Vol.7 四人の教官
《第3話 4人の教官》
アーロン皇子が444号室を出たのを確認した後、今まで全く喋っていなかった四人の男のうち、黒い肌の髭モジャモジャのおっさんが口を開いた。
「私たちは教官です。あなたたちが"真の四天王"になれるように全力で教育します」
「そんなことよりあなたたちは誰なんですか。自己紹介もしないで生意気な」
高校を自主退学し、自殺した山口沙里が言った。
「あっ、そういわれれば自己紹介してませんでしたね。私はロジャースと言います。南原くんを指導します」
すると、ロジャースの横に立っていた別の男たちが、
「私の名前はマレー。主に錦本さんを教育します」
「僕はゲレンです。ダムで働いています。山口さんを指導します」
「俺はギラ。住野さんを担当します。住野!よろしく」
と順に自己紹介した。
「なぜ、僕たちは四天王なんですか。普通に過ごすことは出来ないんですか。僕たちは一体何やらされるんですか」
南原はそう言ったが、彼のモゴモゴとした話し方を誰も聞き取ることができなかった。
「何か、言いました?」
と思わずギラがいった。その時南原はなぜ聞こえなかったんだろうとクエスチョンマークを浮かべながら、
「いや、何でもないです」
と言った。するとロジャースが、
「まあいいでしょう。取りあえず今日はここで一晩を過ごしてください。明日から早速指導をします。集合場所を言っておきますね。南原くんはタバレス宇宙研究所のアース・パーク、錦本さんはタバレス国立大のマレー教授の研究室、山口さんはタバレス第1ダム、最後、住野くんはタバレス1丁目消防署にそれぞれ来てください。集合時間はそれぞれ10時です。時間厳守でお願いします。場所が分からない時はタクシーを使ってください。一応タクシーの電話番号もそこに置いておきますね」
と言い残して4人は部屋に出た。