Vol.2 ダークサイド・ダークネス
《第2話 ダークサイド・ダークネス》
彼女は高校を自主退学した。彼女は人付き合いが幼い頃から大の苦手で、一人になる時間が欲しかった。しかし、高校生活というものがここまで苦しいこととは思っていなかった。
最初は友を作ろうとして積極的にクラスメートと仲を深めようと努力してきたつもりだった。だが、彼女の人見知りで臆病な性格が働いてしまい、だんだんクラスメートと距離を置くようになってしまった。しまいには今まで仲が良かったはずの女子からも悪口を言われ、いつしかいじめの対象になってしまった。
そこからいじめはどんどんエスカレートしていって、彼女は「幸せの場所」であったはずの学校が嫌いになってしまっていた。
そして彼女は不登校になった。さらに彼女は自主退学までしてしまった。
ついに彼女はなぜこうなってしまったかを考えた。
その理由がわかった。
「私がいるからダメなんだ。私なんかいなくなればいい」
運良く、今日は彼女の両親とも仕事で家にはいない。
「今まで辛かった。」という趣旨の遺書を残して、彼女はベランダに出て自殺を図った。
夜8時、今、その瞬間に彼女の人生は終わる。そう思っていた。
彼女は勇気を振り絞って6階から身を投げた。通行人が彼女が落ちていくところを見て、通行人が119番通報したのは良かったが、消防が駆け付けたときにはもう彼女は消えていた。
しかし近くにあった防犯カメラに彼女が魔法陣のようなものに吸い込まれていくのが見えた。