表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/37

遠路遥々

今春、わたくし達の婚姻式に

王都から、お客様が来られました。


わたくしの実の家族枠から、ルドウィーク

お兄様と可愛いらしい姪のアリシア様。


フォロス様の実家ロイべルート公爵家からは

新しく公爵となられたロレンツォお義兄様と

そのご息女、クロエ様。


その方々を護衛しながら来られたピーター様、

ロード様、実は、密かにいるらしいラギ様。


そして、ピーター様の婚約者となられました

レイリーン伯爵令嬢、パトリシア様。


皆様が宿泊される予定の辺境伯家の別館は、

大変賑わっております。






翌日は、さらに、お客様が増えました。


このお二人は、今回、初めてお会いしますが

わざわざ、遠方から、来て下さいました。


「初めまして、イグナーツ辺境伯家の皆様。

エリオット国王陛下の実妹、ステフリーシュ

辺境伯の養女、カトリーネ・フォン・リベラ・

レオシュリーク・ステフリーシュと申します。

宜しくお願い致します。」


「カトリーネ姫様、お初にお目にかかります。

イグナーツ辺境伯が嫡男、ユージン・フォン・

ファーガス・イグナーツです。婚姻祝いに

参りました。おめでとうございます。」


「祝福を、ありがとう存じます。」


イグナーツ辺境伯家特有の青の長髪に碧眼を

していらっしゃる、にこやかな騎士様。


イグナーツ辺境伯の嫡男、ユージン・フォン・

ファーガス・イグナーツ次期辺境伯。47歳。


つまり、プルメリア様の弟で、フォロス様の

母方の叔父様にあたる御方ですね。


「こちらは、私の嫡男、ジェラルドです。」


「イグナーツ辺境伯閣下の嫡孫、ジェラルド・

フォン・レンペート・イグナーツと申します。

15歳です。フォロス兄様の従弟になります。

宜しくお願い致します。」


「ジェラルド様も、宜しくお願い致します。」


あら、こちらの方はフォロス様に似ているわ。


淡い青の短い髪に薄い緑色の瞳の少年騎士は、

フォロス様の従弟にあたるようで、色違いの

そっくりさんを見ているかのようです。


「ジェラルドの婚約者は、イーベッテ侯爵令嬢

シェリー嬢に決まりましてね。」


「イーベッテ? ああ、フランシスカお姉様が

嫁いだイーベッテ次期侯爵の妹さんですか?」


「そうです、そうです。フランシスカ姫様と

カトリーネ姫様は、あまり交流が無いと伺って

おりますが、もしかしたら、交流が増えるやも

しれませんので、宜しくお願い致します。」


「ええ、そのようですね。フランシスカお姉様に

宜しくお願い致します。お会いする機会があり

ましたら、お話ししましょう、と。」


「はい、そのようにお伝えいたします。」


15歳にして、すでに婚約が決まったという

ことは、かなりの政略結婚………


わたくしの次姉、フランシスカお姉様が嫁いだ

イーベッテ次期侯爵閣下、ダリール様の実妹、

シェリー様が、ジェラルド様の婚約者さんに

なったそうですね。


フランシスカお姉様と関わりが薄いもので、

どう交流をしたら良いのやら………?


「イグナーツ辺境伯家は、はとこ同士の婚姻が

あまりにも多く、ロイべルート公爵に嫁いだ

プルメリア伯母上が、珍しいのですよ。」


「まあ!さすがに、そろそろ、他家からお嫁を

探した方が………ってなりますね。なるほど!

だから、シェリー様が選ばれたのですね。」


「はい、そうなのです。」


血筋が近すぎるのは良くないと言われ始めて

ついに、シェリー様が選ばれたのね


15歳にして、それを理解し受け入れている

ジェラルド様とシェリー様が、凄いわ。


「カトリーネ姉様って呼んでも?

こちらは、普通にジェラルドでいいですよ。」


「ええ、もちろん。宜しくね、ジェラルド。」


フォロス様のおかげで、いろんな知り合いや

親戚が増えているような気がするわ。


ふふふ。 毎日が、新鮮で、とても楽しいの。

フォロス様のおかげね!


「ところで、カトリーネ姉様、

フォロス兄様は、いま、どちらに?」


「フォロス様なら別館にいらっしゃいますよ。

ご案内いたしますね。」








「フォロス様〜!イグナーツ辺境伯家の

方々が到着しましたよ〜!」


「わあ! わざわざ来て下さったんですか!?

叔父上、ジェラルド、お久しぶりです!」


久しぶりに会う叔父と従弟を見たフォロス様は

驚いておりました。


なんせ、イグナーツ辺境伯領は、王都よりも

二倍以上遠く、約12日間くらい掛けてくる

必要がありますからね。


フォロス様のお祖父様にあたる

イグナーツ辺境伯閣下は、辺境伯領から

離れにくいようで、代わりに次期辺境伯様と

嫡孫様が来られたということでしょう。


ちなみに、離れることが出来ない原因は、

イグナーツ辺境伯領と隣接している隣国が

ゲンローウ王国だから、なのでしょう。


「久しぶりだね、フォロス。おめでとう。

カトリーネ姫様を大切にするんだよ?」


「フォロス兄様、おめでとうございます。」


「もちろん! 祝福を、ありがとう!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ