第二話
あたしら3人は魔界城の城門の前まで来た。さっき風宮薫が門番になんか言ってこっちに戻ってきた。
「うん、一応話は通してきたけどダネだったらどうする?」
「そんときゃ、アレだ」
風宮薫の言葉にあたしは右手を突き出す。
「ななちゃん、ここも結界が張ってあるから魔法はダメだよ!」
「いや、殴る蹴るで十分だろ。こんなオンボロ⋯⋯」
あたしの言葉が終わらぬ内に先ほどの門番がこっちに駆け寄ってくる。
やるか⋯⋯。
「女帝陛下にあらせましては、一刻も早く、風宮薫様と冬月奈々様と謁見したいとのこと。ささお急ぎください」
門番の言葉にさゆたんが口を開く。
「私は?」
「従者も同席できるとのことでした」
従者?
くっ、笑える。
さゆたん!
あたしら3人は魔界城に入っていく。
おかしい。
さゆたんがニコニコだ。
従者に間違えられたのに⋯⋯。
そういえば魔法学校のときも『ななのフン』とか『子分』とか呼ばれてもニコニコだった。
前から思ってたがコイツ、アレだ。
ドMって種族の人間だ!
「女帝陛下との謁見の前に風宮薫様と冬月奈々様は湯浴みとお着替えをお願いします。それからそちらの従者の方も⋯⋯」
執事みたい奈々オッサンがさゆたんを汚物を見るような目で見る。
さゆたんも湯浴みと着替えができるらしい。
湯浴みと着替えが終わった。
なんだ、このドレスは?
さゆたんは?
メイド?
さゆたんはメイド服であたしの前に現れた。
「お嬢様、お帰りなさいませ」
コレ、アレだ。
メイド喫茶のやつだ。
あたしも昔、面接に行ったっけ⋯⋯。
笑顔が不自然って理由で不採用だったけど。
あたしら3人はそのまま謁見の間に入った。さゆたんは謁見の間には入れないらしく追い出された。
「大丈夫。ドアの外で待っているだけだから」
風宮薫があたしに耳打ちした。
別にさゆたんの心配なんかしてねえし。どうやって魔界においていこうか考えているくらいだから⋯⋯。
誰をって?
さゆたんだよ。
アイツうざいから、3年に1回くらいでいいや。




