上の方とゆら
赤井家 屋敷内
優磨への話が終わると。
上の方はゆらの話を聞く。
敬造は静かに聞いている。
「ゆら…。お前…かいとにだけ桜子のこと話したのか?いつきと陸も同時に話すべきだろう」
ゆらははっとする。
「ですが、その日はいつきは用事、陸は依頼で…かいとに伝えれば二人にも伝わると…」
上の方はため息をつく。
とてもあきれたように。
「ゆら。普段しっかりしているのにそういう所はいい加減だな…」
ゆらは反省する。
「二人には申し訳ない…ことを」
「…そうだ。伝えるとは大事だ。大事なことだ」
「かいとが陸に伝えてくれるです…が…だ…だめでしょうか…」
ゆらは不安げにする。
「…まず。私に伝えればよかったのに」
「そうですね…ああ、私はこういうところで配慮がない…」
テーブルに顔を押しつけた。
「私は…うう…」
敬造は声をかける。
「ですがそういうことはよくありますよ。気にしてたら生きていけませんよ」
優しく笑う。
ゆらは、頭を下げる。
「うう、すまん…いつきと陸…………!私は…ああ!本当にだめなやつだ!赤井さん…ありがとうございます!」
ほこが頭をぽんとなでる。
「何か落ち込んでる。元気だせー」
あのいつも攻撃してくるほこまで優しくしてくる。
ゆらは上を向く。
ほこはにやにやとしてる。
「はははっ、落ち込んでる君はおもしろいー」
「…うああ、すまない!」
敬造は困った顔でほこへという。
「ほこ…そういうこと言うのはやめなさい」
ほこはにこにこして、答える。
「はーーい」
ゆらは落ち込んでいた。
ゆらがその後出ていくと敬造はいう。
「桜子へと話すのはかいとくんがやはりいいんだろうと思えるよ…私はかいとくんのように近づかなかった…話をしたりしなかった」
上の方は答える。
「あのかけらと話をするのはいないだろう?ああ、他前にもいたな」
「桜子と向きあったのは…かいとくんだけだ」
上の方はにこりとする。
「そうだな」




