いつきとかいと
あるアパート
かいとは、いつきが帰ってきていう。
「おかえり。いつき」
「ただいま、て、兄さん!けがしてる!?え?なんで?」
「転んだ」
「えー気をつけてよ、けがしたら痛いんだよ…て言いたいけど…けがすることいっぱいあるよね…でも、できるだけ気をつけてね…あ…手洗ってくる」
いつきは手を洗いに行く。
かいとは目玉焼きを焼いた。
とりあえず、二個。
そ、それくらいは自分だってできる。
と、かいとは思うことにする。
料理はできないが。
「わあ、おいしそう、ありがとう。兄さん」
かいとは先に食べていて、いつきはご飯をお茶碗に盛ると座る。
そして、気づかれる。
焦げている部分がある。
いつきは、何も気にせず食べる。
かいとはいつきが何も気にせず食べているため、聞く。
「こ、焦げててごめん!俺、これくらいしかできないから!」
両手を合わせて謝る。
いつきはにこっとする。
「ちょっと苦いけど…作ってくれることがうれしいよ。ありがとう。兄さん」
かいとはうれしくなってにやけそうになるがこらえる。
いつきは聞いてくる。
「桜子さんに言えた…?」
「…言ったけど…まあ、うん。うん。」
うなずく。うなずく。
いつきはじっと見つめてくる。
「何か…あった?兄さん」
言わない。
なんか、言うのは嫌だ。
グチグチしてるし、これ以上は。
兄である。
妹よりは年上だ。
いつきは食べ終わると「ごちそうさまでした」と手を合わせた。
洗いおけに置きに行き、戻ってくる。
「兄さん。聞かせて?」
「な、何でもねーし…」
「聞きたいな?」
いつきにはなんというか、嘘みたいなのつけない。
かいとはでも話す気はない。
いつきは、何か持ってくる。
ノートだ。
「兄さん。このノートを…外に置きます。恥ずかしい兄さんの昔書いたものを誰か見るかもです」
かいとは汗を出す。
「…え、え、何言ってんだ?」
「私も…こんなことしたくないんだよ…でも…」
いつきが後ろを向いて扉に向かう。
「待ってくれ!いや、ほんとに!」
昔書いたやつとか見られたくない、というか、というか恥ずかしい!
「行ってくるね…兄さん」
本当に行く気だ。
かいとは泣きそうになる。
いつきの服の端をつかむ。
「や、やめてくれ!恥ずかしいだろ!それは!」
「うんじゃあ話して」
かいとは話していく。
陸とのこととか。
桜子のこと。
「おう…陸さん…腹立ってただろうな…」
いつきはつぶやく。
「桜子さん…そっか」
「…方法わかったんだからいいと思うんだ、俺は」
いつきははっきりという。
「兄さん…その、あの…押しつけてる。あと、勝手かな…?」
言葉がグサグサと突き刺さってくる。
「…う!」
「誰かのために何かしようとしてるのいいことだけど…桜子さんにとっては嫌なんだね」
いつきは腕を組む。
「何かするって…大変…ていうこと、なのかな」
「俺は、幼なじみだし、幸せになれるって…」
いつきはつい口に出てしまう。
「…気持ち悪い」
_え。今、気持ち悪いって…
かいとは口をポカンと開ける。
いつきははっとする。
「…あ…ごめん…その、兄さんが気持ち悪いんじゃなくて!私が…私は、何かできる力ないから…兄さんは何とかしようとしてて、私は…何もできないから…私が気持ち悪くて、そう、思う自分が…」
「どんどん言え」
「…え」
「俺にだったら、悪口言ってもいいぞ!俺は気持ち悪い!言え。いつきがそう思うのは当たり前だ!いつきは気持ち悪くないぞ!俺が気持ち悪いんだ!」
「え…」
いつきは困っている。
「俺は…………勝手だ!押しつけてる…うう…」
自分で言って自分で傷つく。
「でも!悠磨さんと戦う?ことなって…」
「え、何の話?」
かいとは気づく。
そのことは言ってなかった。
いつきは聞く。
「それも聞かせて!」
たくさん話した。
色々。
かいとは思う。
隠そうと思ってたけど、できないものだと。
「…妹に隠し事とかできねーな…」
つぶやいた。




