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第4ー1話 『ナギミホ』

 春丘高校の放課後、2年生の教室が並ぶ廊下。イケメン男子リョウとその取り巻きが雛姫(ひなひめ)ミホに話し寄る。

「ミホ、もしよかったら一緒に帰らないかい?」

「リョウ……今日は__」

 表情が引きつるミホに視線を逃さないリョウ。

「たまには良いじゃないか」

 リョウがミホに手を伸ばす。その瞬間、ドロップキックで思いっきり蹴り飛ばされるリョウ。

 男勝り彦宮(ひこみや)ナギサ登場。制服のブレザーにパーカー姿。

 ざわめく廊下。ナギサがリョウを指差す。

「おい! お金!」

「ちょっと! 直接的すぎ! 確かにリョウはお金持ちだけど〜……」

 語彙力の低いナギサにミホが小声で注意ツッコミをする。

「え、じゃあ、どー言うんだよ!」

「う〜ん、もっとこう、ドラマのワンシーンっぽく__」

 2人のやり取りが夫婦漫才感を漂わせる。それを良く思わないリョウ。蹴られたお腹を抑えながらナギサを睨む。

(彦宮ナギサ……!)

 生活指導の先生が登場。

「おい! なんの騒ぎだ!」

「やべッ!」

 一目で状況を把握する先生。

「ひこみや〜! またお前か〜!?」

「行くぞ!」

「え?」

 ミホの腕を掴み雑踏の廊下を駆け抜ける。息を切らしながら青春の風を切って走る。鬼ごっこをするように笑顔になるナギサ。思いがけずドラマのワンシーンのようなシチュエーションになり笑顔になるミホ。

(不器用でちょっぴりお馬鹿さんの彦宮ナギサと私、雛姫ミホは付き合っている)

 ぶつからないように人並みを掻き分け、走って行く2人。

(でも、それは私たちだけの秘密。誰にも知られてはいけない2人だけの秘密)


 バスの扉がプシューと閉まる。ガラガラのバスの中、腰を下ろし安堵の息を吐くナギサとミホ。

 ミホが手鏡を取り出し、櫛で髪を整え始める。

「髪ボサボサ……」

 突然ミホの唇にキスするナギサ。

「何してんの! 誰かに見られたら__!」

 頬を真っ赤にするミホ。

「確認したから大丈夫だよ」

「もし、親に付き合ってることがバレたら私たち……」

「ったく、めんどくせーな。良い煮付けだっけ?」

「許嫁! 前も説明したでしょ!? 私とリョウが結婚する事をお互いの親同士で決めてるの。私たちがこうしていられるのはみんながナギサの事をただの親友だと思ってるから」

「誰もミホが女の子が好きだって思ってねーからなー」

「うん、不幸中の幸い。でも、高校を卒業する前には両親に本当のこと言わないと……」

「それで両親やあの男が納得するのか?」

「……」

 ミホが言葉を塞いでしまう。

「安心しろ」

 遠くを見つめるナギサの横顔を見る。

「ミホは私のだ」

 またしても真っ赤になるミホの頬。

「なんでいつも直接的なの! もっとオブラートにしなさい!」

「めんどくせーっつーの」


 手術室。

「幽門輪温存ラインより胃を切除。十二指じょ__」

「カット!」

「幽門おん__」

「カット!」 

「幽門輪温存ラインより胃を切除。十二指腸と膵臓のすつ__」

「カット!」

「幽門輪温存ラインより胃を切除。十二指腸と膵臓の摘出へ移行する」

「カット!」 

 医療ドラマの撮影スタジオ。やっとの思いで自分のシーンを撮り終える沼倉(ぬまくら)アキ。

 セット準備中の待ち時間。椅子に座り、共演のベテラン女優の清水と雑談する。

「へ〜、30で銀行脱サラして役者になったんだ」

「はい! 小さい頃からの夢が諦めきれなくて! さっきの演技どうでしたか?」

「まだまだね」

「そうですよね、セリフも何回も噛んじゃったし、手術なんてやった事ないから上手いこといかなくて__」

「そうじゃないわ。手術シーンは目元しか見えないでしょう? あなたは天才外科医の役だから他の人に負けない、強い演技が欲しいの」

 清水の言葉にアキの背筋が伸びる。

「強い演技……」

「そう、あなたに足りないのは『強さ』よ」

 スタンバイが終わり、立ち上がる清水。

「あなたの演技で私を超えなさい」

 清水の大きな背中に目を光らせ、アキも自然と立ち上がる。

「はい!」


 夜8時、アキが自宅に帰宅する。

「ただいま〜」

「おかえり〜」

 中1のナツキと小5のフユキが兄弟仲良くテレビゲームをしている。

「あれパパは? まだ帰ってないの?」

「どーせ、また残業だろ?」

 頭を抱えるアキ。

(何の連絡もしないで!)

 不満と不安が込み上がる中、夫のハルオに電話をかける。しかし一向に繋がらない。

(もう! 何やってるのよ)

「ごめん! 今からご飯つくるから!」

「は〜い」


 綺麗な三日月の下、ハルカの腕には『ー789422』と表示。苛立ちとともに歯を噛みしめる。河川敷、高架下。ハルカの手下が二人がかりでツインテールの女子生徒を拘束する。ハルカがツインテールの片方にライターで火をつける。

「いや、やめてー!」

 手で口が塞がれており、声が通らない。次第に燃えていく髪の毛。ハルカ達がゲラゲラ笑う。暴れたことにより火が自らの服に引火、拘束を解かれるもパニックになる女子生徒が川に飛び込む。腹を抱え一頻(ひとしき)り笑う。

「もういい、帰るぞ」

 笑い泣きした涙をぬぐい、解散するハルカ達。


 玄関前で立ち止まるハルカ。さっきまでの笑みがスーっと消える。ハルカが捨て猫のような瞳で玄関の重い扉を開く。

名前         プラリィア名       キーポイント

月島レイ       リィアジッカー      快楽

伊藤ルリコ      リィアハナビ       富

章野アズハ      リィアセシィ       自尊心

斜々羅リッカ     リィアナャーコ      自由

旗部アカリ      リィアリムス       明るい未来

唐堂ハルカ      リィアルビア       ??????

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