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騎士の手紙

「カトリーネ」


「あら、フォロス様。」


「ピーター殿から

辺境伯家宛てに手紙が来たよ。」


「あら、珍しい、手紙を出すタイプじゃ

ないのに。 何か、ありましたか?」


フォロス様が、ベージュの便箋を手に。


今日は、お養父様の執務室で、次期辺境伯

としての実務作業中だと聞いていました。


どうやら、ピーター様から、ステフリーシュ

辺境伯家の関係者へのお手紙らしく、それを

わたくしにも、見せに来たのでしょう。





「まず、ピーター殿の現状から。」


「ええ。最近は、どうされているのかしら?」


「真面目に鍛錬していたから、20歳になると

同時に男爵位をもらうことが決まったらしい。

ピーター・フォン・オイレースト・メイジン

男爵になるみたいだね。」


「まあ!本当に? おめでとうございます!」


つまり、男爵として、ステフリーシュ辺境伯の

寄り子のひとつになることが決まった、と。


男爵になったら、ステフリーシュ辺境伯領に

戻ってくる予定なのですが、思ったより早く

授爵が決まりまして、驚いています。


「ピーター様

頑張ってらっしゃるのね。」


「どうやら、騎士団長の紹介で、

レイリーン伯爵令嬢、パトリシア嬢との

縁談話が出ているらしいよ。」


「あら、カイオス伯父様からの紹介なのね。」


あのカイオス伯父様は、騎士団の男性陣に

お見合いと称して、ご令嬢を紹介してるそう。


騎士団の男性陣の中には女騎士を伴侶に選ぶ

男性もいるみたいけれど、女騎士たちと相性が

合わない騎士たちのために、なんだそう。


「パトリシア様は、どんなお方なの?」


「ガンドリージ侯爵の親族、レイリーン伯爵の

長女、パトリシア・フォン・ガンドリージ・

レイリーン伯爵令嬢、白金の長髪に水色の瞳。

17歳のご令嬢。騎士見習いの弟がいるよ。」


「ガンドリージ侯爵は、何処かで聞いたわ。」


「ああ、騎士団の寮で、ピーター殿と同室の

ガンドリージ侯爵次男の従妹にあたるんだよ。

10歳くらいから、侍女として、クラウン

侯爵夫人の元で働いているみたいだね。」


「まあ! ピーター様からしたら、とても良い

縁談話なのではないかしら?」


「ああ、そうだね。とても良いと思うよ。」


ピーター様は、割と大人しくなったとはいえ、

身分を気にする所は、もしかしたら、まだある

かもしれないですからね。


ガンドリージ侯爵との繋がりのある伯爵令嬢

パトリシアが妻になるんですもの。


「パトリシア嬢なら、カトリーネとも気が

合いそうだから、歓迎するよ。アナベラ夫人

みたいに専属侍女ができるタイプだと思う。」


「あら?そうなの?ぜひ、会ってみたいわ!」


「うん、ピーター殿に、そう伝えておくよ。」


「ええ、そう伝えてね。宜しくね。」






「次に、ミリーゼ嬢の件。」


「あの子についても、書かれてあるのね。

最近は、どうしているのかしら?」


「侍女見習いは不向きと認定されたそうだよ。」


「まあ!そうよね、わたくしが想像する以上に

難しそうな状況でした。」


ミリーゼ様は、優雅な王城での暮らしに憧れ、

貴族夫人になりたい、と話しているそう。


相変わらず、ピーター様を王城内で見かけると

話しかけに来るそう。王城内の警備見回りは、

大事な仕事。その時に話しかけられてしまう。


ちょっと、厄介な幼馴染なのです。


「王都の、テムゼーン商会のお針子見習いに

異動になったらしいよ。」


「テムゼーン………テムゼーン男爵家かしら?」


「そうそう、刺繍が認められて、お針子見習い

として、商会長夫人の弟子になったみたいだ。」


「まあ!ミリーゼ様、おめでとうございます!」


最初は、侍女見習いとしては難しいと聞いて、

どうなることやらと思っていたけれど………


ミリーゼ様の刺繍の腕は、やはり、良かった

らしく、お針子見習いとして頑張ってるそう。


「そうなのね。ミリーゼ様が活躍できる場所が

見つかって、本当に、良かったわ。」


「あ、テムゼーン商会の嫡男、ロトースの嫁に

どうか、と言われているみたいだよ。」


「あら?そちらでも、縁談話が出てるのね?」


テムゼ!ン商会は、王都の男爵でもあります。


そのテムゼーン男爵嫡男、ロトース・フォン・

ジムハート・テムゼーン次期男爵。21歳。


次期男爵となら、良いのではないかしら?


ランタナ商会としても、王都との繋がりは

欲しいところなのでしょう。


ミリーゼ様次第ではありますけれど。





「あとは、

政略結婚の婚約になるみたいけれど、

正式に、ディルークと、ヴェネッサ嬢の

婚約も決まったみたいだよ。」


「まあ! おめでとうございます!」


次期騎士団長であるオンタール侯爵家の嫡男

ディルーク様と王都の大富豪、ターニー商会

である伯爵家のご息女、ヴェネッサ様。


ちなみに、ヴェネッサ様は、王都立騎士団の

第二部隊の次期隊長候補です。


なるほど、この組み合わせになるのですね。


壮大な政略結婚ですこと。

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