詩集 1
《囚人希望》
拳を突き上げ足を踏み鳴らせ
さあ
解き放つんだ
所詮こんなもんだと諦めるなら
泡沫に消え去る真夏の夜の夢でも
みようじゃないか
さあ さあ
所詮消える夢
人の性は刈り取れりゃしない
因果は巡り繰り返される
さあ さあ さあ
始めよう
綺麗になんて生きなくていい
振り返るのは駆け抜けた後でいい
泥水を啜り 闊歩したるは
己が道
絞首刑台までまっしぐらの
人生だろうが
望んでみせればあっぱれだ
ぐらつく感情を分離して
狂気を纏った笑いを響かせろ
さあ
自分自身を生きてみせろ
《君への願い》
ひとひらの雪に蘇る想い
幸せを願ったのはいつだったけ
かじかんで背中を丸めてる君は
春を待ち
彼がいた季節を懐かしむ
古びた記憶のドアを開けて
偽りの記憶を混ぜてはいけない
弱くてもいいんだ
過去を認めてごらん
明日なんか来なくてもいいなんて
思わないで
いつか哀しみは溶けていくから
その下で春を待つものが芽吹くよう
君の笑顔が花開くようにと
僕は願っているよ
お読み頂きありがとうございます。
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