目優香・・・有限会社夏目リサーチ社長。

 夏目朱美・・・有限会社夏目リサーチ副社長。

 笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。

 高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。

 榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。

 久保田管理官・・・警視庁管理官。テロ組織対策室をサポートしている。


 ===============================================

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 ※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。

 夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。


 午後10時。浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。

 榊は、食材を冷蔵庫に入れると、笠置が唸っているのに気づいた。

「笠置さん、便秘ですか?何なら・・・。」

「笑えないよ、榊さん。ビターXを名乗っていた、山並郁夫だけどね。調べてくれって依頼書来ているから調べたら、運転免許証データとお名前カードデータに簡単にマッチングしたんだ。だが、住基データには引っかからない。まあ、システムが欠陥あったから広まらなかったらしいが。カチカチデータから見ると、同じインターネットカフェに2ヶ月の間に5回入っている。しかも、出てきた映像画像がない。裏口から出たんじゃなく、翌日出たんだろう、泊まってね。同じ時間というのが引っかかるね。大文字さんの情報によると、一匹オオカミの、殺し屋もやる探偵らしいが。」

 そう言って、笠置が久保田管理官に電話していると、高山と、サンタガール衣装を着た社長の夏目優香と、同じくサンタガール衣装の副社長の夏目朱美が現れた。

 笠置は、それをチラッと見てから、スピーカーをオンにした。

「了解した。そのインターネットカフェ『みんなのネカフェ』のことは公安に報せておくよ。またいつか同じ時間帯に現れるかも知れない。市場調査チームを送ると警戒されるかも知れないからな。」

 電話を切った笠置は、改めて優香と朱美の荷物を見たら、ボストンバッグだ。そして、紙袋等から色んな物を取り出した。

 そうか。今日はクリスマスイブだ。夜通し飲んで仮眠か。

 この『分室』と呼ばれる階は、貸し切りスペースで、仮眠室も入浴設備もある。

 これは、災害などで、交通機関や道路が移動困難になった場合の備えだ。シェルターと言うほどでは無いが、緊急の準備は出来ている。

 笠置が書類仕事をしている間、榊と高山と社長・副社長はパーティーの準備を始めた。

 午後11時。

 ローストチキン、クリスマスケーキを始め、榊は腕を振るった。

 皆で乾杯をし、クリスマスを祝った。

「今日はクリスマスだからね。たまには羽目外そう。」と、優香は言った。

 暢気な会社だな、と笠置は苦笑いをした。

「笠置さん、何にやけているの?」「お二人とも、お綺麗だから。それはそうと、寒く無いんですか?」「パンストの中にカイロ入れてるから。最近、専用のカイロ入れて履いているの。」

 笠置は、質問を後悔した。この2人には勝てない。

 笠置は、そっと、夏目にメールをした。写真を添付して。

 苦虫を潰した顔の夏目房之助の顔が目に浮かんだ。

 ―完―



このエピソードは、既に他のサイトで公開した作品ですが、よろしければ、お読み下さい。

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