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五百文字の小説

隣りの隣り

作者: 銭屋龍一

 って、佐藤さんだったっけ?

 えっ、なんだって?

 ? ロタンシ・シクガ・ミツナ・シギネミ・……ンペンタウョチ・ノナキス?

 っか!

 覚えきれねぇよ。おまえよくそんな長たらしい名前覚えてんなっ。


 などと、妻と会話していたのであるが、私が特定したものを、それ、として妻が認識しているということは恐ろしいことで、それはつまり、あれが私であってもかまわないのと同じで、これが私であってもかまわないのと同じで、そんなあんなと考えていくと、すべてが私であってもなんら問題がないのと同じことのように思えてきて、そうなると私である私は希薄になるばかりで、つまりもっとつきつめていくとなにもないことと同じと言い換えてもよいかもしれなくて、つまりその特定された、あれ、について思考され、書かれたものはその意味が、砂塵舞う空に紫の太陽かぼちゃ(ようするにここにならんでいるものはすべてというわけなのだが)かもしれなくて、


 などと、くだくだ思考していると、

「ねぇ、聞いてんの! 夕飯、とんかつでいいのっ?」

 と妻が叫んだ。

 

 で、妻の姿を探してみると、この部屋にはいなくて。

 するとおまえはどこにいるのさ?

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