かいととミルンルハ
かいとは、多くの草木に絡まれた建物へと来た。
そこには、少女がいる。
彼女はミルンルハ。
黄色い空間は変わりない。
かいとは、中へと入ろうとすると、地面は草木が絡まるように敷かれている。
上から垂れ下がる草木のツルは、急に伸びてくる。
それは、かいとを明らかに狙っていた。
かいとは、避ける、ではなく地面に絡まるように敷かれた草木に足が引っかかって転んだ。
「…うわっ!」
草木に仰向けに倒れる。
草木に顔をぶつけ、草木は堅さがあり、顔をすりむいてしまう。
「…でも、転んで…よかった……よな?」
かいとはつぶやく。
かいとへ、また草木の鋭い先が狙うように伸びてくる。
かいとは、次こそは自分で右へと転がりなんとか避ける。
「…ミルンルハ!いんだろ!来たぞ!」
叫ぶ先にあるのは草木が絡まる玉状の物体。
その前に立つのは淡い緑の髪に草木のツルで適当に作られた服を着る少女。
「…できたんだな、それ」
かいとは、あの玉状の物体を壊しにきた。
かいとは、自分へと向かってくる鋭い草木のツルを両手で掴む。
ねじるようにすると、引きちぎる。
こうしてツルを止める。
「まず、一つ!」
ミルンルハは、かいとへ、嫌がるような目つきをする。
彼女はこの玉状の物体を作ることで自分の力を抑えている。
そのため、その玉状の物体が完成すると、もう一人の彼女が表に出てきて、草木が暴れ出す。
かいとは、草木の中を歩き出す。
歩きづらくても向かう。
草木は他にも、伸びてくる。
かいとは、一つずつ、引きちぎる。
引きちぎれば、動かない。
かいとは進んでいくと、ミルンルハはかいとを見ている。
かいとは前へと立つ。
「ミルンルハ。その後ろのを壊す」
「壊すのだめ」
ミルンルハは、手を上げる。
上からまだ垂れ下がるいくつもの草木のツルはかいとへと向かっていく。
かいとは、頬をかするが、引きちぎりながら進む。
ようやく草木のない場所まで来れ、かいとは、ミルンルハを通り過ぎる。
玉状の物体へ赤の力を込め、拳を向ける。
物体へと、拳が当たりそうだったが、草木のツルが上から向かって来て、ばあんとぶつかる。
草のツルが玉状の物体を守った。
「…な」
ミルンルハはいう。
「…私…出たいのに」
出たいという。
「でもお前は誰かを憎んでるんだろ。だから暴れてる」
ミルンルハはいう。
「…私は…」
_とりあえず、このツルをどうにかしないと。えっと、どうすれば……………考えて………いや考えるな!あ!そうだ!
「緑のリボン、もう一人のミルンルハは喜んでるぞ!」
ミルンルハは、自分の髪につけられた緑のリボンにふれる。
そして、ミルンルハの目が輝く。
それでも、どこか下を向いていう。
「でも…出たいのに」
「…憎しみは、消えない。でも、ミルンルハは…待ってるぞ!」
草木は、伸びてこなくなる。
ミルンルハは動きが止まっている。
_今だ!
かいとは、赤の力を込め、拳を玉状へとぶつけた。
丁寧に作られた玉状の物体は緑の破片が散らばっていき、ゆっくりと消えていく。
消えるのをミルンルハは見て、つぶやく。
「…会いたいな…ミルンルハ…」
地面の草木はしゅるりと、どこかへと行ってしまう。
折れたツルも、それを追いかけるように黄色の空間の奥へと消えていく。
そこにはミルンルハは残る。
先ほどとは違いは何となく感じる。
普段のミルンルハだと思う。
彼女は、かいとを見るとすぐに質問する。
「…かいと。壊した…?」
「ああ、壊したぞ」
「…そっか…」
ミルンルハは自分の髪にふれ、緑のリボンをしゅるりと取ると胸元で抱きしめた。
かいとは、ほっとする。
ミルンルハはお礼を伝える。
「…かいと、ありがとう」
「また、作るんだよな」
ミルンルハは笑う。
「…うん」
その黄色の空間はそこにあった。
かいとは、外へと出る。
膝が崩れ、地面に座る。
「…なんとか、なったな」
正直ちゃんと壊せるか不安だった。
入ってからはもうするしかないだから、どうにかなったが。
終わると、なんというか、膝がくがくしてる。
_足!震えすぎだろ!俺!
とりあえず…立ち上がるまで時間かかりそうだ。
「…も、もう少しだけ、座ってるか」
_誰も見てないよな!こんなとこ。少し経ったら自分でなんとか立ち上がるし!




