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1.特命

※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。

阿倍野元総理は、内閣調査室が「お飾り」でえることに危機感を覚えた結果、陸将と副総監に相談し、副総監の懐刀の1人であった夏目が市場調査会社の指揮を執ることになった。EITO発足前の事である。

名義上は、妻が会社代表としてスタートしたが、夏目がEITOの方に専念することになったので、妻の優香は引き継いで切り盛りすることになった。

夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。


========== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

夏目房之助・・・有限会社市場リサーチの会社の実質経営者だった。名義代表者は、妻の夏目優香。

夏目優香・・・有限会社夏目リサーチ社長。コロニー被爆の疑いで3日間隔離された。

夏目朱美・・・有限会社夏目リサーチ副社長。

笠置・・・夏目リサーチ社員。

村越警視正・・・警視庁テロ対策室室長。


===============================================


※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。

阿倍野元総理は、内閣調査室が「お飾り」でえることに危機感を覚えた結果、陸将と副総監に相談し、副総監の懐刀の1人であった夏目が市場調査会社の指揮を執ることになった。EITO発足前の事である。

名義上は、妻が会社代表としてスタートしたが、夏目がEITOの方に専念することになったので、妻の優香は引き継いで切り盛りすることになった。

夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。



午前6時。夏目リサーチ。

通常の従業員はまだ出勤していない。

夏目は、10人の仲間である、古参社員に話をしていた。

「この前の事件では、迷惑をかけた。この通りだ。」と、夏目は皆に深く頭を下げた。

「とんでもない。我々は捕虜にされなかったし、社長に恩義があるから集まったコミュニティだった。これからも何でも言って下さい。」と、一番年長の笠置が言った。

有限会社は、普通は「身内の名義貸し」で出来る会社だが、この会社の場合は、夏目の親族・親類ではなく、個人的な付き合いで設立された。

出資者でもある彼らとは、一心同体なのだ。

「ありがとう。システムメンテの名目で、明日から一般社員とバイト君は、有給休暇を取らせる。EITOの技術者の協力で、『内部メンテ』システムを導入する。早い話が監視システムだ。幸い、先日の事件で、ウチのセキュリティーシステムが強固な為、漏れた情報は通信回線経由ではない。」

「じゃ、口頭で、スマホとかで組織に連絡していたんですね。」と、妻の優香が言った。

「ごめんなさい。『臨時』を迂闊に信用してしまって。たった1日とは言え、情報漏洩させたのは、私の責任だわ。」と、朱美が言った。

「まあ、その対策は、先日言った通りだ。EITOにも偽物が入り込んだことがあるからね。人を見たら泥棒と思え、さ。そこで、諸君には、今までバイト君達がいなくなった頃に作業して貰っていたが、浅草の方に別室を用意したから、そこで作業をして欲しい。今日にでも移動してくれ。」

午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。

笠置以下、古参のグループが作業に入った。

作業。それは何か、マッチングシステムによる、『面割り』だ。

表向きの市場調査は、『通行人調査』だ。カウンターをカチカチ。あれである。

このとき、隠しカメラで通行人を撮影している。

遠隔操作の為、カチカチのバイト君には分からない。

幸い、件のスパイは、『市場調査の報告書』の整理作業を行っていたので、このカラクリは分からない。

夏目リサーチには、市場調査の際に得られた膨大なデータが集まっている。

公安またはEITOの要請で、『市場調査』の振りして監視・張り込みが行われることもある。

誰も、カチカチやっている人間に『盗撮』されているとは思わない。

言わば、『くろこ』だから。

警察またはEITOから要請があると、警視庁が開発した『顔認証システム』で、前科のある者のデータや、運転免許証のデータ、お名前カードのデータと照合する。

この大事な作業は自動で行われるものの、やはりオペレータが必要となる。

古参のグループの守秘義務は絶対で,絶大だ。

「あった!!」笠置の声に、皆が集まった。

集団食中毒事件のあったホテルの近くで『市場調査』した時の盗撮データと前科者データが一致したのだ。

皆が確認するのを横目に、笠置は、警視庁の久保田管理官の部屋に電話した。

繋がらなかったが、転送されて、村越警視正に繋がった。

「よくやってくれた。いつもながらの手際だ、関係各位に連絡して、被疑者を追う。久保田管理官には連絡しておく。」

笠置が受話器を置くと受話器に繋がった自動録音機が停止した。

笠置達の作業はまだ終らない。報告書を他の者に任せて、笠置は、今度は優香に電話した。

「ありがとう。助かるわ。夏目にも報告しておきます。」

笠置達は、他の案件の『リサーチ』に取りかかった。

彼らは基本的に『夜勤』である。

まだ、宵の口だ。夜更けは遠い。

―完―





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