PROLOG
とある配信者さんのリスナーさんが創作した物語をご本人様の許可のもと私の手でリメイクさせて頂きました。なお、原文は後書きに記載させていただきます。
今回は連載式にしてみました。これもまた初挑戦なので至らぬ節々があるかもしれません。暖かな目で見ていただけるとありがたいです。
〜登場人物〜
影山-カゲヤマ
蜂谷-ハチタニ
白神-シラカミ
「最近何も楽しいことなくねぇ?」
俺こと影山はスマホの向こう、高校の仲良し二人に問いかけた。
『んー、まー、たしかに?』
そうのんびり口調で返したのは蜂谷。いつもぼんやりしているが、いざという時に頭の回転が速い。意外と頼れる存在だ。
『リモート授業になってから外出する機会もすっかりなくなったもんな!!』
そうはきはきした口調で返したのは白神。いつも元気で明るい。若干頭のネジが外れている面もあるが、それが彼の面白い所だ。
「な、コロナとかいう腐ったウイルスのせいで俺らのハイスクールライフもつまらんものになっちまった」
『ねー、さすがにこうも暇続きだと、ゲームも飽きちゃうよねー』
俺と蜂谷はため息混じりに言った。
『なぁなぁ!!そんなに毎日つまんねぇか!?』
その直後白神の大きな声が画面より鳴り響く。
「なんだよ急に大声出すなよ、白神ぃ……」
『んー、さすがに今のは耳に来たねー』
いつものようなノリで会話していく。でもいつもと違うことを一つ挙げるとしたら、白神がいつにも増してハイテンションだということだ。
『何ぃ、白神は毎日楽しいのー?』
蜂谷が問うと白神は通話越しでも満面の笑みが見えそうなほどの明るい声で返してくる。
『あぁ!!楽しい!!そして面白いんだ!!』
「何がそんな楽しくて面白いんだよ、俺にも教えてくれよ」
今度は俺が問うと白神はまた先程と同じトーンで返す。
『ボク、本当にすごい力を手に入れたんだ!!』
その返事を聞いた俺と蜂谷は一瞬の間を置いて吹き出した。
「あぁ、なるほどな、『秘めたる力ごっこ』な」
『白神の十八番だもんねー』
「もう笑わせんなって」
『お腹痛いー』
二人で笑いこけていると白神は不服そうな声を漏らした。
『なんだよー、お前ら信じてないなー!?』
これもまた口をとんがらせている白神の顔がありありと想像できた。
「はははは、ごめんごめんって」
『今回は何の力を手に入れたのー?大風ぇ?それとも稲妻ぁ?』
俺と蜂谷は大層なことを考えず、いつもの白神をあしらうように続けた。
『んー、あ!!お前ら暇なんだろ!?明日、山行こうぜ!!』
一瞬の沈黙が通り過ぎ、蜂谷が口を開く。
『あのー、僕の質問聞いてたー?』
蜂谷の呆れたようなジト目が目に浮かんだ。
『いやいや!!お前らには直接見せてやってもいいかなって思ってさ!!』
白神はどこかワクワクした声色だった。
『まるで本当に何かしらの力を手に入れたような言い方だねー』
「まぁ、白神は演技派だからな、客がいないと盛り上がるもんも盛り上がらねぇって話だろ」
『じゃあ決まり!!』
その後、どうせなら朝日でも見に行くか、という話になり、明日の早朝、一番近くの山の展望台まで行くこととなった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!!
今回の本文と対応する部分の原文と少々の変更点を記載させていただきます!
〜原文〜
ある高校生がいた
その高校生はとあることをしていた
高校生は新型コロナウイルスのせいでリモートになっていた
ともだちと通話で森で遊ぼうとしていた
〜私が書くにあたり変更させて頂いた部分〜
「森」を「山」にさせて頂きました。
次回もお楽しみに!!