第3話 泥女
ついに別れのときが来た。ヘイツは奴隷として売られていく。だがヘイツは逃げ出すつもりだ。俺も一緒に行きたかったが、ヘイツはひとりで行く気だ。泥女と俺は残されることになった。
まったくここはひどい世界だった。マルドゥクという神に頼まれなくても、俺は躊躇なくこの世界を滅ぼすだろう。だけどどうやって世界なんか滅ぼせるんだ?
「キリス、荷車が来た」
「そうか。行こう」
あれから俺たちはブドウの実を集めるだけ集めていた。山の斜面にかなりのブドウを接ぎ木して増やしていたんだ。今年収穫がすんだら、さらに修道院のそばにブドウ畑を増やしていく。
「今年最後の収穫だ。こいつは丁寧に皮を取って絞ろう」
「ブドウの皮を取るの?」
「ああ。白ワインといって、コクはなくなるがスッキリとしたいい味になる」
「ふうん」
泥女はよく働いた。泥だらけで汚いので果実絞りはやらせられないが、搾りかすを運んだり樽を運ぶのを率先してやっていた。
「酒はできそうか?」
へイツが呆れたように聞いてきた。へイツはワインを詰める陶器の瓶を集めたり、瓶に文字を書いたりしてくれている。オーガスタ産のガルニエワインははやがてウインデル中に知られることになろう。
「ああ、いい感じだ。飲めるのは本来なら二次発酵が終わるまでで約半年といったところだが、やつらには二年かかると言ってある」
「じゃあ、俺がいなくなる前に飲めるな」
「文字を書けるのはへイツだけだろ?ずっとここにいるわけにはいかないのか」
「新しく入って来たミリンダという修道女が字を書ける。もう俺は用済みだよ」
「そんな…」
「心配するな、キリス。俺はみすみす奴隷や鉱山には売られない。ぜったい逃げ出してやる」
「じゃあ俺も」
「ダメだ。ひとりの方が逃げやすい。村を出られても野山には魔物や魔獣がいるし、盗賊もいる。仲間を連れていたらすぐに見つかる」
俺はやがて来る別れを思い、肩を落とした。
「だけど俺は絶対生き延びてやる。そしてお前とまた会う。ウインデルっていうこの国の王都で待っているよ」
「必ず行くよ」
少年たちは固く誓った。もっとも俺は中身は二十八歳だけどな。
「ところで行商人が変なものを運んで来たんだが」
「変なもの?」
「ああ、陶器の壺に入れられたものだ」
「あっ!やっと来たか」
「何なのだ?そんなに喜ぶなんて、よっぽどいいものなのか?」
「まああんまりいいもんじゃないけどね」
「なんだそれ」
商人が運んできたのは鉱山で出る硫黄だ。火山の近くで採れるそれは、燃やすと二酸化硫黄となってワインの防腐剤として使える。こいつを添加することでワインの寿命を大幅に伸ばすことができる。それは長距離輸送ができるってことだ。ちなみに二酸化硫黄は別名亜硫酸ガスといって有毒だ。
「硫黄を燃やして気体を水の中に通す。その水は防腐剤として使うんだ。まあ加水されているが毒には変わりないけどな」
「そんなものを酒に混ぜて平気か?」
「量の問題だ。ごく少量なら問題ないよ」
「まったくおまえは不思議なやつだ。そんな知恵、どこで覚えたんだ?この修道院には本もないのに…」
「神の思し召しさ」
「嘘つけ」
へイツはキリスを三歳のころから見て来た。目が違った。なにかをじっと観察する目だった。文字を教えるとすぐに覚えた。それはすべてにいえた。頭がいいとかじゃなかった。まるですでに知っていたかのような感じなのだが、いつも初めて知ったかのようにふるまっていた。最初は気持ち悪かったが、接してくうちに他の人間にはないものがあると気がついた。それは何というのだろう?嘘偽りや飾りない真っ正直な心。こんな世界に生まれて来たのに。そしていつしかヘイツも変わってきていた。あんなに悪童だったのに…。
年も明け、ヘイツの身の振り方が決まったらしい。ジャルジーナという町があり、そこで来月、奴隷市が行われる。そこで売られるのだ。奴隷となって売られればもう二度と会うことはないだろう。よっぽどいい主人に巡り合うならともかく、この世界じゃ奴隷は消耗品だ。酷使され、すぐに死ぬか主人の気まぐれで殺されるか、だ。
「明日の夜、俺は逃げ出す」
「やっぱり俺も行きたい」
「うれしいが、それはやめてくれ。絶対失敗したくない」
「わかってる」
「キリス、今までありがとうな。おまえがいなかったら俺はとうに餓死していたか絶望して自殺していた」
「大げさだよ、ヘイツ」
大げさなんかじゃない、という風にヘイツは大きく首を振った。その眼には涙がいっぱいたまっていた。
「泥女を守ってやれ。あいつはお前しか目に入らない。いつもあいつはお前を見ている」
「監視しているんだよ」
「そういうことにしておこう」
「へイツ、これを持っていってくれ」
「なんだ?」
革袋にずっしりと重いものが入っていた。革ひもを解くと中に金貨がかなり入っている。
「これ、どうした!」
「小さい頃から毛皮や肉を売って稼いで貯めた金だ。おまえにやる。だがくれぐれも人に見せるな。ヤバくなったらケツの穴にでも突っ込んで隠せ。それか捨てるなりしろ。いいな」
「いや、もらえない」
「もらってくれ。たのむ」
「キリス、おまえ…」
「さよなら、兄貴」
「うん…」
翌日の深夜、ヘイツは高い修道院の壁を越えた。俺は一晩中、めそめそと泣いていた。
修道院は大騒ぎになったが、ヘイツの行方はわからないままだった。きっとウインデルについたんだと俺は思うことにした。俺はワイン造りの合間、また野山を駆け回るようになった。ヘイツが逃げだしてから俺も逃げるんじゃないかと疑われて修道女に張り付かれていたが、俺のまったく変わらない行動と、泥女の監視の報告でやがてそれもなくなり、自由にできるようになった。
泥女と俺は今はずっと一緒に行動している。山道も難なく歩けるようになった泥女は、何かと俺の役に立とうとした。十四になった冬、俺たちは山の隠れ家でベーコンを作っていた。十四にもなって未だ泥女は泥のついた顔を洗おうともしない。まるで泥の仮面だ。笑うことはほとんどないが、俺と話しているときだけ笑ったりするので顔にヒビが入り、濡らした布でそれを直している。意味がわからん。
泥女は燻製の仕方がうまかった。微妙な火加減で煙を操り、俺が作ったものとは全然違うほどそれはより美味くなった。まるで魔法のようだった。そういえばこの世界には魔法というものがあり、不思議な力を持つ人間が多くいるそうだ。とくに魔導師といって、戦争に特化した魔法使いもいるという。なんにしても俺たちにはまったく縁のない話だ。そんなものがあったらとっくにこんな生活から逃げ出している。
燻蒸を泥女に任せて俺は狩りに集中した。もうすぐフェネリーゼ祭なのだ。孤児院にいるガキどもに腹いっぱい食わしてやりたい。今年はワインをたらふく飲んで修道女たちは俺たちに気が回らないだろうから、孤児のみんなが腹いっぱい食えるチャンスなのだ。
エゼルという鹿のような奴を追いかけていたとき、俺は異変に気がついた。燻蒸している煙が見えないのだ。何かあったと俺はすぐに思った。俺は隠れ家の洞穴に急いで戻った。
「がっはっはっは。こんなとこにこんなもんがあるとはな!」
「兄貴、こっちには毛皮がたくさんありやすよ」
「こっちには肉だ。燻製にしてある肉や魚がたくさんありますぜ」
「おまえ、なんなんだ?」
中年の小汚い男が、泥女の髪の毛をつかんでそう聞いた。
「なにしてる!そいつを離せ。ここのものはくれてやる。だからさっさとここから立ち去れ!」
俺の声に振り向いた男たちは一斉に殺気を放ってきた。俺が弓をかまえているのを見ると、中年の男は泥女を盾にしようと髪の毛をつかんで起こそうとした。泥女の髪の付け根からみるみる血が噴き出した。
「おまえらっ!そいつに何したっ」
「落ち着けよ、ぼうず。なに、ちょっと騒いだんで頭をほんのすこーしぶん殴ったんだ。命まではとらねえよ」
そう言って三人の男たちはナイフを抜いた。ひょろ長い男のナイフは長く、剣のようだ。
「いいから出ていけ」
「そうはいかねえ。俺たちは兵隊に追われてるんだ。カルネというせこい村を襲ったんでな。まったく、なんにもねえくせに騒ぎやがって」
「兄貴、それ以上はまずい。こいつがしゃべったら追手が」
「来やしねえよ。こいつがしゃべるわけがねえ」
ああそうね。殺る気満々ってわけだ。いいでしょう。お相手しましょう。こちとら自衛隊の精鋭のレンジャーだ。レンジャー仕込みの殺人術をお見せしよう。俺は弓を捨てた。
「へえ?こいつあきらめちゃったよ、兄貴」
「でかくてもまだガキなんだろう。人殺しできる根性なんかあるもんか」
「俺に殺させてくれよ」
「騒がれんなよ。泣かれたら耳についちまうからな」
「わかってるけどよ、そうじゃなきゃ面白くねえ」
「ちっ、変態が」
剣のように長いナイフの男が俺に向かってきた。俺は後ろ手で背中の腰につけてあったナイフを抜いた。俺は剣道の心得もある。高校のときはインターハイまで行った。まあ、ケンカがバレて出場停止になったけどな。男のナイフが俺をかすめたが、俺は全然気にしなかった。見切っている。遅すぎるのだ。こんなんなら妹の竹刀の方がもっと早い。俺はそいつの肘の健をさっくりと切り裂いてやった。
「ぎゃあああっ」
痛みより恐怖だろう。だらんとなった腕がぶらぶらするのをそいつは必死に押さえていた。ついでに足の膝も切ってやった。これで無力化一名。
「このやろう!」
もう一人の男が俺にナイフを突き刺そうと突進してきた。不意打ちならいざ知らず、直線的な攻撃をするのはどう見ても素人だ。ナイフという破壊力はないが小回りの利く武器は、変幻自在に繰り出してこそ効果がある。もちろん一撃で相手を殺すこともできるが。
「ひゅっ」
男ののどが鳴った。首の気道を切ってやったのだ。太い血管は避けたから血は出ない。だが息が漏れてしまう。必死に男はのどを押さえていた。もう戦意はない。無力化二名。
「ナイフを捨てろ!」
兄貴分らしいその中年の汚い男は泥女の髪をひっ捕まえ、喉元にナイフを押し付けていた。見てくれよりかなり素早そうなそいつは俺の投げるナイフを見て躊躇なく泥女の首を切り裂くだろう。もっとも俺の投げたナイフは確実にそいつの眼を貫くが。
「待てよおっさん。話し合おう」
「うるせえっ!ナイフを捨てろ!こいつをぶっ殺すぞ」
「わかったよ。捨てりゃあいいんだろう?」
俺はナイフを捨てた。男はにやにやと笑っている。
「よーし、じゃあこっちへ来い。ゆっくりとだ。そしてひざまづけ」
俺は背中にもう一本ナイフを隠し持っている。近づけば近づくほど殺すチャンスは生まれる。
「もっとこっち来い。ちきしょう、すぐには殺さねえ。まずこの女を殺す。切り刻んでからお前だ!」
「た…たす…け…て」
泥女が小さい声でそう言った。
「なんだ?命乞いか。助かりたいのかよ、汚ねえメスガキ」
「お金…あげる…かく…してる」
「ああ?なんだって?金?聞こえねえぞ!」
男が泥女の髪を持ち上げ、口元に耳を寄せた。ガリっ、という音がした。
「ぎゃああああああっ、いでえええ」
泥女が男の耳を噛みちぎっていた。
「ぺっ、ざまあみろ!」
泥女が男の耳を吐き出してそう言った。なんなのこの子?恐い。
「てめえええっ」
男のナイフが泥女に向かう。それが届く前に俺の投げたナイフが男の右目に突き刺さっていた。
「ひっ」
昏倒したようだ。だがまだ殺してはいない。眼球はダメだが脳に損傷はないはずだ。動かさなければ助かるのだ。止血と消毒のできる所に運んで行ってナイフを抜けばいい。俺はやらないけど。
「まだ生きているよ、キリス」
フラフラと泥女は立ち上がると、ゆっくりその男のそばに行き、そして倒れている男の眼球に突き刺さったナイフの柄を握ると、えぐった。
「コハッ」
不思議な声だった。だが全身をけいれんさせているので、それは断末魔だとわかった。あーあ、泥女のやつ、殺しちゃった。それはまったく躊躇なく殺したのだ。恐ろしい。
泥女の膝が折れた。力尽きたみたいだ。俺に抱えられて荒い息をしている。
「どこか殴られたか?」
「頭だけど、大丈夫」
「大丈夫なもんか。血が出てるじゃねえか!」
俺は水桶と綺麗な布を隠れ家から持って来て、泥女の額の傷を洗った。この世界でなにが恐ろしいって、破傷風ほど恐ろしいものはない。それは死を意味するのだ。
「痛っ!」
「我慢しろ。いま洗っている。傷口をきれいにしないと死んじまうぞ」
泥女の顔の泥がみるみる洗い流されていく。傷口の出血は止まったみたいだが、泥と血はなかなか落ちなかった。とくに口の周りの、男の耳を噛み切った時の血が痛々しい。なるべく丁寧にふき取る。
「え?」
おどろいた。こいつの素顔をはじめて見た。えらい美人だった。いや、ものすごい美しい顔をしていた。
「見ないで!」
「え?なんで」
「見られたら、あたし娼館に売られる。じゃなかったら犯される」
「俺がそんなことするか!」
「あんたはしないけど他のやつらが」
「わかった」
俺は布を細く切り、泥女の綺麗になった顔に巻いてやった。なんだかミイラみたいで恐い。傷口からまた出血してきたようで、痛々しさと不気味さの迫力が出てますます恐くなった。
「泥女じゃなくて包帯ちゃんだな、こりゃ」
「変な名前」
「ああ、じゃあそうだな…。ミイラみたいだからマミー、っていうかえーと、そうだ、おまえの名はマミ、そうだマミにしよう」
「マミ…。いい名前」
「じゃあマミ、立てるか?」
「うん」
「おまえは今日山賊に襲われて顔をナイフでぐちゃぐちゃにされた。だからずっと包帯を巻いていろ」
「わかった。ありがとうキリス」
「じゃあ帰ろう、包帯ちゃん」
「マミでしょ!」
「そうとも言う」
「バカ」
そう言ってマミは俺の手を握った。いやいやいや、こいつの素顔を知ってしまった。えらいこっちゃ。これから先、俺はこいつの前で冷静でいられるのか?そっちの方が心配だ。
他の二人はとうに消えていた。逃げたらしい。まあいいか。どうせこの山にいる魔獣に喰われるだけだろう。俺はマミと山をおりた。途中、俺の罠に引っかかっている男たちがいたが、見て見ぬふりをした。修道院に帰ったら大騒ぎになった。マミが襲われてケガをしたからではない。山賊が出たというので、だ。だからマミは手当てもされず放っておかれた。おかげでマミの顔を見られずに済んだが。
ワインの出荷ができるようになると、村全体が活気づいた。村でもワインづくりを始めるという。いつかこの村がウインデルの一大ワイン産地になるだろう。まあその頃には俺は鉱山で亜硫酸ガスにやられてのたうち回っているだろうけどね。
年が明け、俺とマミは十五になった。
「あんたたちの面倒を見てくれるところが決まったよ」
院長から呼び出され、いきなり言われた。ヘイツ以来、逃亡を恐れて事前に通告するのをやめたのだ。
「ワインづくりはどうする?」
「全部あんた抜きで出来るよ。心配せず鉱山で働きな」
「やっぱそこね。あー、退職金とかないよね?」
「なに言ってんだ。わけわかんないこと言ってんじゃないよ。まあ明日出発だから、地下室でゆっくり寝な」
「やれやれ。こんなに稼がしてやったのにね」
「そうだね。だからお礼をしてやろうってんだよ。おまえを監視させていたあの小娘も明日売り飛ばされる。もっともあんな醜いんじゃどこも引き取ってくれないから、北の国の商人に奴隷としてね。おおかた悪魔の生贄にするんだろうが、知ったこっちゃないよ。今夜おまえと一緒に地下室に入れてやる。せいぜい楽しみな」
「ほんとに腐ったやつらだな」
「何とでもお言い」
俺は地下室に連れていかれ、窓もない小さな部屋に入れられた。ほどなくマミが連れてこられると、俺とマミは一緒にされた。
「顔さえ見なけりゃいい体してんだから天国に行けるよ、いっひっひっひ」
下卑た声で笑う修道女たちが地下室を出ていくと、俺とマミは少し笑った。
「よう、北に売られたんだって?」
「あんたは鉱山でしょ?」
「いままでありがとうな」
「なにそれ、お別れみたい」
「どう考えたってお別れじゃねえか」
「そうね。もう会えないのかな」
「売られちまえばね」
「好きにしていいよ、キリス」
「え?」
「あんたなら。だってあたしの夫になる約束でしょ?」
「そうだけど、まだ俺たち十五だし」
「そういうの関係あるの?こんなときに」
「こんなときこそ大事なんです」
「意味わかんないわ」
「じゃあ相談。一緒に逃げませんか?」
「え?」
「とっととここからおさらばしようっての」
「できるの?そんなこと」
「ああ。ずっと準備してたんだ」
「うそ。あたしの目を盗んで?」
「寝るときは別々だったでしょ」
「そういえばそうか」
「どうする?」
「連れてって。嬉しいよ、あたし。たとえ捕まっても」
「つかまりゃしないさ」
俺は懐から皮の包みを出した。
「なあにそれ?」
「火薬さ」
「火薬?」
「ああ。便所の土からとれる硝酸と、そして硫黄と木炭。黒色火薬って言うんだぜ」
「ふーん、なにするの?それで」
「この扉をぶち破る。そして俺たちは自由になる」
「そんな力があるの?その小さな包みに。それって魔法?」
「魔法か。まあある意味魔法かもね」
「キリス」
「なんだ」
「自由って言ったね。なにそれ」
「何者にも縛り付けられないってこと」
「ふうん。でもあたしはあんたに」
「はいはい。いまはそんなこと言ってる場合じゃないよ。さあ、ぶっとばすか」
俺は火薬の詰まった革袋を握りしめた。俺はこれから歩き出す。そのときが来たのだ。
俺たちはこの修道院から逃げ出す。自由になるために。そのために準備はしてきた。もう後戻りはできない。俺とマミはこいつに明日を賭けるのだ。
次回は、『裏切り』です。