かいとの話(さら)
教室に着いた。
かいとはというと、三年生の教室へと入ろうとするが。
教室へ入ると、男子ににらまれてしまう。
_にらまれてる…俺
理由は…桜子と一緒にいることと、色葉にくっつかれているからだと思う。
男子からすると、やはりそういう…何というか、さえないくせに、なぜか女性が近くにいるようなやつは嫌われる。
なので、友人は陸だけだ。
クラスに男の友人がいない。
集団とは怖いものだ。
_逆なら俺だって腹が立っていると思う
机で一人で眠る。
_のはいいとして、桜子に対して避けるようなことをしたことの方が…つい、緊張しただけで…俺は、勝手なことをしようとしてて、嫌がってるのに…桜子はいつもと変わりなかったのに…
かいとは、そんな態度をとってしまった。
早く、桜子に謝りたい。
昼休みは教室には居づらく、常に図書室で過ごす。
図書室には本があり、長テーブルが置いてあるため自由に座っていられる。
小説を読んでいると落ちつく。
静かだし。
椅子に座って、小説を読んでいると女子生徒が反対の斜めになる椅子に座る。
小説の内容は仮想世界がテーマの話だ。
今一巻を読んでいるのだが、おもしろい。
おもしろい。
いつの間にか、読み終わる。
本を返しに行こうとすると、なぜかカクンとなり、後ろを見ると、黒髪の短い髪の女子生徒がいた。
彼女はたしか同じクラスの女子だ。
話したことはないのだが。
どうして、つかまれてるんだろう。
「ねえ、かいとくん」
彼女は俺の名前を呼ぶ。
「図書室好き?」
「あ、ああ…好きだけど」
どうして急に話しかけてきたんだろう。
「ちょっと話とかいい?」
「…え、あ、ああ」
なぜ急にそんなことをいうんだろ
図書室を一度出て、廊下で話す。
廊下の窓は開いていて、風が吹く。
彼女は頼森さら
「かいとくん。ずーっと気になってたんだ。図書室で一人だし。それになんか教室以外では女の子に囲まれてるみたいだし」
「…あ、ああ」
_幼なじみだし。
「と、いうことで!男子から嫌われるかいとくん!」
_はっきり言われると傷つく!
かいとは、顔を苦笑い。
「き、嫌われてたって気にしてねーし…」
「でも、ぼっちって悲しいでしょ?」
_いや、そこまで…困ることはあるが、あまり、その関わるの苦手だし
「いや、困ることあるけど、でも…別に、一人でいられるし。そっちこそ一人だろ」
彼女が女子といるとこは見た覚えがない。
女子は特にそういう一緒とかに厳しそうだが。
よくはわからないが。
「一人よ。楽だけど、何か?」
「俺にはどうして嫌われてるとか言うんだよ?関係ないだろ」
彼女はというと、ぽつりと。
「一人だったから、かわいそうって思ったから話しかけただけよ」
_なんだそれ
突然話しかけられて、それはいいとして、かわいそうって…俺はかわいそうじゃないし
「俺はかわいそうじゃない。たしかに教室には友達いないが、それ以外ではそばにいてくれる誰かがいる」
_幸せだと思う。俺は。
さらはというと、どこか眉間にしわを寄せつつ、いう。
「…また話しかけるから!言っとくけど、ちょっと興味もっただけだから!勘違いとかしないでよね」
と、さらは行ってしまう。
俺はぽかんとしてしまう。
「…え、え、なんだったんだ?」
訳がわからないが、でも、話せたのはよかったかもしれない。
同じクラスだし。
男子じゃなかったけど…。
_俺は、クラスの友達とか…よくわからない。
陸のことは友達と思ってるが。
_まあ、でも。頼森さらは、どうして俺に話しかけてきたんだろう。
わからない。
_て、それよりも。
俺は…俺の決めたことを勝手でも…しよう。
放課後。
学校を出ての道。
いつきと桜子がいる。
かいとは、すぐに自分から行くと、頭を下げる。
「桜子!朝、あんな態度とってごめん!」
桜子は目を丸くする。
「…え」
「俺は、桜子に勝手なことをしようとしてるとか思ったら顔合わせづらかっただけで!」
桜子はいう。
「かいとくん。悪くないの。私が悪いから!」
いつきはじーっと二人を見る。
「…でも、かいとくん。私の血は渡さないからね」
かいとは、目をきっと鋭くさせる。
決めていた。勝手でも。
悩みもした。
桜子にとって嫌がることをするのは…とか。
でも、かいとは、前を向く。
「…俺は桜子の血を飲む」
桜子も、目を合わせる。
「私は渡さないから…」
いつきは、じーっと見つめる。
かいとは携帯がなる。
「…うわっ!あ…悪い、電話が」
かいとは遠くへと行くと電話へと出る。
かいとは、電話が終わると戻ってくる。
「悪い、これから行くとこが」
「うん。わかった。かいとくん。また明日会おうね」
「ああ、また明日」
いつきは桜子と歩いていく。
かいとはかいとの行く場所へ。
「…桜子さん」
「……かいとくんに知らないふりされたいって思ってるのに…それも嫌って思ってるの…私は本当にずるいね」
「ずるいんですか?…私は、兄さんがそうしたいって言ってるからいいと思います」
「でも、かいとくんがすごく痛くて傷つくんだよ…?」
いつきは、さらっという。
「私はいいと思ってます。傷つくのは兄さんだけだし…別に」
冷たいいつき。
いつきは言葉を続ける。
「そうしたいなら勝手でもしろって思います」
「いつきちゃんは…私を怒ったりしないの?私がいるから…かいとくんがあんなこと言ってるのに」
いつきは、にっこりと優しすぎるほどの笑顔を作る。
「桜子さんに怒ってなんかいません」
「…どうして?」
「だって、桜子さんは私にとって、もう一人のお姉さんです。ずっとここにいてほしいです。だって私は桜子さんのこと大好きですから」
_かいとくんが傷つくとしても?
桜子は思ったが言わない。
いつきは優しすぎる笑顔だ。
赤井家に着くと、いつきと桜子は別れる。
「また、明日ね…いつきちゃん」
「…はい、また明日です」
桜子は何とも言えずに家へと入った。
いつきは一人で歩き、つぶやく。
「兄さんは自分が傷つくことなんてどうでもいいと思ってる……私は、うらやましい………そこまでしてでも誰かのために何かをしようとしてることが…私にはできない。できないもん」
いつきは空を見上げる。
「…いいなあ、傷ついてでも誰かのために何かをしようとしてて、私もそんな風になりたかったな…それができる強い人になりたかった…」
いつきは、うらやましい。
誰かのために何かをしようとする人にはなれないから。




