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シスコンとか。

なんだか小説を投稿するのが久しぶりな気がします。連載の方も頑張りますので皆様、応援のほどよろしくです!

 シスコン――正式名称をシスターコンプレックス。意味としては女姉妹に対して強い愛着、執着を持つ状態のことを指す。世間一般ではシスコンは気持ち悪いというイメージが出来上がっているみたいだし、実際に異性の兄弟同士は冷めた関係が多いらしい。しかしシスコンの何がいけないのだろうか。そこの君に聞いてみたい。


 兄の、弟の初恋の相手は姉や妹でもいいのではないだろうか。いや、いいのだ。


 まぁここまで姉妹に対する強い感情を抱いている俺自身も、自他共に認めるシスコンだ。俺には自慢の姉妹がいる。いざという時にすごく頼りになる姉に、兄である俺に対してどこまでも優しい妹。


 この話はそんな俺たちが織りなす話なのだ。




 ここは何処にでもある両親が海外へ長期出張中の家。家の外装は綺麗で、建ってからあまり年月は過ぎてはいないだろう。また、隣近所には同年代の女の子の家があるという普通っぷりなのだ。


 そして、この家の住人であり、おそらくこの話の主人公であると思われる俺―河原良太はまだ布団の中で夢を満喫していた。


 現在時刻は朝の6時を少し過ぎたくらいで学生の身分はまだ寝ていても問題はない。


 コンコン


 ……。


 部屋のドアを誰かがノックする音は聞こえる。しかし俺は眠っている(はず)からどうすることもできない。むしろどうするつもりもない。俺を静かにこのまま眠らせて!


 ガチャ


 しかしそれは叶わない。一縷の夢幻のようなものだったのだ。


「―さん、兄さん。起きてください」


 俺を呼ぶ声と同時に体をゆすられた。妹の河原ほのかだろう。可愛く優しい自慢の妹であり、最近では色気まで出てきたという素晴らしい妹っぷりを発揮してくれている。そして今の状況、正しく定番の妹に起こされるという朝、素晴らしい。素晴らしい。……大事なことなので2回言いました。


 しかし、俺は簡単には起きてあげないよ、マイシスター。ここはもっとだな、頑張って起こしつつ、そんな兄の上に乗ったり困ったりして愛らしい妹らしさをアピールしなくちゃ。


「もう兄さんたら」


 む、あきらめ早くないか。仕方ない、優しい兄が助け船を出しましょう。


「あと5分〜」


 この完璧なまでの定番のセリフにより、ノリのいいほのかのことだ、妹らしさを要求されていると察して、妹的プリティーな起こし方を実践してくれるだろう。


「あと5分て……。じゃあ、あと5分したら来てくださいよ」


「えっ!?」


 速攻で飛び起きる。しかしほのかは移動するわけでもなく、俺のことをじっと見ていた。つまり騙されちゃったのだ。


「おはようございます、兄さん」


 ほのかはしてやったりという顔で俺に挨拶をする。くぅ、やられた。やはり高校1年生になったからには去年までのようにはいかないということか。恐るべし、高校生と中学生の差!


「おはよう、わが可愛い妹よ。今日も一段と素敵じゃないか。俺が兄じゃなかったら襲ってるぞ」


 とまぁ、半分冗談、半分本気で言ってみる。言われた本人は面白いことに顔を真っ赤にしてあたふたしている。もう、可愛いんだから愛い奴め。こんな姿見たら騙されたことなんて忘れちまうぜ。


「と、とにかく起きたのなら着替えてリビングに来てください。朝食の用意ができましたから!わ、私は先に行ってます!」


「え?着替え手伝ってくれないの?」


「〜〜〜!?」


 ほのかは茹でダコのような顔のまま、急いで部屋を出て行ってしまった。もう、照れ屋さん☆


「とまぁ、着替えるとしますか」


 そうして俺はハンガーにかけてあったワイシャツに手を伸ばした。




 着替えて朝食が用意されているリビングに着くと、何やらとてもいい香りが。テーブルの上には甘そうでふっくらしている卵焼きや、匂いで空腹を誘ってくるスープなど、色とりどりだ。


「む、おはよう、良太」


 そしてソファで足を組みながら新聞を読んだ状態で俺に挨拶をしたのは我が姉、河原姫花。男だったら絶対に放っておくことができない美貌で、腰にまで伸びている黒い綺麗な髪がさらに美しさに磨きをけている。


「おはよう、姉ちゃん。それはそうとほのかに朝から全力で萌えちゃった」


「うむ。起こされる時は可愛い妹というのが定番だからな。そのあたりは察してやるさ」


 さすが姉。よくわかってらっしゃる。


「あ、兄さん」


「おお、ほのか。着替え手伝ってくれてもよかったのに」


 と、茶々を入れてみる。しかし、ほのかは少し動揺しただけで俺を無視した。なんか可愛いけど無視されるのはすごい嫌だ。と、いうわけで。


「無視するなんてひどいぞー!えーい」


 抱きしめてみた。


 見る見るうちに顔が赤くなるなるほのか。超可愛いなぁ、舐めてみてもいいですかね?


「舐めるのは駄目だぞ、だが、舐めさせるのは可だ」


「な、ナニをっ!?」


「さて、何をだろうな」


 艶やかな目と唇で俺をとらえる我が姉。やべ、鼻血吹き出しちゃうかも。


「に、兄さん!そろそろ放してくださいよ!」

 そして俺の腕の中でキュートに騒ぐ妹。なんか胸の感触とか超分かるんですけど。超柔らかいんですけど。超素晴らしいんですけど!


「ま、冗談はさておき、朝食にしよう」



 俺達は毎日こんな感じで朝を迎える。


 それはなんていうか幸せ……いや、超幸せの時間。


 ほのかの作ってくれた料理を食べながら、姉さんの美談を聞く。そして頬が緩みまくっている俺。


 そんな俺達の幸せな毎日。



 シスコンも悪いものじゃないんだぞ。愛ゆえなんだからな!

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― 新着の感想 ―
[一言] いや〜凄い面白かったです。 続き楽しみにしてます
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