会議
〜東京某料亭〜
〜6月8日〜
仁達は、無事に本土まで到着したのは、いいが・・・本土でも一悶着あった。
だがそこは、宮様のお力でなんとか・・・落ち着いた。
(いや〜最初に宮様に会えて本当に良かった・・・宮様がいなければ最悪戦争になったかもしれない・・・はぁ〜本当に良かった。
その宮様のご期待に応えねば・・・そういえば、6月8日と言えば第一次近衛内閣が成立したばかりじゃないか・・・だいじょうぶかな・・・。)
『仁!!!!』
『ん?おわっ!!!!』
優が臣を見た瞬間飛びついてきた。
『仁、生きていたのね。よかったわ。』
優が涙声でそう言ってきた。
『優!優・・・ただいまやっと会えた。』
そしてそのまま二人の世界に入るかと思いきや・・・
『仁長官!!!!!!あっ・・・・・』
大声で漁が呼んでいた。そして、自分の空気の読めなさに絶望した。
〜6月9日〜
〜皇室会議室前〜
そこには、仁、優、恋、漁、轟、勝、沙羅、鈴、銀、の9人がいた。
轟と勝と沙羅と鈴と銀は今朝東京に着いたのだ。
『しかし、よくあんな大部隊を引き連れて北海道からここヘ来れたな?』
仁が徐に聞いた。
『あぁ・・・杉山陸軍大臣が近衛総理に連絡して大量の輸送艦を手配してもらったんだ。』
仁の質問に銀は答えた。
『そっか。無事で良かった。』
『ところで、我々はなぜ生きているのだ?そしてなぜ過去の日本にいるのだ?』
轟は真剣な顔で仁に聞いた。
〜〜〜〜〜〜事情説明〜〜〜〜〜〜
『そんなことが・・・・・くっくそ。アメリカめっ!!!』
轟は憤怒の表情でそう言った。
『この未来は繰り返してはならない。だから歴史を変えにきたんだ。きお引きしめろよ!』
『『『『『『『『わかった!』』』』』』』』
そして色々話していると会議室の中から声がかかった。
『仁長官お入りください。』
ついにお呼びがかかった。
『では、失礼します』
〜皇室会議室〜
顔を上げると、関係閣僚と軍の高官らがズラッと座っていた。
昭和天皇閣下
伏見宮 博恭王
総理大臣:近衛 文麿
外務大臣:広田 弘毅
内務大臣:馬場 鍈一
大蔵大臣:賀屋興宣
陸軍大臣:杉山 元
海軍大臣:米内 光政
司法大臣:塩野 季彦
文部大臣:安井 英二
農林大臣:有馬頼寧
商工大臣:吉野 信次
鉄道大臣:中島 知久平
拓務大臣:宇垣 一成
陸軍:閑院宮載仁親王(元帥)沼田多稼蔵(中将)秦彦三郎(中将)植田 謙吉(関東軍司令官)その他10名
海軍:山本 五十六(中将)古賀 峯一(中将)近藤信竹(少将)南雲 忠一(少将)野村 直邦(少将)高須 四郎(少将)その他6名
『伏見宮 博恭王様から聞いているが・・・君が未来から来たという日本人かね?』
仁を見た瞬間、天皇閣下が聞いてきた。
『はい。私は、桐谷仁といいます。で、後ろの8人は右から高木轟、遊楽勝、鞍島銀、桐谷優、福山恋、小村沙羅、木崎鈴、福岡漁です。』
『伏見宮から聞いたが、・・・証拠はあるのかね?』
『はい。これは、未来の電子機器パソコンというものです。そしてこのボタンを押すと・・・』
軍艦行進曲が高音質で流れた。
『『『『『おぉ〜』』』』』
パソコンから行進曲が流れた瞬間、会議室がどよめいた。軍の高官達は口々に「何だこれは・・・」とか「こんなもの見たことが無い」などといいあっている」。
『吉野大臣・・・これを見たことがあるかね。』
『いえこんなもの、今まで見たことがありません。先進国のアメリカやドイツでも作れないでしょう。』
『そうか。仁殿、疑って悪かった。それで、未来の日本はどうなっているのかね?』
〜〜〜〜〜〜〜説明中〜〜〜〜〜〜〜
『・・・・・・・・・』
会議出席者全員が涙を流し、絶望していた。
『皆さん、顔をお上げください!!!未来は変えられます!!!そのために、我々が部隊を率いてやってきたのです。』
『・・・・ありがとう・・・よし!!!皆、顔を上げろ!!!日本を変えるぞ!!!我々、大日本帝国は仁殿らに全面的に協力する!!!いいな、近衛総理大臣!!!』
閣下がそう叫ぶと会議出席者全員が顔を上げ、目に火がついたように燃えていた。
『は!!!閣下!!!では、今は1秒でも時間が惜しいので、仁殿!!!日本の未来を変えるためにどうすればいいのかおしえてくだされ!』
『はい。わかりました。では、さっそく今後の日本の方針を決めましょう。』
『『『『『『うむ。』』』』』』
仁の言葉に会議出席者全員が頷いた
『まず工業面ですが、ドイツから大量に工作機械を買って下さい。それを元に我々の技術者が最新の工作機械を作ります。』
『ドイツから?アメリカではないのかね?』
馬場内務大臣が聞いてきた
『はい。アメリカが売っているのはほぼ自国で使えなくなった中古なので。これを見て下さい。これは今後ドイツが作る兵器の性能です。』
そういって仁が見せたのはアハトアハトやティーガー、メッサーシュミット、ジェット機の性能だった。
『『『『『おぉ〜!!!』』』』』
それを見た軍の高官達は目を丸くして驚いた。
『それと陸海軍で徴兵している技術者、熟練工員、研究者等は直ちに除隊させて現場復帰させてください。』
優が付け加えるように言った
『なるほど。熟練工なら早く良い兵器を作れるからな・・・・』
中島鉄道大臣がつぶやいた。
『はい。アメリカは超大量生産で来ますので・・・そうしないと物量差で押しつぶされますからね。』
『しかし・・・ドイツの工作機械の購入や兵器の大量生産などに金を使えるほど日本の財政は豊かではないぞ・・・』
残念そうに賀屋大蔵大臣がいった。
『それについては案があります。一つ目は、全国に高速道路を建設して下さい。そうすれば、地方経済が活性化し、経済力が着きます。税収も伸びます。後、新幹線の開発をして下さい。こちらからも技術者を提供します。二つ目は朝鮮の開発資金を全てそれらに当てます。』
『!!!!それはどういう意味だ?』
宇垣拓務大臣が驚いたように聞いてきた。
「はい。朝鮮に投資しても無駄です。あの国は、今も未来も日本の邪魔にしかなりません。未来も、日本が莫大な投資をしているにもかかわらず反日闘争が続けられています。そして、未来の日本でも、従軍慰安婦問題などを盾にして、日本領土をかすめ取ろうとしています。ですので、朝鮮に使っている予算をすべて、日本のために使いましょう。ということです。』
『それでは、いっそのこと独立さしてはどうかね?』
天皇陛下が聞いてきた。
『恐れながら閣下、朝鮮を独立さしてしまえば、アメリカが進出してくるのでは?そんなことになれば、いざアメリカとの戦争を始めた時、日本に宣戦布告するかもしれませんぞ?日本人は朝鮮人に少なからず恨まれています。そうなれば、挟まれます。いくら未来の部隊が協力してくれると言っても、米、中、ソ、朝、英、蘭、豪を相手にするのはまずいのではないでしょうか?それに・・・・満州が孤立するのでは?』
真剣な様子で近衛総理が言った。
『それについては、考えがあります。銀!』
仁が銀に説明をさせた
『恐れながら、我々は、未来の世界でも諜報や暗殺など陰の仕事して参りました。ですので、朝鮮で諜報活動をしながらも反日などを掲げる政治家などが現れた場合始末し、親日の政治家を担ぎだします。それに満州の問題は朝鮮北緯38°以北を満州と併合すれば解決です。それに諸外国にも諜報員を派遣して情報収集にあたらせます。』
銀が落ち着いた口調で言った。
『なるほど・・・では、朝鮮は独立させましょう。いいかね?宇垣大臣?』
近衛総理は銀の言葉を聞いて、納得したようで快く了承した。
『わかりました。』
宇垣拓務大臣はしぶしぶながらも了承した。
『では次に、軍需工場の分散・増設をしてください。これについては、私たちが作りました計画書にそって行っていただきたい。』
〜計画書〜
日本本土海軍工廠予定地と航空機生産工廠と陸上兵器生産工場
北海道
大型ドック9カ所
中型ドック15カ所
小型ドック16カ所
陸上兵器生産工場10カ所
航空機生産工廠15カ所
青森県
大型ドック8カ所
中型ドック8カ所
航空機生産工廠7カ所
岩手県
大型ドック7カ所
中型ドック8カ所
小型ドック9カ所
陸上兵器生産工場8カ所
航空機生産工廠9カ所
三重県
大型ドック7カ所
中型ドック8カ所
航空機生産工廠6カ所
石川県
中型ドック6カ所
小型ドック6カ所
高知県
大型ドック6カ所
中型ドック8カ所
航空機生産工廠8カ所
大分県
中型ドック9カ所
小型ドック10カ所
航空機生産工廠8カ所
岐阜県
航空機生産工廠8カ所
陸上兵器生産工場9カ所
奈良県
航空機生産工廠10カ所
陸上兵器生産工場7カ所
群馬県
陸上兵器生産工場8カ所
航空機生産工廠12カ所
長野県
陸上兵器生産工場7カ所
航空機生産工廠8カ所
朝鮮半島海軍工廠予定地と航空機生産工廠と陸上兵器生産工場
咸興
大型ドック4カ所
陸上兵器生産工場6カ所
南浦
中型ドック6カ所
陸上兵器生産工場7カ所
恵山
陸上兵器生産工場9カ所
航空機生産工廠8カ所
慈江道
陸上兵器生産工場7カ所
航空機生産工廠8カ所
新義州
大型ドック5カ所
小型ドック8カ所
陸上兵器生産工場7カ所
航空機生産工廠8カ所
新浦
大型ドック5カ所
中型ドック4カ所
陸上兵器生産工場3カ所
航空機生産工廠2カ所
利原
大型ドック5カ所
小型ドック6カ所
陸上兵器生産工場3カ所
航空機生産工廠4カ所
金策
大型ドック4カ所
中型ドック4カ所
小型ドック8カ所
陸上兵器生産工場5カ所
航空機生産工廠4カ所
台湾海軍工廠予定地と航空機生産工廠と陸上兵器生産工場
高雄
大型ドック8カ所
中型ドック9カ所
小型ドック12カ所
陸上兵器生産工場8カ所
航空機生産工廠9カ所
台中
大型ドック4カ所
中型ドック4カ所
小型ドック15カ所
陸上兵器生産工場8カ所
航空機生産工廠4カ所
台北
大型ドック4カ所
中型ドック8カ所
小型ドック7カ所
陸上兵器生産工場5カ所
航空機生産工廠9カ所
尚、大型ドックは15万t前後までの艦艇を建造できる規模。中型ドックは8万t前後までの艦艇が建造できる規模。小型ドックは5万t前後までの艦艇が建造できる規模。
『これは・・・予算が・・・』
賀屋大蔵大臣が頭を抱えながらつぶやいた。
仁
『予算の方は心配ありません。我々がなんとかします。』
『・・・・・・・わかりました。なんとか頑張ってみます。』
賀屋大蔵大臣は日本のためと思い頷いた。
『賀屋大臣。皇室の予算を最小限に減らせ。』
そんな賀屋大臣を見ていた天皇陛下が言った。
『閣下!?なぜでございましょう!?』
『其方の顔をみたら、いたたまれなくなったのじゃ。朕も日本のためなら贅沢など惜しくない!!!この通りだ頼む!!!』
『閣下・・・・わかりました。皇室の予算は減らします。私も覚悟ができました!!!』
『それでは次に、国内の法整備などを決めます。まず、『18歳以上の男女普通選挙の実施』・『農地開放政策の実施』・『労働基準を見直し、労働時間の短縮と年齢制限』・『企業の男女雇用の差別を撤廃』・『治安維持法・特別高等警察の廃止』・『消費税3%の導入』・『陸軍・海軍の軍事部品の統一化』・『陸軍省・海軍省ではなく、大日本帝国国防総省の設立、さらに空軍・諜報軍の設立』・『軍人の政治不介入』、これらをすべて行っていただきたい。』
最初これを見た各大臣たちは驚きを隠せなく、また何人かの大臣は仁達に対して憤慨していた。
『仁殿質問があります。農地開放政策とはどんなものでしょう?』
有馬農林大臣が比較的他の大臣より落ち着いた様子で、質問してきた。
『はい。小作農地を安価で小作人に売却し自作農をさせるということです。これは、地主が何と言おうとも強制的に買い上げます。これで、戦時の食料不足が少し改善されるでしょう。』
『なるほど〜ありがとうございます。』
満足したように答えた。
『仁殿!!!海軍・陸軍の統一とはどういうことかご説明願おう!!!』
顔を真っ赤にして、杉山陸軍大臣がきいてきた。
『はい。陸軍省とと海軍省を廃止し、国防省を新たに設立します。陸海空軍が一つにまとまらなければアメリカには勝てません。それに戦争は最早精神云々だけで行うものではないのです。情報の収集に始まり戦力の集中が大事なのです。そして最も重要なのが補給の問題なのです。だからこそ陸海空軍の結束が必要です。』
すると、すぐに米内海軍大臣が聞いてきた。
『仁殿。一ついいかね。指揮権を統一するにしても、陸軍は海のことをなんにも知らないのでは?』
その言葉を聞いた杉山陸軍大臣がさらに、興奮したように、怒鳴った。
『なんだと!?海軍も陸のことなんも知らんやんけ!!!!人のこといえないだろう!!!』
『なに!?』
『静かにしないか!この法案を制定しなくては、日本帝国に明日は無いかもしれぬ。仁殿、この法案は全面的に朕が賛成し力を貸そう。いいな二人とも?』
『『うっ。申し訳ありません。閣下、仁殿』』
天皇陛下がそういってくれたお陰で、言い争っていた両大臣たちも陛下の言葉なので黙った。
『この件についてですが・・・今の陸海では揉めると思いますので・・・国防大臣は桐谷 優がやります。海軍元帥に山本 五十六、陸軍元帥に杉山 元、空軍元帥に佐々木 乃絵、諜報軍元帥に鞍島 銀に着いてもらいます。よろしいでしょうか?』
『『『『『『『わかった』』』』』』』
『では・・・これにて会議は終了しますが、国防大臣と海軍元帥と陸軍元帥と空軍元帥と諜報軍元帥と今回参加した陸海の士官の方にはまた後日来てもらいます。よろしいですか?』
『『『『『『わかった』』』』』
〜1937年六月五日〜
この日から大日本帝国では、次々と新しい法案が可決し、公布されていった。
新法執行日
消費税3%導入(1937年6月10日執行。37年8月25日完了)
治安維持法・特別高等警察廃止(1937年6月10日執行)
18歳以上の男女に選挙権(1937年6月10日公布・1937年7月10日執行)
農地解放令(1937年6月10日執行。37年8月20日完了)
男女雇用機会均等法(1937年6月10日公布・37年7月25日執行)
労働基準法(1937年6月10日公布・37年7月30日執行)
高速道路の建設(1937年8月1日東京~愛知間での建設開始)
軍政分離法(1937年6月10日公布・32年7月30日執行)
1937年6月15日
陸軍省と海軍省を統合し、新たに国防総省を設立。さらに空軍と諜報軍の追加設立を決定。
軍の兵器の部品の統一化を決定。
このように、次々と画期的な法案が採用されたことにより、アメリカや各国の新聞では、「日本は将来、大国化するであろう。」と書かれ、アメリカ政府やソ連政府も日本をよりいっそう警戒し始めた。