第1ー4話 『Take Over』
「キーンコーンカーンコーン」
学校のチャイムが昼休みを知らせる。
「購買行こ〜」「ハラヘッター」「やべ、五限課題提出だっけ!?」
水を得た魚のように生徒たちが蠢き出す。
人気離れた階段で弁当を食べるアズハとショウコ。
「ちょっとさ、そのプラリィアの力を見せつけようよ! アズハのこと悪くしてた奴らにさ!」
タコさんウィンナーを箸で摘み指すショウコ。
「いや、駄目だ。この力を故意に使ったらきっと取り返しのつかないことになる。だから__」
エナジェクターを見つめる。
「私はアビルを倒すためだけにこの力を使う。」
「カーン カーン カーン」
アズハの誓いと同時に鐘が鳴り響く。
「アビルだ!」
弁当を後にし階段を駆け降りていくアズハ。
「ちょっとアズハ!?」
「大丈夫! 昼休みが終わるまでには戻ってくるから!」
校門を飛び出し鐘の鳴る方を目指す。
(ちょっと遠いな…… 変身して行くか)
エナジェクターを構え変身し現場へ急行する。
スーパーの駐車場。奇妙な静けさが漂う。
(ここら辺のはずなんだけどな…)
辺りをキョロキョロ見渡すセシィ。
「ヒョヨーー!ヒョヨーー!」
クレイジーな鳴き声と共に翼をバタつかせ空から登場するヒヨドリアビル。
あまりのうるささに耳を塞ぐセシィ。
「うるさいっ!」
一瞬の余地もなくセシィに襲いかかるヒヨドリアビル。
「ハッ!」
とっさにヒヨドリアビルの腹に蹴りを入れる。やかましい思いがうまく力に変換されたのかヒヨドリアビルにクリティカルダメージが入る。
「ヒョヨーー!!!」
怒ったのかヒヨドリアビルが翼で風を巻き起こしセシィを吹き飛ばそうとする。
何とか耐えるが徐々に押されていく。
「やばい、このままじゃ吹き飛ばされる!」
ついには足が浮き、吹き飛ばさてしまう。叫びながら何か掴もうと左手を伸ばすセシィ。
左手から一筋の蔓が生え伸びる。
(お!?)
ニョキニョキ生えていき伸びていく。
(おおお!?)
咄嗟に蔓を電柱に巻きつけ何とか風に耐える。
やがて疲れ果て翼の動きが弱まるヒヨドリアビル。
無事、耐え抜いたセシィ。
(蔓みたいなのが自由自在に操れる!)
両手両足から何本も生やしてみたり、細かく枝分かれさせたり蔓の力を試すセシィ。
はたから見れば大道芸人のショーのよう。
(これなら!)
ヒヨドリアビルを挟むように背後の駐車場の柵の左右に蔓を巻きつける。蔓を縮めて加速をつけながらヒヨドリアビルの元へ走っていく。同時に右足の下腿に蔓をぐるぐるに巻きつける。蔓を拳を保護するボクシンググローブのような役目に使うセシィ。
ヒヨドリアビルの手前でジャンプし、頭部に思い切り蹴り倒す。
「ふー」
一息つくセシィの背後で駐車場の看板が何者かの蔓でもぎ取られる。
「ん?」
飛んでくる看板。気づいた時には看板の下敷きになるセシィ。
蔓を縮め、ニヤつきながら登場するハナビ。
「今度は当たった」
「あなたもプラリィア? なんでこんな事を!」
「プラリィアだからよ。これはただの競争じゃないの、新人を潰すのは当たり前」
目の奥から伝わるハナビの敵意に表情が険しくなる。
「お店の物まで壊して…」
「自分の心配した方がいいじゃない?」
セシィにジリジリ近づくハナビ。
(こうなったら何とか逃げるしかない!)
蔓を伸ばし屋上にあるスーパーの看板に巻き付け脱出する。
スナイパーライフルを装備するハナビ。
「逃がさないわよ」
蔓をハナビのライフルで撃ち抜かれる。
「あ」
無惨にも落下するセシィ。
「うわーー!」
そのままタクシー乗り場の屋根を突き破り落下する。
(まずい、このままじゃ……)
「フフッ これで同罪ね」
(戦わなくちゃいけないのか!?)
眉間に皺を寄せ葛藤する。
「腹をくくった。」
覚悟を決めハナビと対峙するセシィ。
「あら、降参かしら?」
余裕の笑みを浮かべるハナビ。エナジェクターを使いライフルを強化。破壊力を上げる。ライフルを構えセシィの頭部めがけ引き金を引く。
それとほぼ同時にエナジェクターを構えるセシィ。
銃弾が爆発しセシィの姿が黒煙に包まれる。
にちゃぁ〜〜〜と笑うハナビ。しかしすぐに笑みが消える。
「そう簡単じゃないか〜」
振り返るハナビ。
煙の晴れた先に大鎌を装備したセシィが立ち構えている。
名前 プラリィア名 キーポイント
晴ノ日ソラ リィアクラーカ 艶やかな美人
月島レイ リィアジッカー ??????
伊藤ルリコ リィアハナビ ??????
章野アズハ リィアセシィ 自尊心