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天龍公爵は、なにもない場所で静かに生きたいふりをする。  作者: ねるはちばちさん
序章 長い長いプロローグと幼少期
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執事と侍女

 あれから、更に時が経って3歳になった。


 魔法や、剣の使い方を練習していたので、以前よりは退屈しなかった。


 3歳になって僕に侍女、そして祖父の執事が家庭教師ついた。


 そのちょっと前に短期間だけ、他の家庭教師が来たことがあった。


 その家庭教師が言う事は、箱庭が集めた情報が多かったので、聞き流して魔法の方に集中していたのだが、たまに面白い話があるのでそれを聞いていた。


 以前聞いた魔貨と魔石の違いを教えて貰った。


 魔貨というものは、ダンジョンと呼ばれる所の魔物を倒すことで得られる魔石のような物なのだが壊すことができず、大きさがどれも均一で、中の魔力を吸うと消えるらしい。


 魔石は、それと違い壊す…というより砕き、液体など混ぜることができるのと周囲の魔素と言われるものを集める為、魔力が自動に回復され、大きさによるがずっと動かすことも出来るらしい。


 あぁ、後は魔法を上手く操るには詠唱が必要ということも知った。


 古代の言葉らしいが、僕の頭を痛くする方の家庭教師が解析してくれた。


「〝火〟〝生成〟〝形成〟〝球〟〝射出〟ファイアーボール」


 まっすぐ火の球が飛んでゆく。


 現状、僕が教えてもらっているのは、これしかないため、僕が分かっている魔法言語は、火〜光の6属性、生成、形成、球、射出のみである。


 魔法は、魔法スキルがあっても詠唱がわからないの使い物にならないらしいので、レベルの高い魔法を使えるものは少ないらしい。


 とまぁ、そんな感じで色んなことを教えてくれる著名な作家らしい家庭教師は思っていたよりも早くに辞めてしまった。


「ひぃぃ、ガルムさまぁぁぁ、怒らないでくださいぃ首が飛んでしまいますぅ…」


 みたいなことを、芝居がかった口調で言う面白い人だったんだけどなぁ…


 貴族ジョークみたいな奴だったのかな?


 少し経って、長い間お爺ちゃんの執事をやっていたらしい、六十歳近くの年齢の渋い白髪に碧眼のキリッとしたThe執事みないな人がやってきた。


 お爺ちゃんから家庭教師のようなことをやって欲しいと頼まれたらしい。


 この前の家庭教師は、その為臨時のものだったそうだ。


「ガッザベル家、当主に相応しい者に育てて欲しいと旦那さまより聞いております。」

「あっあぁ…リンドか、よろしく頼む。」


 この人が、地獄を体現した人なのだとその時は…気づかなかった。


「姿勢が悪い、もっと意識しなさい。」

「はい。」


「教えた歩き方になっていないですよ?ちゃんと意識しなければいけません…できますか?」

「はい…」


「拳の握り方が違いますよ。やる気はありますか?」

「はっはい…」


「踏み込みが甘い、流れるように腕を動かしなさい。」

「は…」


 もう無理、疲れた…


「聞こえませんよ?返事は?」

「はっはいぃ!」


 リンドさんは、とてもスパルタだった…優しい声色なのだが、目は笑ってない。…怖い。


 どうやら、ガッザベル家は代々、徒手空拳を修めている家系らしい…


 理由は、大きく分けて2つある。


 一つ目は、商談や外交などの武器などが持ち込めない場で、ハメられたときに逃げたり、戦ったりするためというもの。…怖いなぁ。


 もう一つの理由は、初代ガッザベル家当主である。ウルフ・フォン・ガッザベルが武器を持たず拳一つで戦ったからというものであり、代々その拳術を継承していくためらしい。


 その…ウルフ式拳術は、大陸一と謳われるくらいには有名なのだとか…


 他の武術などがある国があまり拳を使わないということもあるらしいが…


 以前は、普通に勉強もやっていたのだが…何故か二週間くらいでやめてしまったので、ずっとこれを学んでいる。


『徒手魔拳が徒手聖拳にランクアップしました。』


 ランクアップしたと言っても…


「武術が発動できるようになっても基礎がなってなければ意味がありません。」


 と言われるので、ちゃんと足さばきや、腕の振り方を学ばなきゃならない…


 そして、今日遂に剣の方を超えた…おかしい…ゴクゴク…


「大丈夫ですか?ガルム様。」


 水を運んできてくれるこの人が、僕の侍女のアムザさんだ。


「ありがとう、アムザさん。」

「侍女に敬称などいりませんよ、貴族…というより雇い主としておかしいのでやめなさい。」

「はい、リンドさん。」


 侍女は、専属の付き人のようなものらしい。


「…確かに、拳術だけだと飽きるかもしれませんね…竜系統のスキルを練習しましょうか…」

「はい!」


 どちらにせよ、練習はキツいが…


 まぁ、同じことをしているよりは、ずっといいだろう…




 練習が終わったので自分の好きなことができるが、やりたいことが特にあるわけじゃないので…


「えーと?ご主人様何してるんですかー?」

「休んでる。」

「そーですかーじゃあ私が掃除している間になんかやりますー?」


 コイツの掃除は、掃除していないと一緒なので、あまり関係はない。


 その理由は、アムザの持っているユニークスキルが〈白の箒〉というもので、自動で掃除してゴミを消す機能があるらしい。


「面白いものとかあるの?」


「はい!えーと…これです!」


 そういってアムザは、ミスリル…だろうか?に魔法陣らしきものがかかれたもの取り出した。


「貴族の嗜む奴ですねー私はこれが好きなので自分でなんとか購入したんですよー」

「それなに?」

「えっ知らないんですか?」


…なんとなく癪だなぁ。


「うん…知らない。」

「そっそうですか…これはですねー迷宮戦争っていうゲームで!老舗の魔導具屋リヴルの!世界でも遊ばれてるゲームなんです!なんとこれ王国の人が作ったんですよ!王国!」

「そう。ルールは?」

「順応が早いですねぇ〜これに魔貨を嵌め込んだらスタートです。迷宮側と人類側を決めて、それに応じた駒を動かすんです!」


…チェスとか将棋みたいな物だろうか?


「迷宮は、時間経過と殺した数によって成長して、人類は時間が経過するほどに死ににくくなりますし、雑兵も使えるようになってきます。そして、魔物を殺した兵はどんどん強くなっていきます。時間一杯までコアを守りきれたら迷宮側の勝ち!それ以内にコアを壊せば人間側の勝ちです!あと迷宮側は魔物をいくらでも出せて、時間経過によって洞窟に入れられるレベルの人員が育って入れられるようになるといった感じですね。」


だいぶ、アンフェアなゲームな気がするけど…


「不利な陣営がうまれそうだけど面白いのそれ?」

「チッチッチ、ここで重要なのは、人間側が一時期に全滅しても問題がないことでーす。例えばダンジョンがゴブリンを出しまくれば人類側は虐殺されますよね?その後は強くなった雑兵共に殺られて最強の奴になっちゃって負ける…なんてこともあります!迷宮はいつ仕掛けるのか見極める、人間は強化にどれくらい時間をかけるか考える…と言った感じですね。」

「時間制限なんてなくてフェアでやった方が楽しいと思うんだけど…」


 チェスみたいな感じでやったほうが絶対にいいと思うんだけどなぁ…


「こういうゲームって、魔貨嵌めてやるんですよ?時間制限無かったらぶつ切りされるじゃないですか!でっかい魔石使ってやるんですか?王にしかできませんよ…?」


…なるほど。


「それで、やります?」

「やる。駒の説明は?」

「駒を押せばわかりますよ〜結構高い奴ですからねー私の!」


 そういってアムザは魔貨を嵌め込んだ、そしたら一気にそれが広がった。


「魔石って伸びるの?」

「そうじゃなかったら、魔貨服にくっつけるだけで迷宮攻略できますよ?」

「…剣で切ったらそのまま同じダメージ向こう側に与えられるの?」

「え?はい。ところで、始まってますよ?駒出さないんですか?」

「別に最初に出さなくてもいいでしょ?雑兵より騎士とかに時間で育てられるんだから、ところでそれゴムみたいに反発とかしないの?」

「それはどうですかねー?えーと…ゴムってなんですか?魔貨は時間経過で元の形に戻りますよ?普通に。」

「そうなんだ、アムザも出さないけどいいの?」

「ゴブリンとか出す意味あります?あーっと時間すぎてますよー?大丈夫ですかぁ?」



 その後、僕はボロカスに負けた…アムザは学園のゲーム大会で優勝して高い奴を持ってたらしい…先に言っといてよ…

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