かいととななな
赤を落としながら歩いて行く前川なななは汗も同時に流れていく。
痛みで歩くことも苦しいようだ。
けれど、その痛みは当然の罰だと自分に言い聞かせてる。
動物はというと、心配げに彼女を見ながら隣を歩く。
セツナの部屋という場所がある小学校へと向かう。
小学校の場所は分かる。
暗いから、もう学校は閉まってると思うが向かう。
朝まで待つとなななは決めている。
帰るべきなのは分かるが、こんなことをしたのに帰ることなんてできない。
だから、向かう。
街灯はついている。
行けるとなななは思う。
歩き続けると声が後ろからした。
「こんな時間に何してるんだ?その隣のって…」
少年の声だ。
なななは、振り向かないで無視する。
「ま、待ってくれよ!なあ、けが…してないか?赤い血が…というか、その動物…!」
「…っなに?この子は私が出現させたのよ」
少年は言葉が一瞬出なくなるが、それでも、なななへ向かって走り、前に立つ。
「待てって!」
なななは声を仕方なく出す。
「…なに」
「大丈夫かよ!?けが、いてーだろ!?」
「…ど…いてくれる…?」
「どけるかよ!」
なななは大きく声を出す。
「どいてってば…………っ…!」
だが、苦しげだ。
隣の動物はなななの前へと行き、うなり声をあげる。が、少年を襲おうとはしない。
なななは、痛みで汗があふれ出てくるのに、声をだしたため、痛みがはしる。
「どかねーよ」
少年はひょいとなななを抱きかかえる。
「な、何してるの!?」
「行くぞ」
「は…!?」
「とりあえず、近くならあそこだ」
少年は、なななに何か攻撃をしているわけではないため、動物はただついて行く。
少年は走り出し、着いたのは暗い小学校であった。
「ここ…」
なななは驚く。
自分の行こうとしていた所だからだ。
玄関の鍵は開いていないため、裏の入り口のインターホンを鳴らす。
そこへ誰かは来たが、なななは痛みに気を失った。
そのためなのか、動物が消えた。
少年は驚くが、それよりもなななをつれていく。
小学校内 保健室
なななはベッドに寝かせられた。
その隣の椅子に、ふわふわとした短い紺色に毛先が緑かかった髪色で、深い青色の上下長袖の体操着を着た少女が座る。
少女は赤色の流れる場所を見る。
少女は、なななの手の甲を両手で包むようにふれると、目を閉じる。
かいとは聞く。
「大丈夫そうか?」
少女は集中していてかいとの声に答えない。
かいとははっとして、自分で自分の口を押さえる。
少女は、目を開けると、なななの手に包帯を巻いた。それが終わるとそっと、手の甲にもう一度ふれる。
手をゆっくりと離すと、少女は質問する。
「かいと、この人誰?」
「あ…名前聞いてないけど、俺の学校の制服だ
それより大丈夫なのか!?」
「少し、時間かかるかも、でも大丈夫」
「そ、そっか、…よかった」
「ねーえ、かいと」
彼女は椅子から立ち上がると、かいとと呼んだ少年に自分の肩をぴとりとつける。
「かいともけがばっかりして、心配なんだよ?」
「あ…_そう、だよな」
「私が治したいのに、ほとんど私のいないときにけが多いって、気をつけないとだめだよ?」
少女はぷくーっと頬をふくらますと上目づかいにかいとを見る。
「誰かを助けようとするのはすばらしいことだけど、自分のことだって大切にしないとだめだよ」
少女は続ける。
「かいとのことを心配してる誰かは絶対にいるから、その誰かと一緒で私だってかいとが傷つくの嫌だもん」
「…っ…」
「…だからね、自分のこと大切にしてね」
少女は離れるとにこっとした。
かいとは何も答えられなさそうだったが、いう。
「心配…してくれてありがとな、でも、俺はできることはしたいんだ、できることしかできないから」
少女はかいとがどこか眉を下げて、悲しそうな顔をしているのを見た。
「かいと、少し、外出てて」
「え!?」
「かいとは男の子なんだから!女性の寝てるとこじーっと見てるのはだめだから、はい、出る」
「いや、でも心配で」
かいとを保健室の外へと出した。
少女は椅子に座る。
「できることは、したい、か…」
眠るなななを見て、優しく声をかける。
「時間はかかるけど、治るからね」




