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天龍公爵は、なにもない場所で静かに生きたいふりをする。  作者: ねるはちばちさん
序章 長い長いプロローグと幼少期
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 現在時刻は朝の4時、昨日はポーションを作ってかなり早くに寝て、これからの戦闘の為の準備を整えた。


「ご飯も食べたし、もう行こうか。」


 カイリが俺も行くって駄々こねてくるかもしれないし、もう行ってしまおう。あとなにげに俺も早く戦いたいのかもしれない。


 何も言わずに行くのは申し訳ないし、なんかに書いておくか。


「じゃ、行くか。」

『頑張れ〜俺の娯楽の為に。』


 やる気が無くなってくるなコイツの声を聞いていると。


 階段を降りていく、どうやって先ず攻撃しよう、多分骸骨とかそんなんだろうし、土地喰塁で…


「ん?」


 骸骨じゃない?なんだ何がいる?視界には映らないが、動いている反応はする。


 見えないその存在の一体が襲ってきたので、攻撃する。


「〈天龍の鉤爪〉…蛇?」


 物凄い臭いだ、毒の類だろうか?切られた蛇からおぞましい色の液体が出てくる。


「爪、大丈夫だろうか?」


 爪は大丈夫かもしれないが、皮膚についたら問題があるかもしれない。


「〝炎〟〝付与〟〝水〟〝生成〟っと大丈夫かな?」


 これは、とりあえず蛇を一定数殺さないと不味いかもしれない。


「展開〈天龍の鉤爪〉〈王龍の尻尾〉〈天龍の息吹〉」


 かなりの数の鉤爪と尻尾を展開して、一気に蛇を同じ場所に集めて焼却する。


 隠密性が高い代わりに防御力は低いのかもしれない、あの蜂のように。蛇の毒に似た色のポーションを無心で飲みながらそんなことを思った。


 きれいになった5層に突入する。奥に今回の狙いの物であろう、コアに似た白い玉が浮かんでいる。


「あれか。触れれば勝ちなら楽勝かもしれない。」


 ズゾゾゾとボスが産まれた音がし始める。外見はヒュドラのような9つの頭をした蛇。その蛇の頭の一つが白い玉を丸呑みする。


「なるほどね、そうやって守る訳だ。」


 胴体を傷つけたら、白い玉も傷つきそうだなぁ。ある程度は体内でズラしたりして傷つかないようにするとかあるんだろうけど。


「「「ヒャシャ」」」


 毒を吐いてきたので退避する、大剣を取り出しぶん投げる。


 一本くらい断ち切れるかなと思っての行動だったが、3つの頭を使って剣を止めた。


「まぁ、遠隔でやればいいか。展開〈剣聖〉」

「キシッ!?」


 大剣を遠隔操作し、なんとか一つの首を切る。九頭蛇が、動揺した隙に急接近する。


「もう一本、《首刎爪》…展開〈天龍の鉤爪〉」


 首刎爪で2本首を断ち切り、こちらに集中していた九頭蛇の後ろに展開し更に3本断った。


「案外、毒が強いだけだったかな。《脈縮》」


 意外と図体に似合わない速さで逃げる九頭蛇を脈縮で無理矢理こっちに動かす。


 やっぱりヒュドラのような生物なのか首が少し回復しているがこれで終わりだろう。放っていた剣を掴む。


「〈剣聖〉《一閃》っとほらな、俺はちゃんと剣の才能あるし。」


 九頭蛇の頭を全部切った、これで終わりだろう毒が大量に漏れ出ているので少し遠くから塵になるのを待つ。


「塵になれば玉出てくるだろ。」


 玉を回収すれば終わり!グルガオンが言っていたよりも呆気なかったなぁ。ただ、毒は凄かったのかもしれない。


『おい!馬鹿ちゃんと見ろ!』


 ん?危なっ《縮地》


「え?増えてる?普通こういうの全部落としたら死ぬんじゃないの?いや、なんで増えてんの?」


 九頭蛇の数が10体に増えている、どういうこと?


『先ず安全な所に逃げろ!』

「ッ!《空縮》、〈天龍の翼〉」


 空縮で空中に素早く逃げ、翼を出して空中で情報を整理しよう。


「「「シャシャ」」」


 九頭蛇の内、3匹が9つの首を集めて毒のビームを放つ。格好が少し間抜けだなぁ。


『大丈夫か?』

「速さだけはあるからね。まぁ空限定だけど。」


 どのビームも天龍の翼は捉えられなかったようだ。


「〈帝龍の瞳〉ん?」


 えっユニークスキル?魔物が?


 この九頭蛇〈回帰の体〉なんてユニークスキルを持っている、ランクだけなら俺と同等。


「ステータス的には俺のが不利か。」

『素早さは上回ってんだ。上手く立ち回れよ。』


 先ずはこのスキルの効果を見よう。他のスキルはコイツとの相性が悪く格上だったからか見えなかった。


〈回帰の体〉


 それなりに大きな部位が再生するが、その時に再生した体はこのスキルの対象にはならない。


「あっさりしてるなぁ。まぁ俺のも危険性みたいなの一切書かれてなかったしこういうもんなのかもね。」


 つまりは無限に再生するのは今回断ち切った9つの首と胴体のみ。


「…攻略方法はコア分体を胴体から取ることだけかな?」


 粉々にすることも考えたが、そうしたら多分目的の物は壊れるだろう。


「面倒臭いなぁ…」

『まぁ、強い魔物ってのはこういうもんだ。』

「そっかぁ〜。」

『こういう時はやけに素直だな…』


 だってお前、俺死んだら不味いらしいし、死に直結するようなことはしないだろ。


 まっ、とりあえずは本物の胴体を探す作業か。実際一回は殺せたしこっちのほうがそういう点では上回ってる。


 冷静でいれば、倒せる相手ではあるだろう。


「幸い時間もあるしね。先ずは…」


 さっきから無駄にビームを撃ち続けて隙だらけのアイツから判別するか。


 違ったらそうだな。ポーションの役割も果たせなさそうなドロドロして意味のわからない液体になったあれをぶっ掛ければいいか。


『どうなったらそうなるんだよ…』


…さて、行くか。


「《空縮》」


 ビームを放つ為に首をまとまらせているアホな姿をした九頭蛇の頭上に一瞬で移動し爪を振り下ろす。


「よしっ断ち切れ…」


 ズシャーと地面を削りながらビームが接近する…避けたらこれコイツの胴体に当たるか?


「チッ、判別がまだつかない。展開〈天龍の鱗〉」


 防げるか?ゴリゴリと嫌な音をたてながら鱗をビームが削っていく。


『首から再生したぶっかけて戻れ!』

「了解。くっ《空縮》」


 しっかりとぶっかけて戻る。少し掠ったか?


「シャァァァ」

『お前どうやったら毒蛇が苦し…おい!大丈夫か?』

「少し掠った…回復ポーションも作ってたから、それぶっかけてなんとかなるかな。」

『酷くなるんじゃねぇか…?』


 回復ポーションをぶっかけ、天龍血を全開で使用する。解毒ポーションは龍の血でできないので持っていない。


 やべぇ色してるこれ、口で吸って吐いてとかするといいって聞くけど大丈夫なのか?あれは口に入れても血液に入らないからとかそういうのだった気がする。


 この毒は口に入れた瞬間に口が溶けていきそうな感じだ…


『やべぇなこの毒。』

「なんかジュクジュクしてる。〝治療〟〝付与〟〝炎〟〝付与〟〝水〟うん。これなら結構癒えるかも…」

『魔力が結構持ってかれるがな、まぁそのためにポーション作りまくったんだ。焦らなきゃいけるか。』


 さて、どうやって攻略しようか。


読んでいただきありがとうございます!

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