朝
朝の風景は、いつもと変わりないことが一番。
変わることがあると、楽しそうだが。楽しくないかもしれないから。
茶色の髪にひし形の髪飾りをした少年は陸。
かわいらしい容姿である。
その隣には黒色の長い髪の桜子。
陸は話すことが何もなく、静かに歩いていく。
お互いに話さなくてもそばにいれるのだが。
陸は何も話さなすぎるのもどうかと思い、声を出した。
「あの、桜子さん!」
桜子は目を開く。
「あの、その、昨日何時に寝ましたか!?」
「えっと…昨日は、9時に寝たよ」
桜子は目線を上に向けて思い出すようにいうと、陸に質問する。
陸がどこかあわてているが桜子はにっこりと落ちついている。
「陸くんは何時に寝たの?」
「僕は十時です。桜子さん寝るの早いですね」
「昔からその時間に寝てたから、今も続いてるって感じ…かな」
「桜子さんは、何時に起きるんですか?」
「えーと、六時…かな」
「僕は六時半くらいです。起きれないとき多くて」
「私も起きれないときあるよ、六時に起きようとして、六時すぎたり…そういうとき、悔しいの!六時に起きれないと!」
桜子は悔しそうにしている。
「桜子さんて、負けるの嫌いそうですよね」
「あ…。うん、嫌いだな、どうしてだろ」
「その方がいいと思います」
「そうだよね。負けるの嫌いでもいいよね」
「はい!いいと思います」
桜子と陸はいつのまにか話していた。
その少し遠い後ろにはというと。
いつきとかいとが歩いていた。
桜子と陸の後ろ姿を見つめる。
「兄さん、桜子さん。楽しそうだね」
「ああ。そうだな、桜子が笑ってるのはうれしいぜ」
「兄さん。桜子さんのこと好き?」
「好きだぞ」
「はっきりした方がいいよ?」
いつきはどこか目線を横にする。
「でも、みんな好きだからな。幸せでいてほしい」
いつきは、嫌な顔をする。
「そのはっきりしないせいで誰かが幸せになれなかったら?」
かいとは、顔をわかりやすく悲しそうにする。
「あ…」
「まあ、いいけどさ。なんだっけ?なんでも。はっきりしすぎもよくない?だっけ?えーと、あいまいの方がいいこともあるんだっけ?」
いつきは、「あれ?」って感じでいう。
「まあ、いいや!でも。いつかははっきりした方がいいよ」
かいとはうなずく。
「いつきの方が姉ちゃんみたいだな。俺の方が兄なんだ。しっかりしないとな」
「…」
しっかりはしていると思う。
ただ、本当にみんなが好きで、大事なのだろう。
いつきは小さくいう。
「まだまだ、このままかもなぁ…」
「何だ?いつき」
いつきは、笑っていう。
「兄さんがはっきりしなくて困る、だなって思って」
「なんだそれ…」
そんな朝の話だった。




