Vol.1 Recall
【第1幕 転生】
《第1章 四天王の出現》
《第1話 Recall》
平日の昼下がり。二人の社会人が駅前に新しくできたラーメン屋で昼食をとっていた。午前中は営業で忙しかったので、ラーメンの深い味が身に染みる。冬も本格的になり、今度からはこのラーメン屋に通おうと思った。
「また来ような」
と会社員の1人が呟いた。
「アキヒロ、お前は醤油ラーメンが好きなんだな。」
と一緒に来ていた同期の北川がいう。
好物のラーメンを食べるという、至福の時間を過ごし、会計を済ませ外に出た。
時刻はもう13時35分。昼休みの時間があと残り5分と迫っている。会社までは10分かかる。
「ヤバイ、もうこんな時間だ。急がないとな。」
2人は走り出した。会社まであと少しのところにある交差点のところで事件は起こった。
間違いなく、信号は歩行者側が青だった。アキヒロは渡った。
その時、北川は右方向から車がスピードを落とさず走ってきているのが見えた。
「危ない!」と北川は大きな声で叫んだが、遅かったようだ。
鈍い音と同時にアキヒロの体が宙を舞った。
身体が地面にぶつかる寸前、アキヒロは地面に吸い込まれていった。