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戦力全力バカ

朝から忙しい。狩りチームを中心に討伐隊ABを結成


弓・槍・斧を持ち積極的にモノを駆除するグループだ。がんばれ!超がんばって下さいませ!

みんなでかくて強そう。チームAのリーダーはあの顔が傷だらけのおっちゃんで、いつもは食堂が別の人たちもその命令にしたがっている


討伐隊以外は守備隊で今は柵や武器を作っている。木をとがらせるだけともいう

モノが近づかないよう棒を振るのが主な仕事。もし侵入したら気合いと根性とガッツでなんとかするらしい


僕たち子供は全部で12人しかいないし、食べ物をみんなに運んだら静かに嵐が過ぎ去るのを待つのが仕事。労働力にはなっても戦力にはならないから、今は木をとがらせて槍もどきをつくってる


集落には堀と塀はあるが深さも高さも足りてなく侵入を容易く許すだろう。僕の前世の知識を披露して少しでも被害を少なくしたいが…しても従ってもらうだけの信頼もない


僕はここでは10歳(推定)の奴隷のガキだ。

スープを温めるだけで疲弊する能力者だ



7日後に死ぬという言葉の真偽を確かめたい。作戦は〈命を大事に大事に〉

謎の思い切りの良さを発揮した前世を超反省。だって転生なんて何回もあるもんじゃないでしょ


よいこでまじめに木を削っていたらあっと言う間の

2日後の夜…


狼の、モノの遠吠えが聞こえた。僕の隣にはユキ


「来たね来たね」

「うん、そだね」

「守ったげるよ」

「うん、どもね」

「スープの恩よ」

「まいぷれじゃ」


ん?最後の返しは通じなかったようで首をかしげるユキ。おっふ


緊張感のない会話をしている僕たちは集落のほぼ中央にある食堂にいる。門や塀の周りと同じ篝火が入口にあるが外の様子は視覚からはわからない


ただ人と獣の叫び声が終わりなく続く。

「怖いよー」わかっているから言うな

「怖いよー」怖くなるからいうな

「大丈夫だよ」なんでやねん


震える子供たち。落ち着いているユキ


静寂が突然やってきて…


「中にいったぞおっっー!!!」


悲鳴があがる。僕は‘死神の鍬’を握る

持ち手のところが焦げていて分かりやすい僕のパートナー。攻撃力・材質は普通、だがそれが良い!


他の子供たちを、ユキを見渡す。鍬を強く握り外へ飛び出した


数秒か…数分かわからない…

最初の1頭はゆらり優雅な歩みで暗闇から表れた

漆黒の毛皮は篝火で照らされたところだけ鈍い蒼に光っている


目があった気がする…

嘲笑われたような気がする…

警戒もしないで間合いをつめソイツは僕に飛びかかった


正面から自分の正中線をなぞる弧で僕は鍬を振るう。全力で


グチャリとした手応え。僕の頭上を何かが飛んでいく


愚かにも僕を襲ったモノは目の前に頭蓋を潰され倒れている


愚かにも全力を奮いすぎた僕の後ろに鍬の刃が転がっている


‘死神の鍬’→しにがみのぼうになった!


獣たちのうなり声が暗闇から聞こえる










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