第二話
『天才魔法少女』。それが私のキャッチコピーのようにつきまとっているレッテル。私は知っている。本当の天才魔法少女とはどうゆうものかを。私の名前は北村美智子。職業『魔法少女サリー』、魔法学校のクラスメイトからは『ミコちゃん』と呼ばれている。
忘れもしない。魔法学校の合宿での出来事を⋯⋯。合宿2日目の午後にみんなで裏山に探険をしにいった。途中で風雨が強くなって、崖沿いの洞窟で雨宿りをすることになったが、頭上から大岩が落ちてきて私の右腕が完全に潰れてしまった。
その洞窟に一時の雨宿りをして救助を来るのを待った。
隣で寝ているリサに私は告げた。
「ごめんね。私のせいでこんなことに巻き込んで、私もうダメだ。自分の身体くらい自分でわかるもん」
私は諦めて泣き崩れるしかなかったが、突然誰かが叫んだ。
「ピーピーないてんじゃねえ! 眠れねえだろ」
その女の子は手のひらを天に向け、突き上げた手のひらから白い光が溢れ出していった。
そして、その光はみんなを包んでいく。
あたたかい。
みんなの傷が癒えていく。
私の右腕も元通りになっていく。
私はいまだにそんなことはできない。『天才魔法少女』という肩書は魔法少女ルナに与えられるのが妥当だと思う。本人は『転生魔法少女』というふざけた肩書を名乗っているが⋯⋯。
私はサンメリア号に潜入することに成功した。私のもっとも得意とするのは諜報活動。魔法学校を1年でスカウト退学をした後はもっぱら諜報活動だけで成果をあげてきた。こんなもので『天才魔法少女』とおだてられるなんて本当に情けない。
しかし、どうしてだろう?
敵は姿を隠す気があるのだろうか。いたる所に敵がいる。
そう思っていると、後頭部に鈍い痛みが走り私は気絶した。
気がつくと見知った顔の女が3人いた。どうやら私は手足を拘束されていたらしい。
「天才魔法少女様もこうなってしまっては手も足も出ないんだね」
ノコが私を嘲り笑う。
「うちらの組織はね。魔法の種が発芽しない人間のために超人的な力を手を入れられるようにクスリを開発したんだよ。意識もぶっ飛ぶけどね。アハハハ! 天才魔法少女様にも打ってやるよ。このクスリ」
ノコはそう言って、注射器を私に向けてきた。
どうしたんだろう。
見知った3人が全身傷だらけで死んでいる。辺りは爆撃を受けたような状況。私は怖くなり助けを求める。
「ガアアアアアアア!」
なに?
怪物でもいるの?
私は怖くなって魔法を発動する。
なんなの?
私が魔法を発動すると、周りの人々が逃げていく。
私は怪物を倒そうとしているだけなのに⋯⋯。
そして、私の意識は消えていった。




