情報収集(強制)
「ガルム、お祖父様が玩具を送ってくれましたよ。」
木で出来た犬が4個くらい円にくっついて吊るされたものや、音の出ているよくわからないものなどが置かれていた。
『仮名 よくわからない物は、魔石によって音楽が流れる魔導具であると推測…』
訂正、音の出る魔導具だった。
どうやら、僕は異世界に転生したらしい。
さっきも話しかけて(?)きたあの無機質な声について、分かったことがある。
この声は、自分が知りたいと思ったことや、疑問に思ったことを同意もなく頭に叩きこんでくるということだ。
そして、自分の周囲の状況は、なにも意識しなくても理解させてくる。
そして、おそらくだが自分の必要だと思われることも同じようにやってくるのだ。
だが、人の情報とかそういうのは意識しないと収集してこないと思われる。
その人の人生のおおまかな軌道を知れたりするのだが、その情報量が多すぎて、頭痛が起こるので、人に対してはあまり意識しないほうがいい。
例えば、僕のお祖父さんがなにをしているのかとか、そういうのは考えてはいけないのだ。
『ケルベ・ロスムート・フォン・ガッザベル ガッザベル公爵家前当主だが、テネレ王国の4大公爵家、ガッザベル家、ラアルラト家、バルムガル家、パドドゥク家の4家は、王宮で仕事をする必要のあるため、当主を譲っているだけなの…』
しくった、情報整理するために情報増やす意味はないんだよぉ。
頭痛い…寝よう。
おはよう皆様、どうでもいい情報だが音の出る魔導具は所謂ガラガラだった。
そして、木でできたあの犬達は、音を鳴らしながら回っていたのであれも魔導具なのだろう、電気製品なんてないよね?
まだ見ぬおじいちゃんの情報から得た情報とこれまで収集してきた(強制)情報をとりあえずまとめようと思う。
まずは自分が何になったのか、つまり、現状把握から始めようと思う。
僕は、異世界のテネレ王国という国に転生したらしい。
テネレ王国は東に獣王国(名前はふめ『獣王国 ガルラディア 獣神教という野生でいることを是とする宗教を信仰しており、最も強いものが…』
「だぁうぁぁぁ」
我慢だ僕、我慢だ、今日は絶対やると決めただろ…
『一般的にしられる歴史を説明していき』ません!ませんといったらません!言うないらねぇよ!
まぁとにガぐぅ、なんかやばい三国に囲まれているのだ(二国割愛)ちなみに、南は海で西と北にやばいのがあるのである。
まぁ国の周囲は、そんな感じだな。
次は産まれた家についてだ。
僕の家は、代々財務と外交を司っているらしく、王都でそれを行わないといけないらしい。
僕のおじいちゃんは、別に引退する年齢とかそういった訳ではなくそれを継承し、僕の父に当主を譲ったらしい。
ちなみにこれはどんな年齢であってもだ。
例えば、僕のおじいちゃんが今、死んでしまったら、直ぐ父親が王都に飛んでこの仕事をやりにいき、僕はガッザベル家当主となる。
意味がわかんないと思うけど、僕もわかんないので、聞かないでほしい。
ちなみに、この世界は平均寿命は短いので余裕で幼少期に継承したりするので、これはガッザベル家、というより、4大公爵家伝統の教育法とかほざかれているらしい。
なんか、僕どんどん口悪くなってないか?気の所為かな?
とまぁ、こういった感じの所に産まれたらしい、なんとかなるかな?うーん…
次は、この世界について、この情報は、僕にとって優先度が高いとアイツに判断されたらしい。
というわけで、かなりわかっているので迂闊なことを考えても問題ない、サクサクいこう。
この世界は、スキルというおかしな技術がある世界。
貴族、というより昔の英雄の子孫達はユニークスキルというものを持つ。(平民も持っている人はいる。)
これには、ランクがあり、一番下から、基、属、魔、聖、王、帝、天、神といった感じになっている。
ユニークスキルの持ち主は、ランクスキルと呼ばれる物の上限がユニークスキルのランク1〜2上下のみになる。
そして、ユニークスキルの持ち主は、ランクが上がらなくなったら、自分の限界に到達したことが知らされ、必殺技みたいなのが使えるようになるらしい。
逆に、ユニークスキルのを持っていない者は、ランクスキルの上限はユニークスキルの格に左右されなくなる。
しかし、同時に最低保証がないため、最悪なにもスキルを覚えられなかった…といったこともある。
そして、自分の限界が分からないし、必殺技みたいなのは使うことができないそう。
ちなみに、ランクスキルとは別にランクが存在しないスキルをEXスキルというらしい。
これも、ユニークスキルや、才能によってレベルの上がりやすさや、発現のしやすさが変わるらしい。
さっきから、頭痛いのでこの辺で終わるとしよう。
ステータスの確認は明日!明日やるから、今日はもう寝る、だって僕さ赤ちゃんだもんな。
女の人のおっぱい吸ってるのも赤ちゃんだもんなしょうがないよな。
じゃ、おやすみ。
そうして、僕はちゃんちゃら鳴ってる犬と無機質な女の声の中の微睡みに沈んだ。