かいとへと話されたこと
かいとは静かに話を聞いていた。
ソメリは泣くことはなく、強い目をする。
「私はあなたへ伝えたくて来ました。桜子さんという方を助けられる方法を」
かいとは黙って聞く。
「正直…本当かはわからないのですが、でも、教えてくれた人は、全ては遅いから嘘はつかないといいました…」
ソメリはどこか自信ないので、うづきがいう。
「嘘はついていないわ。だって、わかるもの」
うづきはそういい、かいとは聞く。
「本当かわからなくても、聞きたい…です」
ソメリは話していく。
「お互いの血を飲むことと言っていました。あなたが桜子さんの血を飲み、桜子さんがあなたの血を飲むことが助けられる方法だと思います」
ソメリは続ける。
「私、他のかけらと人と分かれた方も、その方法なのかも聞いたんです。できると言っていました。ですので、桜子さんを助けることができると思います」
かいとは、「えっと」と理解できていない様子だ。
「あの、本当にすみません。えっと、桜子、が俺の血?俺が?桜子?」
かいとは、頭がくらくらしてる。
わかりにくいからだろう。
でも、分かったようにかいとは答える。
「な、なるほど!」
それを聞いて、ソメリは静かに話していく。
「…血を飲むというのは…」
ソメリはとにかく話を続ける。
「えーと、桜子さんがあなたの血を飲むと…あなたの人の性質が流れます」
ソメリも説明が難しいのか頭をおさえつつ、続ける。
「あなたが桜子さんの血を飲むと、桜子さんの闇を吸収するのが、あなたへと流れてきて、とても、耐えられないほどの痛みがくるといっていました。お互いに血を飲むことで桜子さんの闇を吸収する力が半分になり、危険が少なくなると」
「…はい」
かいとは、頭の中は真っ白でただうなずく。
話が難しすぎて、頭が追いつかないので、素直にいう。
「あの!悪いんだけど!まだわかってません!頑張ってわかるようになるんで!」
かいとは、隅へと行くと頭を抱える。
ソメリは声をかける。
「あの、私も…話すのとても難しくて、わかりにくくてすみません!」
「いえ!俺の頭が悪いのが悪いんで!」
かいとは、考え続け、いう。
「あの…すみません…本当にすみません、もう一度言ってくれませんか…」
ソメリはもう一度かいとへと説明を何とかしていく。
かいとは、叫ぶ。
「わかった!多分…とにかく、痛いんですね」
うづきはかいとの頭をくしゃくしゃとなでる。
「うちの弟、私と一緒で頭悪いからごめんね!ソメリ」
ソメリはあわてて両手を振る。
「私の説明が悪いんです、すみません」
急にゆらがいう。
「で、どうするんだ?かいと」
かいとは、ゆらの方を見る。
「俺は」
かいとは決めている。
「方法があるなら、やる」
「かなりの痛みがあるらしいが」
「桜子の方が痛かったはずだ…なのに、俺が苦しいから、ならやめようなんてずるいことはしたくない」
ゆらは目を横にする。
「まあ、桜子は許さないだろうな」
「ちゃんと話す」
ソメリは、かいとを見たくなくなり、うつむく。
「…」
ソメリは思う。
自分とは違い、決めている。
痛みがあるといったのに、一度も目をそらすこともしないし、嫌がる顔もしていなかった。
ソメリは、唇をかむ。
「…私…あなたに会いに来たくなかったんです。エリィーを私は助けられなかったのに…誰かを助けようとするとか…そんなの、私は勝手で…」
かいとは目を開く。
何を言えばいいかわからない。
「えっと…俺」
うづきがいう。
「でも、ソメリは来たんでしょ?」
「……」
ソメリはうなずくと、かいとの目を見る。
「あなたは、桜子さんを今も助けたい…ですか?」
かいとは、まっすぐに答える。
「ああ。助けたい。俺がそうしたいんだ」
ソメリはその目をずっとまぶしげに見つめる。
「そう、ですか」
ソメリは笑うこともなく、ただ答えた。
かいとは、あることを聞く。
「…あ、あの、失礼かもしれないんですけど…その」
ソメリはなんだろうと首をかしげる。
「なんですか?」
「エリィーさんはどんな人だったんですか?」
「え」
ソメリは目を丸くさせた。
「あ、淡い青色の髪の女の子で、優しくて、かわいくて、私のことをいつも心配してくれてました」
「す、すみません、聞いてよかったですか!?」
ソメリは目を細めた。
「…はい、聞いてくれてうれしいです」




