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エッセイ

今さら確認するまでもなく、「作品に対する批判、批評」と「作者に対する誹謗中傷」とは、まるで別種の行為です。

作者: (=`ω´=)

 少し前に自分の感想欄に悪質な書き込みが続いたので、はじめて「なろう」の運営さんに「しかじかの規約違反を人たちがいて困っているですけどぉ」的な、いわゆる「規約違反報告」をさせていただきました。

 どの規約に違反していたかというと、第13条と第14条あたりで、ようするに本来ならば作品の感想を書き込むべき欄で明白に他者を誹謗した内容を書き込んでいる人たちがおったわけですな。

 一応、複数の名義で時間をおいて書き込みがなされているのですが、内容に共通性があることと、それに、少し前までにはそうした書き込みがほとんどなされていなかったのに、ある時期を境にして数日とおかず同じような趣旨の書き込みが来るようになったこと、以上二点の根拠から、同一人物が複数のアカウントを駆使しての嫌がらせではないのかという疑惑を抱いております。

 規約違反を通報した際に、「同一人物による嫌がらせである可能性もあります。そちらについても調査してください」的な趣旨も伝えてはいるので、との調査と処分については運勢さんに任せてその判断を待つだけですね。

 一ユーザーであるわたしができるのは、不届き者の存在を運営さんに報告するところまでで、それ以降のことは運営さんの裁定に委ねるべき事案になります。


 笑っちゃうのは、

「先日まとめて規約違反の通報したし、これからもなにかあれば遠慮なく通報するからね」

 的な趣旨の内容を感想欄の返信に書き込んだら、それまで数日とおかずにあった嫌がらせ的な書き込みがピッタリと止んだことですな。

 自分が疚しいことをしているという引け目と自覚がなければ、こうした反応にはならないはずなんだけどねえ。


「悪いことをしている自覚があるんなら、最初からこんな幼稚な真似をするなよ!」

 と、わたしとしては声を大にして主張しておきたいところです。


 今回は、そうした経験から考えたこと、感じたことについて書かせていただきます。


 で、ここからが本題。


 今さら確認するまでもなく、「作品に対する批判、批評」と「作者に対する誹謗中傷」とは、まるで別種の行為です。

 具体的にいうと、前者は、

「やりたい人が自己責任でご自由にどうぞ」

 の世界です。

 が、後者はどう贔屓目に見ても援護のしようがなく、

「ダメ! 絶対に!」

 の世界です。

 いや、リアルでもどこの世界でも、人格攻撃を称揚している場所はないでしょう。

 ただ、現実には、この両者を混同している人が多いのも事実なんですよね。


 たとえば、自分の作品に対して批判的な感想が書き込まれたら、ただそれだけで必要以上に被害者意識を持ってしまう作者の方。

 あるいは、本来ならば創作作品への感想を書くべき場所になにを勘違いしたのか作者の人物評を書き込んでしまうな方。


 これらは、どちらも間違いでしょう。

 作品評は作品評、人物評は人物評。

 この両者は、厳密に分離されるべきです。

 混同するべきメリットなんて、ほとんどありません。

 そして、「作品の感想欄」というのは、人物評を書き込むべき場所でありません。

 常識というか社会的な通念で考えてもそういう結論になりまし、「なろう」の規約でもそうした行為をはっきりと禁止しています。


 まず、特に初心者の作者の方々へ。

 仮に、自分の作品に対して批判的な内容が書き込まれたとしたら、多くの人が落ち込み、怒り、おそらくは感情的になるのではないかと思います。

 そうした感情までを否定しようとは思いませんが、できればその感情に呑まれることなく、そこからもう一歩先に踏み込んで、さらに前に進んで見てください。

 批評や批判は、そうした言説を行った者がどうした意識、意図を持っているのか、いないのかに関係なく、「対象とした作品を的確に評価しているのか否か」という点だけが肝心です。

 悪意を持ってなされたものであっても、的確に作品の短所を指摘している場合もありますし、その逆に、評者は善意に溢れていても、その内容は的外れで作品の本質をまるで理解していない場合もあります。

 そして、書き手にとって役に立つのは、後者であるよりも前者である場合が多いです。


 だから、嫌な印象の感想を貰ったとき、落ち込んだり怒ったりするのはいい。

 いいけれども、そのあとにどうか冷静になって、なんなら時間をおいてからでも、相手のいっている内容にどれほどの正当性があるのか、じっくりと検証してみてください。

 そして、これからの執筆活動に役立てる糧にしてください。

「良薬口に苦し」といいますが、どんな意見でもそれを自分の身にできるかどうかは、結局のところ意見を受け取った人次第です。


 次に、批判、批評を含む感想を書く人たちへ。

 書き込みのボタンを押す前に、念のためにもう一度その内容をもう一度検証してください。

 他ならぬ、ご自身のために。

「なろう」の感想欄は第三者でも閲覧できるようになっています。

 ドヤ顔でトンチンカンな、辻褄の合わないことをいっていたり、あるいは自分の無知を晒すような結果になったとしても、すべては自己責任の世界です。


 ついでに、意識的に、愉快犯的に他者を貶めるような書き込みをする方々へ。

 あなた方にはなにをいっても無駄なのでしょうけれども、一応、いっておきます。

 たとえ物理的な効果を伴わない言語だけのものでもあっても、意図的に誰かを傷つけようとする行為は立派な暴力であるといえます。

 決して褒められた行為ではありませんし、あまり悪質であると「なろう」の規約どころか民事や刑事の刑法に引っかかる可能性もあります。

 名誉毀損や迷惑条例など、証拠を収集して訴えられるリスクが常に存在するのだということだけは、頭にいれておいてください。

 ネット上には意外と証拠が残ります。

 当局がその気になって捜査をすれば、追求の手を逃れられる可能性はほとんどありません。

 また、そうした悪さを続けていたとしても、あなた自身にとってのメリットはほとんどありません。

「ネットで荒らしをしていました」なんて、履歴書に書けないでしょ?

 あなた方が行っていることは、あなた自身も含めた誰にとっても百害あって一利もない、無益なだけの行為であると自覚してください。

 そんなアホな真似からは、さっさと卒業しておくのが無難でしょうな。


 これまでの経験からいわせてもらうと、どうもこの国はなにかと属人性的な傾向が強いらしいですね。

 なにかを批判すればすぐに、

「おれのやることにケチをつけるのか!」

 的な反応、つまり、

「自分が関わった事物を批判すること=自分に喧嘩を売ること」

 みたいにとらえて、すぐに感情的に受けとめる方が一定数存在するようです。

 公私の別、とはまたニュアンスが違うのですが、なにかというとウェットな方向に解釈し、持って行こうとする人が一定数存在するおかげで、まともな批判や批評、あるいは議論というものがなかなか成立しにくい精神的土壌があるのではないでしょうか?


 きちんとした批判や批評が誹謗中傷とは異なるように、きちんとした議論は喧嘩とはまるで違います。

 少し前、別口であるエッセイを書いたとき、

「そんなに喧嘩がしたいのか?」

 みたいな反応を二、三、いただきました。

 いただいた反応の全体数から比較すれば圧倒的に少数であったのがまだしもの救いなのですが、そうして威圧をして異論を封じ込めようとする風潮自体に対して、わたしはかなり大きな不満と違和感をおぼえています。

 さらに正直にいえば、まったく賛同できません。


「堂々と自論を述べる」ことと、

「その考えを他者に強要しょうとする」ことの間には、天と地ほどの差があります。

 いやそれ以前に、ひとそれぞれというか、人間誰しも個別の価値観や思想を持っているのが当たり前なのです。

 そうした人間が数多く集まれば自然と意見も別れますし、場合によっては衝突、摩擦が起こることもあるでしょう。

 ですが、わたしはそれ自体が悪いことであるとは思っていません。

 むしろ、十人十色といいますか、多種多様な、雑多な価値観が混在している姿こそが、自然な「現実」の姿であるのだと思います。


 だからこそ、仮に意見が対立することがあったとしても、感情に流されることなく、社会的なルールを遵守すること、そうすることができる理性を保持しつつ、冷静に話し合いを続けることが肝心であるのだと思います。


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― 新着の感想 ―
 随分と経った作品に対して今さらではありますが、敢えてコメントを。  大人な意見。  ただその感心の一言だけです。
[一言] とても共感出来る意見でした。 私が個人的に決めているルールは「相手が目の前にいても言える事以外は書き込まない」です。 以前個人サイトを運営していた時にきたコメントでとても驚いた物がありまし…
[良い点] 一般常識的には、その通りだと思いました。 [気になる点] しかし、なろうでは、『作品に対する批判、批評』は、作者が『作品に対する誹謗中傷』と認識した時点で、それは『規約違反行為』となります…
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