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治癒師の憂鬱  作者: 甘木
18/69

17.参加メンバー

「で、誰が招待されているんだ。嫌な予感しかしないが。」

「王家の招待ですから、命を救ったジョージの生まれ変わりの方ですね。」

「…まさか、俺だけか?」

「付き添い1名とありますから、奥様も、ですね。」


どういう意図があるのかさっぱりわからん。

それよりも、まずい。まず過ぎる。2人で行けば、フィリップが面倒だ。説明できん。


「着ていく服がない。いつあるんだ?」

「およそ1か月後ですね、今からなら服は準備できます。」


「付き添いはお前だ、トーマス。服はその執事服で良い。メアリーはフィリップと留守番だ。王家の招待なんだから、迎えは来るんだろう?」

「お待ちください、旦那様。王家とのやり取りなど、私は経験がありません。公爵家に居た時も見習いですので、聞いてはいましたが、直接は…」

「それを言うならメアリーはもっと無理だ。どうする?俺が直接やり取りするのは無しだぞ。生まれ変わり設定が、事実になってしまう。また同じことを繰り返して死ぬ未来がみえる。

セーラに戻って貰って、付き添いを頼むか。セーラなら未成年だから、少し位なら外してもお目こぼしがあるだろう。」

「お嬢様はだめです。旦那様の経緯で、王家に不信感をお持ちです。少しどころか、大きく外す危険があります。」


(困ったな。付き添い者がいない…そうだ!)

「やっぱり付き添いはお前だ、トーマス。リオに1か月仕込んで貰えば何とかなるんじゃないか?」

「それならば付き添い者はリオにすれば如何でしょう。リオは元侯爵令嬢です。王家のパーティーに出席したことがあるはずですし、ダンスもしたことがあると思います。当家の中では最適な人物だと存じます。」


「うーん、リオか。リオは行きたがらないと思ってトーマスにしたんだが。まあ、いずれにせよリオは外せないな。メアリー、リオを呼んで連れて来てくれ。寝ているようなら今日はおしまいだ。明日続きをやろう。」

わかりましたと言ってメアリーは部屋を出て行った。今は待つだけだ。


「リオは承知してくれるだろうか。嫌だと思うんだけどな。」

「承知してくれると思いますよ。リオが平民落ちして30年過ぎています。リオを知る人も少ないでしょう。それに今でもリオは美人です、当時は親の不祥事で平民落ちした哀れな娘と言われ、妾にしたかった貴族連中も多かったと聞きます。同情されることはあっても、いたたまれないことはないでしょう。それに、最近は奥様との貴族の会話が楽しくて仕方がないようですし。」


そんな話をしていると、メアリーとリオが部屋に入ってきた。

「行きます。行かせて下さい。エゼルベルト王に会いたいです!」

入ってくるなり、リオが勢い良く言ってきた。


「どうした?もしかしてエゼルベルト王と何かあったの?」

「30年前、エゼルベルトは王太子でした。父の罪を何とかするから俺の側室になれと言って来たのです。

了承して証文を書いて貰ったのですが、もみ消しが間に合わず、罪に落ちました。

その証文はわたしの宝物なんです。それが今もあると知らせれば、王との会談など恐れるに足りません。」


「確かに宝物だね。でも。見つけられて、奪われたら命が無いよ。」

リオはフフッと笑い、

「ええ、見つかりません。もうこの世にないのですから。あると思わせるだけです。」


女は怖い。最悪、共倒れを覚悟している。この雰囲気が伝われば手を出さないだろうな。

新たな登場人物(年齢はジョージジュニアとの年齢差)・既出人物の追加情報


エゼルベルト・オイシン王 50年

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