第1ー1話 『レディファイト』
吠える。必死に吠える犬。目の前に足が2本、手が4本の蟻の姿をした怪物。その怪物からは子供が描いた似顔絵のような無邪気さと歪さをかき混ぜた恐怖を発している。
淡々と近づいてくる怪物。後退りし尻餅をつく飼い主。
「だっ、誰か助けて!」
その声が橋の鉄骨に響いたとき。桜色の衣装を身に纏った女戦士リィアクラーカが現れ怪物を蹴り飛ばす。
目元には身バレ防止の仮面、左目に花の模様。黄緑色の両手両足。
「早く逃げて!」
「はっ、はい!」
その姿に驚きながらも、必死に逃げ去る飼い主と犬。
橋の奥には50匹ほどの同一の怪物がうじゃうじゃといる。
(今日は量が多いな……)
「まっ、関係ないけど!」
余裕の笑みを浮かべ怪物の群衆の中に突っ込んでいくクラーカ。
まるで踊っているかのように華麗に怪物を蹴散らしていく。だが少しずつクラーカの戦いのリズムがズレていく。
「かなり堪えてきたな」
顔に流れる汗を拭うクラーカ。
「ボンジュール!」
「!?」
怪物の群衆を挟んで橋の反対側から登場するレイ。性交事後で髪が少しボサついている。口の中に違和感を感じ指を突っ込み男の陰毛をねと〜っと出し投げ捨てる。
「ふー。 じゃ、」
左手で取っ手がハート型になっている注射器のようなものを2個持ち、右手で焼酎を飲むレイ。
「イキますかー!」
飲み干した焼酎の瓶を地面に落とすレイ。瓶の破片が割れキラキラと舞う。
レイは変身しリィアジッカーとなり髪が綺麗なロング、薄黄色と白色の色っぽい和の衣装に変貌する。
「さぁ、ここからが本番よ」
舌を舐め、腰の刀を引き抜くジッカー。気が狂ったように怪物の首を斬り飛ばす、顔踏みつける、口を引きちぎる。残虐な攻撃をするたびに血が飛び出る。
怪物を刀で刺し掲げ、顔面に怪物の血を浴びるジッカー。
「キモチイィィィィィー!!!!」
クラーカが撃った光線銃をジッカーが刀で防ぎ後ろの怪物に当たる。
「もうちょっとで卒業できるから邪魔しないでほしんだけどな〜」
「それはこっちのセリフ!」
銃で撃ち倒していくクラーカと刀で斬り倒していくジッカー。
「なかなかヤルね〜」
「黙れエロザル!」
怪物の数がだいぶ少なくなり群衆の中央部に鎮座するものが現れる。
「キタッ!」
「こいつが__」
「ボスか!」
敵将の存在を同時に認知し攻撃体制に入るクラーカとジッカー。
クラーカが光線を何発か打ち込むが効いていない様子。そんなクラーカに一気に接近し首を締め、持ち上げる。必死にもがくクラーカ。
「スキあり!」
ボスに斬りかかるジッカー。しかしもう片方の腕で止められてしまう。
「!?」
「キメんだよ!」
銃でボスの目を撃つクラーカ。意地の一発でボスの目から血が飛び出る。
「ギィー!」
どの生き物にも似て非なる声を鳴らし目から流れる血を気にするボス。
「いやーん」
一瞬の隙を見てボスの右腕を2本斬り飛ばすジッカー。
「ギィーーー!」
痛そうにするボス。羽を広げ飛んで逃げる。
「飛んだ!?」
「逃すか!」
クラーカは銃を撃ち、ジッカーは刀を投げるが飛行速度が速くかわされてしまう。
更に高度を高くするボスに遠方のビルの屋上が怪しく光り銃弾が飛んでくる。それに気づくが時すでに遅し、顔面に直撃する。
「!?」
理解が追いつかない二人。
そのまま大河に落下するボス。徐々に川に沈んでいくのと同時に撃ち込まれた弾が「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……」と鳴りはじめ音の速度が速くなる。最後に「ピー」と鳴り川の中で大爆発し水飛沫が雨のように降ってくる。
「やられた……」
川を見つめ悔しさを募らせるクラーカ。
「おいしとこ持ってかれたわね〜」
しゃがんで橋の手すりに寄りかかるジッカー。
「悪い子ね〜、ハナビちゃん」
遠方のビルの屋上の方を見る。
リィアハナビから変身を解除し屋上で気持ちいい風を受けながらタバコを吸うルリコ。黒い革ジャンを着こなす。
左腕に表示されている数字が『ー420085』から『ー410385』に変動する。
にちゃぁ〜〜〜と独特の笑顔、抜けてなくなった歯の間からタバコの煙が漏れていく。
名前 プラリィア名 キーポイント
晴ノ日ソラ リィアクラーカ ??????
月島レイ リィアジッカー ??????
伊藤ルリコ リィアハナビ ??????