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第4ー7話 『涙』

 お昼時、マグマナルトで激辛バーガーをかじるカゴメとアイスコーヒーを飲むマサミ。バーガーを3本の指で器用に挟む、ターコイズグリーンのインナーカラーのカゴメ。

「もったいないなー。こないだは調子が良かったから、もう片方も殺れたのに」

 銃の撃つポーズをするカゴメ。

「余計な干渉をするな」

 笑顔のマサミが茶封筒でカゴメの口を封じる。茶封筒を受け取るカゴメ。

「そうゆう約束だったね」

 口で封を切り、メリーカードが封入されているのを確認する。

「確かに、受け取りましたっ」

 残りのバーガーを口に入れ、コーラで流し込む。

「それじゃ、またなんかあったら!」

 席を立つカゴメ、腰に巻かれたシャツの裾が舞う。


 唐堂家の食卓に男お手製のピーマンの肉詰めが登場する。母親と男が黙々と料理を口に入れ咀嚼する。箸を持つことができないハルカ、まだ気持ちの整理がつかない。

「今日は私が作ったんだよ。どうぞ、食べて」

「ほら、食べなさい。ハルカ」

 気持ち悪いくらいよそ行きの母親と男。箸を持ち、ピーマンの肉詰めをゆっくり口に入れる。

(違う。こんな味じゃない! 私が欲しいのは__)

 3人で幸せな食卓を囲むあの頃を思い出す。

 ハルカがテーブルを叩き立ち上がる。

「おかしいよお母さん! 目を覚ましてよ!」

 しかし、あの頃の母親はもういない。

「どうしたのハルカ」

 涙を落としながらリビングを出ていくハルカ。階段を駆け上がっていく。

「急に知らない男が家に来たんだ。無理もないさ」

「そう」

 ハルカの母親が男の肩に寄りかかる。


 遊園地で猿回しショーを見て楽しそうにするミホと腕を組むナギサ。

「あれくらい私でもできるぞ」

「何、お猿さんと張り合ってるのよ」

「私の方がミホを笑顔にできる」

「だから、不意にそういう事言わないで!」

 赤面し、もじもじするミホ、嬉しさで口角が上がる。お猿さんの方をドヤ顔で見るナギサ。

(フッ、見たか!)

 お猿さんが首を傾げる。

「ウキ?」

 

 男がハルカの自室の扉をノックする。ベットの上で布団を被るハルカ。

「ハルカちゃん、中に入って良いかな?」

 男が扉を開け、ハルカの部屋に足を踏み入れる。ハルカの感情が苛立ちと恐怖で歪になっていく。

「出ていけ……」

「仲良く出来ないかな? おじさん、優しくするから」

「出てい__」

 男が強い力で布団を剥ぐ。

(は?)

 男が生唾を飲み、ハルカの衣服を脱がそうとする。

「やめろ! やめろ、気持ち悪りぃ! 離れろゴミが!」

 罵声を言うごとに興奮している様子の男。抵抗するがハルカの力では男の腕力に勝てない。

「お母さん! お母さん!!!」

 喉が千切れるほどに叫ぶ。しかし、聞こえるのは男から漏れる息のみ。

(お母さん……)

 ハルカの瞳から一筋の涙が流れる。上着を脱がし終わり、続けて下着に手を出す男。

「あぁーー!!」

 怒りの拳を顔面に喰らわせるハルカ。男が気絶しかけながら倒れる。

 玄関を飛び出すハルカ。振り返り、家を見る。幸せな思い出がいっぱい詰まった場所、だった場所。悔し涙を落とすハルカ、さよならを潰して家を去る。


 ミホが遊園地の地図を見る。小さなあくびをするナギサ。

「さぁ、次はどれいこっかな〜」

「どれでも良いから早くしてくれ」

「私はこの迷ってる時間も楽しいの〜」

「ふ〜ん」

「カーンカーンカーンカーンカーン」

 ナギサの脳内に鐘が強く鳴り響く。

「キャー!」

 悲鳴の先には鎌を構えるハラビロカマキリアビル。

「シャッサァ〜」

 足がすくみ、怯えるミホ。

「何かのショー……だよね?」

 エナジェクターを手に持つナギサ。

(この場で変身したらミホにバレちまう……)

 ハラビロカマキリアビルが鎌を振りかぶる。

(なんて言ってられるか!)

「変身!」

 エナジェクターを2本注入し、武器を武装状態で変身する。その姿を見て呆然とするミホ。

「ナギサ……?」

 

 アパートの駐車場、しゃがむハルカに野良猫がすり寄る。

「ごめん、今日はパン無いんだ……」

 野良猫を優しく撫でる。

「私、これからどうすればいいんだろ?」

 必死で笑顔を作るハルカ。

「帰る(とこ)なくなっちゃった。私も今日から独りぼっちの仲間入りだ」

「にゃー」

 ハルカが野良猫を抱き抱える。

「私は変わらないから。私は見離したりしないから」

(あったかい……。そうだ、ルリコさんに相談すれば力になってくれるかも)

 ハルカの手から降りる野良猫。スマホを開くハルカ。

 野良猫が道路に出る。それに気づかない乗用車。車の走行音に動悸するハルカ、道路の野良猫に気づく。野良猫との距離を詰める車。

「危ない!」

 直前でハルカが助ける。

 身代わりに轢かれるハルカ。

「何してんのパパ!」

 子供の声。

「いや、急に飛び出てきたから__」

 その子の父親の声。

「お父さん早く救急車!」

 その子の母親の声。

 ハルカの視界に助けた野良猫が入ってくる。そこにもう1匹の猫が現れ、親が子を撫でるようにハルカが助けた野良猫を舌で舐める。仲良く擦り合い、ハルカの視界から去る2匹の猫。視界が涙でぼやけるハルカ、瞼をゆっくり閉じる。


 ハラビロカマキリアビルに苦戦するキャット。戦いを追うミホ。

「シャッサァ〜、シャッ!」

 キャットが吹き飛ばされる。

「ナギサ!」

 エナジェクターを1本注入し刀を強化する。刃が三又に変形し、猫の爪のようになる。刃を地面に刺し、火花を散らしながら勢いを殺す。

「シャッサァ〜」

 もう1本注入し、脚力を強化。一気にハラビロカマキリアビルと距離を詰める。

「ハァー!」

 振り翳されたハラビロカマキリアビルの鎌をスレスレで避けるキャット。髪の毛が数本切り落される。キャットの一太刀で三等分されるハラビロカマキリアビル。何とか倒し切る。恐る恐るキャットに近づくミホ。

「これ、どういう事? ……ナギサ」

「ミホの為に、命を掛けて戦ってる」

 視線を交わす2人。静かな遊園地にアビルの蒸発音だけが鳴る。

名前         プラリィア名       キーポイント

月島レイ       リィアジッカー      快楽

伊藤ルリコ      リィアハナビ       富

章野アズハ      リィアセシィ       自尊心

斜々羅リッカ     リィアナャーコ      自由

旗部アカリ      リィアリムス       明るい未来

彦宮ナギサ      リィアキャット      自由な愛

無芽森カゴメ     リィアザミア       ??????

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