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王太子殿下

「やあ、カトリーネ!」


「エリオットお兄様、お久しぶりですね。」


お父様によく似ておられます

金の短い髪に淡い緑の瞳の美丈夫な御方


エリオット・フォン・リベラ・クラウン・

レオシュリーク王太子殿下。33歳。


ルドウィークお兄様やわたくしの実のお兄様

であり、フォロス様の上司にあたる御方です。


「うん、久しぶりだなあ! 大きくなったね!

あああ、感慨深いよ! 8年振りかな?」


「はい、お忙しいのに、一度、ステフリーシュ

辺境伯領に来て下さってありがとう存じます。」


8年前の初夏、わたくしが、10歳の頃に

ステフリーシュ辺境伯領に突如として現れた

王太子殿下と第二王子殿下の兄弟。


それはもう、珍しい王族の訪問に大騒ぎに。

目の前に、第三王女が、実はいましたけれど

かなり大騒ぎでしたよ?


表向きは国王陛下の代理として視察に来られ、

しかし、本当は、伯母様夫妻と末の妹である

わたくしに会いに来ただけでした。


「もう、18歳なのかー、時が経つのは早いね。

フォロスよ、私の可愛い末妹を宜しく頼むよ?

ふたりとも婚約おめでとう!祝福するよ!」


「はい、もちろん。 エリオット王太子殿下

ありがとう存じます。」






「あ、カトリーネ、紹介するよ!」


「はい、ご紹介して下さると伺っております。」


エリオットお兄様の隣には、明らかに長兄の

お妃と子ども達であろう3人がおります。


子ども達は、初めて見る、もう一人の叔母に

興味津々なようで、じーっと見ていますよ。


「まずは、私の妃、リトヴァールシュ公爵令嬢

リュディーナさ!義姉として宜しく頼むよ!」


「リュディーナ・フォン・リトヴァールシュ・

レオシュリークと申します。カトリーネさん

義姉妹として、宜しくお願いいたしますね。

可愛いらしい義妹が増えて、嬉しいわ。」


「リュディーナ様、宜しくお願い致します。」


ベージュの長い髪に橙色の瞳を持つ美女が

とても微笑ましそうに笑っておられます。


この御方が、王太子妃殿下………!


「ミリーゼ様がお世話になっているとか………」


「ああ、ミリーゼさんは、貴女の幼馴染って

聞いたわ。ちょっと、難しい子みたいね?

でも、箱入り娘な侍女見習い、よくいるのよ。

あの子は、もうちょっとの辛抱ね。」


「ま、誠に、ありがとう存じます。」


「うふふ。大丈夫よ。

リラックスして下さいな。」


や、優しい………!




「次に、次期王太子のシルヴォート。」


「初めまして。王太子殿下の嫡男になります

シルヴォート・フォン・リトヴァールシュ・

レオシュリークです。13歳になります。

カトリーネ叔母上、宜しくお願い致します。」


「シルヴォート殿下、宜しくお願い致します。」


エリオットお兄様と同じ金の短髪に御生母と

同じ橙色の知的な瞳の美しい少年。


中性的で、可愛いらしい容姿をしていますが、

13歳らしくない大人びた雰囲気ですね。


「ぜひ、僕も、父上のように、

カトリーネ叔母上とフォロス殿の領地に

赴きたいです。もちろん、お忍びで。」


「お忍びなら、対応が可能ですが、エリオット

お兄様から許可を頂いてくださいね。」


「ええ、もちろん!ありがとうございます!」






「それから、私たちの娘、グレイシー。」


「うふふ。カトリーネ叔母様、初めまして!

王太子殿下の長女の、グレイシー・フォン・

リトヴァールシュ・レオシュリークですわ!

10歳ですの!宜しくお願い致します!」


「グレイシー姫様、宜しくお願い致します。」


御生母と同じベージュの長髪にエリオット

お兄様のような淡い緑色の瞳の可愛い少女。


ニコニコと人懐っこい笑み、可愛いらしい

姪っ子が、もうひとり、増えましたね。


「昨日、久しぶりにアリシアに会いましたわ。

あの子に、笑顔が増えて、本当に良かったわ。

ここを出発する時、ずっと暗い顔だったから、

カトリーネ叔母様、ありがとうございます!」


「いえ、こちらこそ、ありがとう存じます。」


「ああー、わたくしも、シルヴォートお兄様と

ステフリーシュ辺境伯領、行ってみたいけど、

護衛が増えてしまうかしら?行けないわね!

シルヴォートお兄様、お土産を宜しくね?」


「もちろん!その時は、可愛いグレイシーの

ために、辺境伯領の名物土産を買うよ!」


「まあ!本当に? ありがとうございます!」


ふふふ。この二人は仲の良い兄妹みたいね。






「フォロス、カトリーネ

二人に、私から頼みがあるんだ。」


「ダシュレード侯爵家についてなの。」


「なぜ、ここで、あのダシュレード侯爵家が?」


ダシュレード侯爵家………それは、きな臭い

第二王子過激派の筆頭だった家です。


ルドウィークお兄様のお妃、マリーナ様は、

ダシュレード侯爵の長女だったために離縁され

ルドウィークお兄様は父子家庭となりました。


「ダシュレード侯爵家の嫡男、ガンドロワスと

ゲンローウ王国の伯爵令嬢であるキャリテの

間には、8歳の一人娘、アナスタジアがいる。

アリシアの従妹にあたる子なんだ。」


「いきなり、両親が捕まって保護しているの。

でも、私たちじゃ、さすがに、ダシュレード

侯爵の孫娘を保護し続けるのは難しいのよ。」


「さすがに、王都で暮らすのは難しいだろう?

だから、カトリーネ、フォロス、辺境伯領に

アナスタジア・ダシュレードとして孤児院で

預かって欲しいんだが、出来るかい?」


「分かりました。トルコワ伯爵夫人の孤児院で

預かることとします。後に、辺境伯領内で、

何処かの養女になるかもしれませんが………」


「ありがとう! 宜しく頼む!」

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