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人間抹殺システム

作者: さきら天悟

「 こいつ、嫌いだな」

独り言としては凄みのある声を男は発した。


画面の男は古市氏だった。

古市憲寿。

コメンテイターであり、作家。

芥川賞候補になっている。

嫌いな人は多いという。

中でも「小説家になろう」の作家は良いようには思っていないだろう。

それは、テレビで売れているから、直木賞候補なったのだと思って。

でも、みな、本は読んでいないだろう。





「本当に抹殺できるのか?

高い金、払ったのに」


男が呟いた直後だった。

古市はテレビ画面から消えたのだった。

男はただ茫然と画面を見つめていた。


ハッとした。

既に10分が経っていた。


「そういえば・・・

前に録画した番組に・・・」


男は古市氏が出演していたテレビ番組を再生した。


「本当に抹殺・・・」


彼はその古市氏が出演した番組、録画した番組を確認した。

いるべき場所に古市氏の姿はなかった。

男は一つ頷いた。

本当に古市氏が消えたことを理解したように。


「古市を完全に抹殺してやった。

過去も現在も、そして未来も」


そして、彼はニヤリとした。

40歳になっても、毒舌の古市氏を罰したような気持になって。




ここで映像が切り替わった。


「これが最新フィルタリング機能です」

古市氏が登場し、解説を始めた。


「これまでは好きな芸能人を登録したり、

よく見ている番組から自動的に認識し、

ハードディスクに録画していました。

しかし、最近は著しくニーズが変わりました。

嫌いな芸能人を絶対、見たくない。

僕のように」


効果音のような笑いがあがる。


「さらに凄い機能があります。

映画、ドラマなら自分の好きな俳優に置き換えることができます。

超高度AIテレビ、お値段230万円いかがでしょうか」




202X年、古市氏は自分が出演するCMを製作し、

テレビショッピングにも進出していた。

これは、自分の気に入らない意見を持つ人を抹殺する風潮がある現代社会への警告のつもりです。


古市憲寿様へ

勝手に登場させてすみません。

いつも本は図書館で借りていますが、

ちゃんと買ってきます!

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