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治癒師の憂鬱  作者: 甘木
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10.茶会

ジョージジュニアを屋敷に置いておけないので、同席ならという無理筋の条件を出して了承した茶会に参加することにした。流石に無理筋のため、参加できるのは1件だけである。無理筋を了解したので、とても怪しい。結果的には一番怪しい茶会を選択してしまったようだ。


「メディシン子爵か。薬師の家系だな。あそこに再婚狙いのやつは居たっけ。」


「申し訳ありません、今まで当家と関わりがないので情報がありません。」


そうだよな、1代限りの名誉騎士爵が男爵に2段階陞爵した家だ。男爵家でも関係性がある家はない。しかも繋がりのある家もない。むしろ公爵、侯爵家の方が病気治療で知っている。商家で話ができる家が3件程度だ。


そんな無関係な家を招待するのだ、ますます怪しい。まあ行けばわかるか。


「リプロード男爵、ようこそいらっしゃいました。ご子息様も、いらっしゃい。」

ん?我が家はプロードだったはずだ。男爵位になって変わったのかな。まあどうでもいいか。メアリーが貴族風の挨拶をした後、俺も挨拶する。母も貴族としては満足な挨拶ができていないのに、俺がちゃんとした挨拶をするのはまずい。俺は侯爵以上と付き合いがある関係で、やろうと思えばできるが、ここは幼児で。

「こんにちは!」


メディシン子爵は侮蔑するような眼を向けた後、

「こんにちは、元気が良いね。」

(ふーん、その態度でわかったぞ。)


「さあ、庭の四阿にご案内します。ご子息はあちらの…」

まずい、何か言え。メアリーの手をグッと握りしめた。


「同席のお約束でしたので、一緒でお願いいたします。」

一瞬嫌そうな表情をしたのを見逃さないぞ、メディシン子爵。これまでの流れなら、こいつは間違いなく黒だな、あとはどいつが悪党だ。


席にはメディシン子爵婦人と男がいた。


「紹介します。私の妻のマーガレットと弟のマックスです。ご子息もいるからマックスの子も連れてきた方がいいな、アダム、フリードを連れてきてくれ。」


これは完全に見合い狙いだと確信した。俺を子供に連れ出させるつもりだ。


やって来たフリードは12歳前後、ローズと同じぐらいだ。自前で教育できる家は7歳からの学園には行っていないなずので子爵家は弟の子供にも教育を施せるほど金があるか、子爵にも同年代の子供がいるかのどちらかだろう。


こいつが家に来たらセーラが危ない。あっちで遊ぼうという言葉を無視し、メアリーの膝の上を死守する。


俺はマックスを悪党認定したが、俺にとってはフリードの方が大悪党である。マックスを拒絶する最大の理由はセーラをフリードの毒牙から守ることだ。


メアリーはメディシン子爵婦人の誘導にも、再婚は考えていないを連発する。俺は俺で、マックスおじさん怖くて嫌だとメアリーにしがみつく。マックスが何か言う度、怖い、帰ろうを繰り返してやった。そうとう馬鹿な子に見えたかもしれない。


フリードがセーラを襲い、なし崩しに男爵位を奪い取る未来が見える。そんなこと、させてたまるか。

ん? 良く考えたらセーラの方が強いな。いや、油断は禁物だ。


そんなこんなで何とか終了した。これは膝の上にいないとメアリーは誘導にやられるな。会話になっていないから話が続かないと言うのと、俺のわがままでやり過ごせただけだ。会話を成立させていたらやばかった。帰ったら説教だ。

新たな登場人物(年齢はジョージジュニアとの年齢差)


メディシン子爵 35年

マーガレット・メディシン(メディシン子爵の妻) 34年

アダム(メディシン子爵家の執事) 54年

マックス・メディシン(メディシン子爵の弟) 33年

フリード・メディシン(マックスの長男) 10年

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