上の方の使いと悠磨
ある高いビル。
「こんないいところに泊まらせていただけるなんてありがとうございます」
優しげな黒髪の男性。
年齢は三十代ほど。
服装は青色のワイシャツに黒のカーディガンを着ている。
彼は笑顔でお礼をいう。
それに扉の前の少女は答える。
少女は赤の着物を着ている。
髪色はつややかな黒。
緑の紐で上に一つお団子をしている。
「上の方様のご命令です」
「二人も喜んでるよ」
悠磨の見た方には、二人の少年がいる。
一人は静かに窓から外を見つめてる。
もう一人は少女の方へと行く。
「悠磨さんをにらんでんじゃねーよ?」
少女の方へと来た少年は茶髪で、目つきが悪い。
少女は表情を崩さず答える。
「にらんでいません。この顔はいつもです」
「ああ?」
悠磨は前に立つ。
「まあまあ、落ちついて」
少年はむうとする。
「だけど!にらんでるし!」
少女は肩をピクリとさせる。
「にらんでいません」
「ほら、にらんでないってさ。落ちつこう?仁?」
「わかった…………です」
少女はいう。
「少し失礼します」
急に部屋を出ていき時間が経つと戻ってくる。
「上の方様が悠磨様へお伝えです」
「ん?何だろ?」
「“お前は赤井を一度出ていった。なのにすぐに継ぐものとするわけにいかない。だから。かいとと戦ってもらう。なに?勝利すればいい”です」
仁と先ほど呼ばれた少年は少女へという。
「おい、お前ってなんだ!悠磨さんに」
「そのまま伝えました。何か悪かったのでしたら…」
「悪いにきまってんだろ?」
悠磨は前に出る。
「仁、女の子に意地悪はよくないよ?かわいいからって意地悪してると、嫌われるよ?」
「興味ねーです!」
少女はまだ言葉を続ける。
「“それと、お前は赤井桜子を壊す気のようだが、それは解決される方法が見つかった。お前かかいとに頼もうと考えている”」
にこにことしていた表情が急に冷え込む。
悠磨はいう。
「俺は頼まれないよ?桜子は危険だ。方法?どうでもいい。俺は桜子を壊す気だよ」
少女はいう。
「そうですか。そのまま伝えますね」
また部屋を出ていく。
外を見つめていた黒髪の少年は声を出す。
「悠磨さん。どうしますか」
「いや、その方法がいいかなんてわからない。危険なものは壊すのが一番だよ」
悠磨の言葉に隣の仁もいう。
「その通りだ!」
隼斗と呼ばれた少年は静かにいう。
「方法があってもなくても関係ないです…ね」
悠磨は静かに笑うことはなく前を向く。
「俺は壊す。危険なものを」
赤井悠磨は、冷える目でいう。
その隣の仁はまっすぐに悠磨を見る。
隼斗は窓から見える外の多くの建物の灯りにどこか、温かさのような、さみしさを感じた。




