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第4ー3話 『母親』

 オガサワラオオコウモリアビルが街路樹をムシャムシャ食い回る。

「チーチュッチー チーチュッチー」


 レイとイケメンの男性がラブホテルのベット上で前戯を成す。お互い慣れた手つきでスムーズに事が進む。

「カーン カーン カーン」

 乳首を舐められるレイの脳内に鐘が響く。

(この感じ……大物ね)

 鐘の音でアビルのポイント量を推測するレイ。ゴム越しでも血管が浮き出てるのがわかる太い根が躊躇なくレイに入っていく。

「コッチも大物」

「?」

「気にしないで」

 男性の耳に舐めるようにキスする。

「私の頭、真っ白にして」

 男性の壊れた理性で一心不乱に腰を動かし、レイの中をかき乱す。


 飛び回るオガサワラオオコウモリアビルを蔓で捕まえるニコー。しかし、大翼で振り飛ばされてしまう

(飛び道具も持ってないし。どうやって戦えば__)

 迷うニコーに容赦なく襲いかかるオガサワラオオコウモリアビル。

「キャ!」

 左腕を口で掴まれ、夜空へ上昇する。食いちぎられそうになるニコーの腕。

(まずい。でも、この距離なら……!)

 エナジェクターを1本注入、刀を武装。もう1本注入し刀を強化、刃が変形しトゲが無数に生える。オガサワラオオコウモリの頭にトゲ刀をぶっ刺す。

「チーチュッチー!」

 腕が喰いちぎられ落下するニコー。

「キャー!」

 ギリギリでキャットがキャッチする。

「あ、ありがとうございます」

「こちらこそ」

 ニコーを優しく下ろすキャット。

(日本語が合ってないような……)

 苦笑いするニコー。

 木々の葉っぱを食べ身体を修復するオガサワラオオコウモリ。さらにも1匹オガサワラオオコウモリが現れ2人を囲む。

 背中合わせになるニコーとキャット。

「力を貸してくれ、おばさん」

「お姉さんよ!」

 鼻で微笑むキャット、猫耳のついたフードを外す。エナジェクターを注入する2人。左腕を修復するニコーと刀を武装するキャット。

 2匹のオガサワラオオコウモリと戦う2人のプラリィア。

「はーっ!」

 弱ってきた所でトドメを決めようとジャンプする2人。しかし、目の前のオガサワラオオコウモリアビルが飛んできた光の帯により拘束される。

「!?」

 背後から2人の腰に蔓が巻かれムチのように地面に叩きつけられる。次の瞬間ジッカーが登場し、2匹のオガサワラオオコウモリアビルを一刀両断する。

 アビルの血雨が降る中、綺麗に着地するジッカー。

「キモチイィィィー、早漏くんでよかった〜!」

 ニコーがため息をつく姿を横目にジッカーに近づくキャット。

「お前、横取りってやつか?」

「アビルを殺すのに先着順も無いのよ?」

「だったらなんだ__」


「アビル横取りプラリィアが!」

 2と3限の間、各々次の授業の準備をする。いまだに教室の自席で寝ぼけるナギサをミホが起こしにくる。

「居眠りしない、ナギサ! 何寝ぼけてんのよ!」

「ん〜、昨日夜まで戦ってんだよ」

「何と?」

「え?」

 口を滑らせ、焦るナギサ。眠気が急激にに覚める。

「あ〜、課題だよ! 課題! 課題と戦ってたんだよ!」 

「プラリなんとかなんて用語あったかな?」

「化学であんだよ、しらねぇーのか?」

「え〜?」

 持っていた化学の教科書をパラパラとめくるミホ。

「次、実験室だろ? ほら行くぞ」

 机から教科書類を取り、ミホの腕を引っ張って行く。

「あ、ちょっと! 教えてよー」

「自分で考えないと覚えられないぞ〜」

「もう! そういう事ばっか真似してー!」


 事務所の控え室、アキと若い女性マネージャー。

「私が映画主演!?」

「はい! 旦那さんのことを溺愛する仕事出来(しごでき)妻役ですって!」

「なんで、私なんかに?」

「前にインタビューで旦那さんとのラブラブエピソード話してたじゃないですか、それがきっかけみたいです!」

 アキが複雑な表情になる。

「どうされました?」

「ううん! なんでもない! ちょっとトイレ」

 控え室を出て直ちにスマホを開き、夫のハルオにLINEをする。

「今日こそ早く帰ってきてよ!」

「わかってるよ、昨日は残業の後上司に飲みに誘われて仕方なかったって。今日から家事は俺がやるから」

「やっぱり家事は私がやる」

「え? 急にどうしたの?」

「仕事も大事だけど、それよりもハルオと2人の時間を過ごしたい」

 スマホを閉じ、脈打つ胸にそっと当てる。

(忘れてた、私が役者になったのは結婚して心の距離が離れていくハルオの気を引くため。それなのに一人前の役者になろうと思えば思うほどハルオとの距離は離れていく一方……)

 アキがすがるようにエナジェクターを見つめる。

(やっぱり、これしか無いのか……)


 圭南中学校、教育相談室で1人の生徒が先生と話す。

「実はハルカ__、唐堂ハルカにいじめられて__」

 生徒の目から涙が溢れてしまう。

「大丈夫、先生が守るから。 ゆっくりで良いから何をされたか詳しく教えてくれる?」

「初めは、ナイフをお腹に突きつけられて__」

 廊下で室内の会話を盗み聴くハルカ。


 河川敷、高架下。いつも通りハルカの手下が生徒の腕を掴み身動きが取れないようにする。上の服を脱がし、へその中心めがけハルカが至近距離で石を投げる。 

「余計なことゆ〜なよ、な!」

 矢継ぎ早に石を投げるハルカ。

「守ってくれる先生はいつやって来るんだろうな!」

 ぶつけてもぶつけても感情が治らない。大きく角張った石を選定し、思い切り投げる。

 もう、ボロボロの生徒の体。ニヤつくハルカ。

「?」

 ハルカの指から一筋の血が流れる。角張った石の角が当たった模様。また、ハルカの中で怒りが復活してしまう。舌打ちを捨てるハルカ。

「もういい、終わりだ」

 手のスナップで血を払い去る。


 散歩道を歩くルリコ。前方から苛つきを溜めたハルカが歩いてくる。

「あ、もしかしてあの時の__」

 ルリコの声に顔を上げるハルカ。記憶を遡る。

「この前、コンビニで会った__」

 ハルカの傷ついた指がルリコの目に入る。

「その怪我、どうしたの?」

「いや、これは……」

「ちょっと、ついてきて」

 ハルカを手招きする。


 公園の水道水でハルカの血を洗い流す。

 ベンチに腰をかけ、ハルカにキャラクター(モノ)の絆創膏を巻く。

「これでよし!」

 ハルカが絆創膏を見つめ偲ぶ。

「私は伊藤ルリコ、実は私プラリィアなの。」

「!?」

「あなたもでしょ?」

「なんで分かったんですか?」

「私、狙撃タイプのプラリィアだからスコープ越しに見たことがあったのよ」

「なら、どうして……」

 絆創膏を親指でなぞるハルカ。

「私の息子と雰囲気が何となく似てたからかな。無邪気で、ころころ気分が変わる猫みたいな__」

「私は、ルリコさんが思うような人間じゃないです。自分の事だけ考えて他人を平気で傷つける人間なんです」

「何か、事情があるんでしょ?」

 優しく問いかけるルリコにハルカが重い口を開く。

「何でもない、家族で出掛けてたあの日__」


 横断歩道を渡るハルカ、母親、父親。3人とも笑顔で溢れる。居眠り運転の乗用車に突っ込まれる3人。咄嗟に2人を手で押し犠牲になる父親。

「父さ__」

 最後に笑顔を残し、吹き飛ばされていく。


「今も急に車の音が聞こえると動悸しちゃうし、お母さんも父さんが亡くなってからおかしくなっちゃって」

 拳を握りしめるハルカ。

「それでも、私はまたあの頃みたいに幸せに」

 3人で食卓を囲んだり、何気ない幸せな日々がハルカの脳裏にフラッシュバックする。

「父さんの分まで私はお母さんのことを愛しているし、父さんの分まで私は__」

 我慢してた涙がポロポロと溢れてしまう。

「お母さんに愛されたい」

名前         プラリィア名       キーポイント

月島レイ       リィアジッカー      快楽

伊藤ルリコ      リィアハナビ       富

章野アズハ      リィアセシィ       自尊心

斜々羅リッカ     リィアナャーコ      自由

旗部アカリ      リィアリムス       明るい未来

唐堂ハルカ      リィアルビア       家族愛

沼倉アキ       リィアニコー       色褪せぬ愛

彦宮ナギサ      リィアキャット      ??????

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