朝の話
朝。学校への道。
いつきと桜子は一緒に歩いていた。
桜子はとても元気がない。
いつきは気づくが、なんて声をかければいいかわからない。
でも、声をかける。
「桜子さん!」
「…え!」
桜子は目を丸くする。
「桜子さん!元気ないです。どうしましたか」
桜子は作り笑いのような顔をする。
「何でもないよ…私は今日も元気」
「…」
いつきは心の中で思う。
(絶対元気ないよ!)
かいとが後ろにいるのが見えたいつきはいう。
「あっ!兄さんですよ!」
「え、どこ?」
かいとに色葉がくっつく。
いつきはかいとにイラッとするがいう。
「色葉となんか…一緒にいます……」
「え…かいとく…」
桜子は顔を振る。
「…かいとくんなんて、知らないから…」
「え、どうしてですか?」
「私は、かいとくんと話したり当分しないから…」
「え…!?」
桜子がおかしいといつきは思う。
かいとが好きなはずなのに。
いつきは思ったことが口に出る。
「…別に好きな人できましたか?」
「そ、そんなことないわ…」
「あっ…兄さんが嫌いになりましたか…?」
桜子は思いきりいう。
「かいとくんはかっこいいわ。嫌いになんてならないから!」
桜子は自分の言葉に急に落ち込んだ顔をする。
いつきは困っていた。
が、桜子は色葉がかいととくっつく姿を見て、むうと頬をふくらます。
いつきはいう。
「桜子さん。多分、好きな人って急に…その、私まだよくわからないですが…離れようとするって難しい…?気がします」
桜子はどこか頬を赤らめていつきへという。
「…いつきちゃん。かいとくんの所、一緒に…来てくれる…?」
「はい!」
ということで。
色葉はかいとにくっつく。
「かいと先輩!ずっとこうさせてください!」
「離れろって!」
そこへ桜子は来る。
「色葉さん。かいとくんから離れてほしいわ」
色葉はぎゅうと腕に強く抱きつく。
「嫌です!私はかいと先輩にくっつきたいんです!」
かいとは桜子と顔をあわせられない。
だからか、桜子と目が合うと、別の方向を向いた。
色葉は察したのかいう。
「かいと先輩、行きますよー」
「な、何いって…離れろって…」
かいとをさっと、その場から連れて行く。
桜子は追いかけない。
いつきはいう。
「桜子さん…、その」
いつきは何となくだが、かいとの方が桜子を避けたなと思う。
桜子はにこりとする。
優しい笑みだ。
「…うん、かいとくんの方が私のこと、見なくなった方がいいや」
と、言いつつ、泣きそうである。
いつきは声をかける。
「ち、違いますよ!兄さん!多分桜子さんのこと考えすぎて!頭がきっとぐるぐるしてるんです!」
「いいの、いいの。これで…いいの。かいとくんが幸せなら……ふふふ…」
桜子は悲しそうに涙目だ。
いつきは必死に言うが、色葉とかいとが行ってしまう…。
いつきは拳を作り、どこか眉間にしわを寄せていう。
「…兄さん。好かれすぎるのやめてくれないかな」
いつきは静かに小さくつぶやく。




