いつきとかいと
かいとは帰ると、なぜか部屋の隅を掃除しはじめる。
いつきは帰ってくると、驚く。
「…兄さん、掃除してるの?」
「ああ、掃除だ。掃除をして、して…」
かいとは緊張していて落ち着かない。
明日が悠磨と赤井の家で会うからだ。
_う…今さら不安が…!
かいとは、壁に頭を打ち付けようとした。
自分の頭を。
「兄さん!まって、まって!痛いから!」
いつきが止める。
かいとはぐるりと首を動かす。
「何でもない」
「何でもありすぎだよ!」
「…明日なんだ…」
「あ…そうだね」
明日赤井の家へとかいとは呼ばれ、いつきもついでなんだか呼ばれてる。
「うあー。緊張するんだ!」
「…」
「う…心がドキドキと」
いつきはその姿にイラッとする。
「かたかた言うのやめてくれる?兄さん。決めたんだよね?」
かいとは自分に情けなくなる。
「…あ…ああ」
いつきは、あわあわとする。
「あ、ごめん!いらついちゃって」
「いや!俺が悪い!いつき。ありがとな!緊張とかはしてるけど。もうガタガタ言わないぜ」
とりあえず、ご飯を食べる。
今日はご飯とみそ汁。
かいともいつきも静かに食べていく。
終わると、いつきはすぐに台所に置きに行く。
いつきは、先に風呂に入る。
必ず先となってる。
_絶対に俺が入った後の風呂には入らないもんな…
そういうものだ。
いつきが出ると、次に入る。
いつものことである。
「…明日…」
_勝つとか、何かっこつけてんだ…俺。
風呂の中で、自分の言葉に恥ずかしくなる。
顔を覆う。
_いつきの前ではガタガタ言わないとかいったけど、やっぱ俺は…いや!ガタガタ言わないぞ!俺は、…弱音は吐くけど…
風呂から思いきり立ち上がる。
拳まで作って。
「弱音は吐くけどガタガタは……………言わない!多分!」
いつきは、その声にびくりとした。
その後、かいとは洗い物とか、終わると。
布団へ入る。
「…寝る!」
_俺は寝る!
と、思ってると部屋を叩かれる。
「兄さん。ちょっといい?」
「あ、ああ」
いつきは扉を開ける。
正座している。
静かに拳を作っていう。
「兄さん。絶対にそうするって決めてるんだよね」
かいとをまっすぐに見る。
真面目な顔だが、そこには。
「自分が痛くてもするんだよね。後で誰かのせいにしたりしないんだよね」
その言葉ははっきりしてる。
だから、かいとも正座する。
「…ああ。誰かのせいになんて…」
言葉が止まる。
_誰かのせいにはしなくても、自分のせいにはするかもしれない。
けど、
「…誰かのせいにしないかはわからないかも…」
曖昧なことをいう。
いつきは、イラッとするが。
兄は自分に正直だからと考える。
「偉そうなことを言わせてください」
いつきは、偉そうなことを言うらしい。
「そうしたいなら、そうすることを…できる限りは諦めないでください」
いつきは続ける。
「できる限りです。…あのね…その…何もかも嫌いになったりは…しないでほしいな」
「俺は特に嫌いなものはないけど」
いつきは恥ずかしそうに顔を赤くする。
「聞いてってば!」
「ご、ごめん!」
「…こほん。後悔しない道を、どうか進んでください」
かいとはうなずく。
「…お、おう」
いつきは、扉をすぐに閉める。
「いつき!?おい!」
「うわー!なんか偉そうなことを言っちゃったよー恥ずかしい!」
かいとは扉を開ける。
「…うわっ!兄さん。忘れてくれ…」
かいとは、いつきへ不器用だが、言葉を伝える。
「忘れねーよ!絶対!俺は俺のするって決めたこと勝手でもやるから!」
「…勝手な兄さん」
「俺は嫌なやつだからな」
いつきは、自分が先に扉から離れる。
部屋へと行くと布団へと眠る。
かいとは、天井を見つめる。
「俺は、俺のするって決めたことを…する」
いつきは布団の中で思う。
_何かを嫌いにならないでほしいとか、私だよね何もかも嫌いなのは…私は、いつか、全部は無理なのはわかる。
でも、いつか…
つぶやく。
「この世界が好きになれるといいな」




