表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

0話

初めまして、投稿してしまいました。誤字脱字などがあれば、報告お願いします。

 僕、葬織彩吹(そうおりいぶき)の日課は、朝四時半の米が炊けた音を目覚まし時計の代わりにしている。

危うく炊飯器を投げかけるところでいつも起きる。もう時期冬となる秋の寒さで布団から数分出れず、渋々出ると、寒さが肌を刺す。


「う…寒い…」

 

 なんとか布団から起き上がり、押入れの中に布団を戻す。着替えて炊飯器を台所へ運び、愛用している黒いエプロンを巻く。

 冷蔵庫から卵数個に作り起きのおかずを取り出し、調理台に卵をほんの軽く叩きつけ、溶き卵にして調味料を加えフライパンに注ぎ込み、黄色い卵液を器用に巻いて、だし巻き卵を作る。

 お弁当箱より少し少ない数のスープポットを取り出す。まな板で食材を切ると、小気味良い音が台所に響く。

 三段重ねのわっぱの弁当箱は、幼少期の時彩吹自身がお小遣いを出して買ったものだ。

 彩吹は弁当箱の中にご飯を詰め、次にだし巻き卵、牛蒡とにんじんのきんぴら、ほうれん草のおひたし、豆腐の甘辛たれのつくね、南瓜のコロッケプチトマト、弟達のために飾り切りにしたウインナーを彩りよく詰めていく。

 全員分の弁当を作り終わると、彩吹はその出来栄えに満足する。


「我ながら完璧。次は晩御飯の仕込みと朝ごはんの支度、家の掃除に風呂掃除に洗濯物干し、自習して後でみんな起こそ」


 一人そう呟き、彩吹が皆を起こさぬようパタパタと廊下をかけ、廊下の奥の倉庫から雑巾とバケツを取り出す。バケツに冷たい水を入れ雑巾を入れ固く絞り伸ばして一気に木製の廊下をかける。その後洗濯機を回し、デッキブラシを持って風呂掃除の次、四時半から始めた仕事は、五時半という驚異的な速さで終わっていた。その後三十分ぐらい自習をすると、庭で植物の手入れをする。ちょうどなっていた金柑や柚子を収穫すると、寒さで家に戻ってしまった。彩吹が時計を見やると、もう六時を回っている。

 全員の部屋に声をかけ、起こしていく。先ほど作った人数分の弁当箱と少し少ないスープポットを保存袋に入れ、食卓の上に置いておく。


「彩吹くん、行ってらっしゃい」

「行ってきます。姉さん送ってくれてありがと、弁当は食卓に置いてあるから」


彩吹の姉がリビングのラジオをつけると、ラジオキャスターの声が聞こえてくる。


『えー、続いてのニュースです。今日の明け方、マンションの一室で二十代の男性二人の死体が見つかったとの事ですが……』

『怖いですね、何でも外傷もなく死んでいたとか。この前の飛行機墜落事件に酷似した死体だと聞きましたが……』


「あらやだ。彩吹くんの学校の近くのマンションだわ……大丈夫かしらあの子……」


彩吹の姉は少しばかり考えた後、呑気に彩吹が準備した朝食に手をつけ始めた。その隣に、彩吹の三段重ねのお弁当があることを知らずに、自身は自分の弁当をとって、大学へと向かった。

彩吹の実家はでかいので掃除に時間がかかる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ